第16話 魔法~座学~
翌日、ソフィアを迎えに町中の宿屋に向かう。
彼女が宿泊したのは町でも大きめで一階が飲み屋、二階が宿を兼ねているお店だ。
カウンターで強面の宿の主に話を通し二階の一番奥の部屋へ行くと、床に脱いだ服や酒瓶、つまみが散らばっていた。
散らかした張本人はベッドでいびきをかいて寝ている。
衣服が乱れ白い肌と下着が見えているがまったく色気を感じない。
昨日で起こし方を覚えたので下のシーツを引っ張りあげ床に落とす。
べたんっ
「うべっ」
「起きて下さい。
もうすぐお昼ですよ」
「・・・痛い」
「おはようございます。
寝相悪いんですね」
「・・・・・」
「ここは片しとくんで下でご飯食べてきちゃって下さい。
あ、衣服は自分で片してくださいよ」
「寝相の問題だったのかな」
「ちなみにここの宿屋の主、シウバさんっていうんですけど、部屋の使い方汚い人にはめっちゃ怖いらしいですよ。
あーここの床、ワインこぼれてシミになってるなぁ」
「黙っててね!
ごはん食べてきます!」
笑顔で彼女を見送った後、部屋を掃除する。
別に俺がやる必要はないのだが、修行の見返りが何も無しというのが気持ち悪かったのだ。
ある程度片付いたところでソフィアが戻ってきた。
口元にパンかすが付いている。
「おー部屋が片付いてる。
ありがとね!」
「別にこのくらいは。
修行はどこでやるんですか?」
「昨日の山の裏に行くと岩場だらけのひらいた場所に出るからそこでやろうか」
「分かりました。
よろしくお願いしますソフィアさん」
「ん?
遠慮せずに昨日のように師匠と呼んでいいんだよ弟子よ?」
「師匠だなんてそんな馴れ馴れしい真似出来ませんよ。
それに昨日の帰りに、今日の修行はお試しでいいからって言ってたじゃないですか。
弟子だなんてそんな馴れ馴れしい」
「最後の馴れ馴れしいは謙遜じゃないよね!?」
「そんなことないですよ?
それじゃあ行きましょうか」
適当に流して宿を出る。
修行場に到着するとソフィアから質問を受ける。
「弟子はまず、魔法についてどのくらい知ってるのかな?」
「カイリです。
魔法の属性とランクぐらいですソフィアさん」
「なるほど、では師匠が弟子に詳しく説明してあげよう」
意地でも引かないつもりだな。
「まず、魔法には4大属性と呼ばれる火・水・風・土があって、さらに光、闇属性の2対属性、そして無属性の7属性があります。
ここまでで何か質問はあるかね弟子よ」
「昨日ソフィアさんが使った植物の魔法は土属性になるんですか?」
「ほう、さすが私の弟子だ。
良いところの気が付いたね!
あれは木属性だ」
「木属性・・・ですか」
「そう!
さっき上げた7属性以外にも属性はあって、それ以外の属性が使えるかは本人の才能よりも種族によるものとなる。
だから基本的上げられるのが7属性となるんだ。
ちなみに木属性はエルフ族が使える属性になります」
「人間族にしか使えない魔法はないんですか?」
「ない!
その代わり人間族は特別なスキル持ちが生まれることがあるよ。
スキルについてはわかる?」
「あまり知らないです」
「なら!師匠は魔法だけじゃなくスキルにも詳しいからね!
次回弟子に教えてあげるね!
今回は長くなるからスキルは割愛しよう」
勝手に次回が出来た。
一歩も引く気はないようだ。
「続いて魔法のランクについて。
初級、中級、上級、超級、王級、聖級、神級の7段階があって、当然上に上がるにつれて扱うのは難しくなり、上級が使えれば一人前、超級を使えるものは極少数で使えれば一流魔法師としてめっちゃ羨ましがられます。
王級が使えれば宮廷魔術師採用は間違いなく、一生食いっぱぐれることはありません。
さらにその上の聖級を使えるのは大国でほんの数人、神級は伝説上のものとして、現在使える種族はいないと言われています」
「ソフィアさんはどこまで使えるんですか?」
「師匠はすごいんで聖級の魔法を何属性か使えちゃいます」
「・・・見せてもらえることは出来るんですか?」
「危険なので出来ません」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「では、次に種族ごとの魔法の相性について説明します。
まず弟子の人間族は各個体の差が激しくて、魔法に長けている者は身体能力が上がりづらく、身体能力に長けている者は魔法の才が低いことが多い。
魔法の属性の得て不得手も本人の才に左右され、一概にこうとは言えない教える側からはめんどくさい種族です」
話し長くなってきて本音ぽろっと出てんぞ。
「あとはサクッと言うね。
エルフは魔法の才に長けて、特に風と水属性が得意。
ドワーフは魔法の才はそこそこ高く、特に土属性に長けていてる。
獣人族は各種族にもよるけど基本的に魔法の才は低く、その代わり1つの属性や、特別な属性に特化している場合が多い。
魔族は基本は魔法の才が高くて、種族によっては特別な属性を持つものもいる。
まあこんなところかな。
何か質問は?」
「僕の場合は身体能力に依ってるようなので魔法の才は低いのでは?」
「うん、昨日の君の崖から降りる身体能力から見て明らかに身体能力依りだと思う。
けど何の属性も適正がない人間はいないし、無属性の身体能力強化の魔法は一線で戦う騎士や戦士に必須と言えるものだから覚えた方がいい」
「その無属性は誰でも覚えられるもの何ですか?」
「無属性は派手さや強烈な威力のものはないけど、比較的習得しやすい魔法よ」
「なるほど。
なんか魔法師の方が戦士より強くないですか?」
「一概には言えないよ。
遠距離では魔法師が有利だけど近距離は戦士が有利。
そこにスキルが絡むとより複雑になるしね。
あまり長く話してると日が暮れちゃうし、少し実技もやってみようか」




