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黒龍殺しの付与術師  作者: しきな かいどう
少年期
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第21話 ナニしてたんだ

 感想や評価をいただけると駄目作者のやる気と勉強につながりますのでよろしければお願いします。

 ソフィアのもとで修業を始めて二ヶ月が過ぎた。

 今は風属性の魔法を習得中だ。

 今日も日暮れまで修行して二人で並んで帰路につく。


「順調ね!

 非常識なくらい。

 私を教えていたババアの気持ちがやっとわかった気がする」


 となにやら失礼なことを言われているが、順調なのなら構うまい。


 それよりも、


「ババアって師匠の師匠ですか?」


「そう なにかと口うるさい婆さんなんだけど知識は私とは比べ物にならないほど豊富よ」


「師匠は昔から変わらないんですか?」


「えっ? どういう意味?」


 口うるさいのはソフィアがだらしないからだろうと思うが黙っておく。


「そういえばまだ婆さんに弟子をとったこと言ってなかったなぁ。

 あとで報告しに行くか。

 めんどくさいけど」


「師匠の師匠はどこに住んでるんですか?」


「長いから婆さんでいいよ。

 今は王都にいるよ。」


「王都ですか。また遠いですね」


「まあ普通に行ったらね。

 けど短縮する手があるからそんなには掛からないよ。

 なあに?

 私が王都に行っちゃうと寂しい?」


「そうですね

 寂しくなります」


「うっ!

 そんな可愛い顔で悲しそうに言われると・・・」


「毎日誰かさんをたたき起こして、一日でよくもまあこんな散らかしたなと部屋を掃除するのが日課ですから物足りなくなります」


「いつもいつもすみませんね!」


「今朝もシウバさんに床に酒をこぼした跡の染みが増えてたって自分が怒られたんですからね」


「本当にすみません」


 そんなやり取りをしなからも途中で別れ、家に帰った。


 するとゲインがなにやら難しそうな顔をしながら入り口に立っていた。


「うぉほんっ・・・カイリ、ちょっと来なさい」


 なんだろうと思いドアを開けるとギルとアリスが胸に飛び込んできた。


「「おかえり、おにいちゃん!」」


「おっと! ただいま」


 そう言って二人の頭をなでているとギルが心配そうに尋ねてくる


「おにいちゃん、何かしたの?」


「ん? 

 何もしてないよ。

 なんで?」


 次いでアリスも不安そうに


「けどママ怒ってる。

 わたしがママのお化粧道具勝手に使ったときより。

 だってママ怒ると笑ってるように見えても最近は眉の間におシワが」


「アリス!と、ギルはちょっとお部屋に行っててね。

 ママとパパはお兄ちゃんと大事なお話があるから」


 いつの間にかアリスの後ろに立っていたアイリは二人を部屋に行くよう促す。


 (あっ確かに今笑ってるけど眉間にシワが出来てる。

 やっぱりこういうのは子供でも女の子の方が気付くもんなんかな)


 と考えていると、


「なあに?」


 アイリに微笑まれた(睨まれた)

 俺は平静を装いながらも


「何も。

 で、どうかしたの?」


 と本題についてたずねる。

 ギルとアリスが部屋に入り、居間に3人だけになる。


「えーとね、カイリ、実はね」


 何やら歯切れが悪い。


「母さん、ここは俺が話すよ。

 こういうのは母さんより男同士の俺の方が話しやすいだろう。

 カイリお前に聞きたいことがあるんだ」


 アイリの言葉を遮りゲインが継いだ。


「カイリ、今日おまえが大人の女の人と会っていたというのを人づてで聞いてな」


 なんだ、ソフィアのことか。

 まあ普通に町中一緒に歩いて修業場向かってるし、外見は人目を引く美人だしな。

 そりゃあいずれ知り合いにも見られるか。



「だいたい何をしていたのかも想像はついてる」


 あんな目立つ白のローブととんがり帽身に付けていればねぇ。


「で・・・いつからなんだ?」


 魔法の修業を始めて・・・う~んと、


「二ヶ月前からかな」


「二ヶ月前だと!

 お前はしっかりしているからつい父さんも放置しがちだったがそんな前からそんなことしてたとは・・・」


「ごめん、ほんとはもっと早く紹介するつもりだったんだけど」


「紹介されても困る!

 どんな反応をすればいいんだ!

 息子がお世話になってますとでもえばいいのか?

 言えるわけないだろう!?」


 いや、お世話になってますって言えばいいだろう。

 こんな取り乱しているゲインは初めて見たな。


「だいたいその人は一体いくつなんだ!?」


 ソフィアの年齢?


 ああ、魔法使いって威厳あったり偏屈なイメージあるしな。


 ゲインが相手の年齢気にするのも当然か。


 まあ、ゲインの方が年上なんだからそこまでかしこまらなくてもいいと思うけど。


「たしか20歳だって。

  まだ全然若いよ」

 

「若いったってお前よりずっと年上じゃないか!

 向こうから誘ってきたのか!?」


「そうだよ。

 師匠から誘ってきた(師弟関係を)」


「師匠!?

 お前、師匠って呼んでるのか!?」


「うん、いろいろ(魔法)教わってるしね」


「 はぁ・・・こんなことは聞きたくないんだがどこまでいったんだ?」


「どこまで?

 ああ、一部(火属性)の初級を終えたとこ」


「初級ってなんだ!?

 アレに初級とかあるのか!?

 しかも一部ってアレに分野があるのか!?」


「うん、まだ触りだけの僕が言うのもなんだけど奥が深いね。

 けどスジが良いって師匠には褒められてるんだよ」


「スジがいいってお前・・・

 けどまだ触りだけってことは最後までいってないのか。

 カイリ!

 火遊びなら今のうちにやめなさい!」


 はあ?

 魔法を火遊びとか流石に聞き捨てならない。


「遊びじゃない!

 真剣だよ!」


「真剣ってお前。

 なお質が悪い!

 それに宿でこそこそとしてるくせに何を言ってるんだ!」


「宿じゃなくて山の中でちゃんと昼から夕方まできっちりやってるよ!」


「山の中!?

 昼から夕方まで!?

 なんでそんなところでやってんだ!?」


 ゲインの顔が真っ赤だ。

 今にも血管が切れそうだ。


 ・・・何ががおかしい。

 会話が噛み合ってるようで噛み合ってない感じがする。

 いちいちゲインのリアクションが大きいのだ。


「魔法の修業なんだから人のいない広いところでやるのは常識だろ!」


「・・・魔法?」


「うん?魔法」


「「・・・・・」」


「・・・なんだと思ってたの?」



 

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