血と林檎
ああ・・・
俺はなんてことしちまったんだ・・・
そして手にしていたナイフを落とした。
手が震えている・・・
信じたくはなかった
目の前の光景が自分のつくりだしたモノとは
俺は ソレ に触れてみた。
冷たい・・・
そして真っ赤に染まっている。
さっきまで生き活きとしていたのに・・・
今はその面影すらのこっていない。
二階から誰かが降りてきた。
妹だった。
これは何よりも最悪の状況だった。
妹がリビングへ入ってきた。
「?何やってんの・・・お兄ちゃん。」
「え?あ、いや・・・え?」
言葉がでてこなかった。
妹は俺の後ろにあるモノに気が付いたようだ。
「?・・・!?お、お兄ちゃん・・・それ!?」
「・・・」
「ひどい・・・」
「ほんっとごめん。
だってお前のウサギちゃんリンゴがあまりにも
ブカッコウだから直そうかと思ったら・・・」
床には完全に耳を剥ぎ取られた ソレ がころがっていた。
「んもーう。初めて作ったんだからしょーがないでしょー、
かわいそかわいそ。」
ころがったリンゴを抱え上げながらこう言った。
「ところでお母さん知らない?これの編み方聞きたかったんだけどー」
「俺は知らないなあ。出かけてるんじゃない?」
「そうかも、じゃあ後でいいや」
そう言い残し、妹は二階へ戻った。
この会話中心臓が何度はちきれると思ったか・・・。
俺は足でふんずけて隠していたナイフを拾い上げた。
そのナイフには大量の血が付着していた。
ソファーの後ろで息もせず横たわっている母の血が。
ありふれた兄の行動の裏の恐ろしい真実。
この作品は僕のデビュー作となったわけですが、
是非とも感想を聞きたいので
ドシドシどうぞ!(・・・なんじゃこりゃw)