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黒龍殺しの付与術師  作者: しきな かいどう
幼年期
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第7話 レイラ

 レイラに捕まり何をしているかといえば小さな女の子の遊びの定番おままごとである。

 毎回夫婦の役なのだが、ここまでなら微笑ましい光景だろう。

 何がつらいって真面目にやらないと鉄拳が飛ぶのだ。

 DVだ!と訴えても理解してもらえない。

 それに前世の精神年齢で5歳児との真剣なおままごとは結構きつい。



 彼女、レイラとはじめて会ったのは3年前、お互いが2歳のときだ。

 アイリの友達ルーシが娘を連れてきたのが始まりだった。


「いらっしゃい」


「お邪魔するね。

 おおーカイリ君大きくなったね」


「良く食べてよく寝るからね。

 レイラちゃんも大きくなったね」


「よく食べて、よく泣くからね」


「夜泣き?」


「そう、最近あまり寝れなくて。

カイリ君は夜泣きしないんだっけ」


「しないけどそのぶん旦那が抱っこしたときだけよく泣く」


「ははっ、けどゲインさんも夜しっかり寝れるから仕事の疲れも抜けるでしょ。

偉いねカイリ君」


 そういってルーシは床に座る俺の頭を撫でる。

 ふむ、美人に子供扱いされるのも悪くない。

 むしろいい。


 それを見ていたレイラは、ハイハイで俺に近づいて来た。

 なんだ、遊んでほしいのかな?

 すると鼻の穴に思いっきり指を突っ込まれ鼻血が吹き出した。


 (いい歳こいて鼻血出しちゃった!いや今2歳か) 


「レイラ!駄目でしょ!ごめんねカイリ君アイリ」


「大丈夫よ、カイリも全然泣いてもいないし」


 ルーシは謝りながらもハンカチで俺の鼻を抑える。


 おそらく母親をとられると思ったんだろう。

 怒られてぐずるレイラの頭に手をのせてドンマイと撫でると、抑えられている鼻の穴にえぐりこむように指をつっこんできた。


 止まりかけていた鼻血がまた流れだし、レイラはルーシに怒られていた。


 その後、鼻フックされることはなくなったが、何故かやけになついてきた。

 アイリとルーシが談笑している間は俺がレイラの面倒を見て、帰るときには嫌がってぐずるまでがデフォルトになっていた。


 その様子を見たアイリとルーシが、


「あらあら、まあまあ」

「将来の婿どのは面倒見がいいわね」


 などと勝手なことを言ってるが、怒ると鼻フックする嫁は勘弁ですよと二人に抗議の眼差しを向ける俺だった。



 そして現在、おままごとの中の嫁さんは、


「仕事と私どっちが大事?」


「仕事やめて代わりにお前が働いて養ってくれるならお前」


 と答える俺のテンプルにチョッピングライトを的確に叩き込むのだった。


 ここまで読んでいただきありがとうございます。

 ブックマークや評価をいただければ今後の励みになりますのでよろしくお願い致します。

 以降も話しは続きますので少しでも楽しんでいただけたり、暇潰しにでもなれれば幸いです。

 


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