巫女あらわる!
「巫女様!?どうしてこちらに?」
突然「いざないの間」に入ってきた金髪の女性に対して、代表格のおじいさんが驚きをもって尋ねる。
「なぜって?今まで感じたことないほどの聖なる力を感じたからよ!」
そう言って巫女は両手を腰にあて、どや顔をつくる。
「それでピンときたの!これは奇跡が起きたに違いないってね。『いざないの奇跡』がね」
「金髪美女さん元気いいな。『いざないの奇跡』って召喚のことかな」
治郎が小声で京也に話しかける。
「それで来てみたら大正解!半ば諦めていた異世界からの召喚ができたなんて素晴らしいわ!」
巫女は両手を広げ感激しながらそう述べた。
「召喚ってことであってるっぽいよジロー」
今度は京也が治郎に小声で返した。
「うむ、そうでしたか巫女様。しかし、いくら聖なる力を感じたとはいえ突発的に行動するのは駄目ですぞ(こっちにもだんどりというものがあるのに)」
ローブのおじいさんが納得すると同時にたしなめるように言った。
「そう?別にいいじゃない」
しかし、巫女は何とも思っていなかった。
ローブのおじいさんはため息をだし、首を小さく振った。
「あの、そろそろいいだろうか。」
話を折られていた吾郎先生が声をかける。
「おお、すまんかったのう。話に戻る前にこの方の紹k」
「初めまして!私は陽光彩紀団の巫女を務めさせていただいてるミファーよ!いざないの皆様、よろしくね!」
「「「は、はじめまして。よろしくお願いします。」」」
ローブのおじいさんに割り込み、巫女が自己紹介をする。
そして、流石現代教育を受けてきただけあって、反射するようにクラスの皆も返事を返す。
「わぁ、みんな素敵ね」
よほど返事が返ってきたのが嬉しいのか、先ほどよりも顔をほころばす巫女ことミファー。
「みんなにはぜひ私たちの陽光彩紀団に入ってもらいたいわ!」
「団に入ってほしいってどういうことなんだ。」
京也はそうつぶやき首をかしげる。
「巫女様。いざないの皆様方はまだ召喚されたばかり、まだ何も説明をしておりませぬ。それに他の教団の方がいない時の勧誘は、不義理になりますぞ。」
「うぅ、ごめんなさい。」
ローブのおじいさんがミファーをたしなめる。
「うむ。巫女様は私が説明を終えるまで待っていただいてもよろしいかな。」
「わかったわ」
ミファーはうなづき、後ろに下がる。
「ごほん。待たせてすまなかった皆様方。では話の続きと行きましょう。まずは我々が何者なのか。皆様方に何が起こったのか。」
再熱は難しい。