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沈黙を破ったのは新たな人物


「女王陛下、聖女ミリアレナ様がお見えになりました」


「ミリアレナ様?なぜ聖女様を?」


従者が女王に聞いた


「・・・・・」


「もう、陛下ったら、こんな所に呼び出して何のおつもりですの?」


現れた聖女は光り輝いていた。

金のウエーブのかかった髪に白い肌、碧と金のオッドアイの瞳。

白に近いベージュの、刺繍が沢山された豪華なドレスをまとっていた。


彼女は手ぶらではなかった。

両手をかざして光る大きなボールを宙に浮かせるように持っていた。

ボールの中には豪華な宝飾が施されている剣が鞘に入ったまま浮いている。


「陛下・・・あれは!何故あんなものを此処に」


「うっ、何だこの娘・・・・」


大男が起き上がった


「くそ!もう一度!」


「待て!ガロン」


女王陛下が止めた。


「ミリアレナ!こちらまで来い!」

「もう何なんですの?ミシェリアーヌ様、まさかまた挑戦しようなど思われませんよね?」

「いいから、来い」


ぶつぶつ言いながら聖女ミレアレナはミシェリアーヌ女王の下に来た。


「!ミシェリアーヌ様!まさか!駄目ですってば!」


光るボールの中に手を入れ柄を握ると一気に引き抜いた。

そのときバチバチッと火花が散ったかと思うと掴んだところから炎が出て手を焼く。


「くっ!」


そして、その剣を聖羅の前に投げた。


カン!カタカタカタ

剣はくるくる回って聖羅の近くで止まった。


女王の手は真っ黒に、皮膚が焼けて筋肉が見えていた


「なんてことを・・・・」


苦痛に顔を歪ませる女王。


その様子を見ていた一兵士が何を思ったか投げられた剣を拾おうとしている。


「!やめなさい!駄目!」

聖女ミレアレナがそれに気が付いて叫ぶ。


剣に触れたとたん、火花が散り、炎が兵士の体全体を覆う、燃え上がる炎。


「ギャー!」


炎が治まった後には、灰しか残っていなかった。


その場がシ-ンと静まり返る。


「知らない者が居たとは・・・長い間封印してましたものね」


聖女が言う。


「そこ女!その剣を使え」

「なっ!女王陛下、何を仰るんですか!」


聖女が慌てる


「その物に勝てば、条件次第では元の世界に戻してやる、負ければ全員死刑だ」


「はっはっは!女王陛下、この者が我に勝てるなどとお思いか!、ま、その前にその剣を取れば消し炭だかな・・・・はっはっは!」


「せ、聖羅さん!」


心配そうな[[rb:西尾香奈 > にしおかな]]と[[rb:安西有紀 > あんざいゆうき]]


「はっはっは!・・・?」


聖羅は剣をそっと取った。


何も起こらない。


「倒す!」


聖羅が身構えた。

キーン!剣から威圧が発生した。


「なんだと!何故それを持てる!?」








ーーーーーーーーーーーーーー

聖羅は、咄嗟に動いた自分の体に驚いていた


(勝手に動いた、剣なんて使ったこと無い・・・いや、この感覚は・・・)


そして綺麗なビスクドールの様な綺麗な女性が掲げるボールの中の剣を見て、何かが弾けた


(ギィンデリダの剣・・・あれは私の剣・・・)


(女王、侵略、戦い、敗北・・・死)


頭の中で目ま苦しく流れる記憶


(守らねば、我が民を・・・)


剣を取る、体に流れ込むエネルギー


ーーーーーーーーーーーーーー










大男ガロンは聖羅の威圧にたじろいだ。


「この気配、感じた気配・・・・」


同じくその気配に呆然としていたのは佳織だった。

周りの理事長などは威圧に腰を抜かしている。

呆然と聖羅を眺めている。





”セイラ フィーメイル アレキィル女王”





あの女王は国を滅ぼして民を救ったそして死んだ




「亡霊などに負けるものか!」


ガロンは聖羅に剣を向ける

キン!キンッ!キン!キン!

交差して甲高い音が響く・・・


剣が交わる間、聖羅の持った剣から聖羅を包むように、結晶が広がって行き、最後は鎧の姿になった。



聖羅が鎧に覆われた途端雰囲気が変わった。

威圧と、邪悪な気が発せられる。

大男は、一瞬怯んだ。


「なんだ、これは・・・・」


大男ガロンに冷や汗が流れる


「あれが、邪神の鎧ですか!?」


王女の横の従者言う


「そうだ、心も持って行かれる、だから、アイツは剣と鎧は別にしてたんだ」

「無敵と言われる鎧・・・でもあの気は恐ろしい、あの者の正体が分かりました」

「セイラ フィーメイル アレキィル女王、かつて渓谷にあった国の女王の生まれ変わりだ」


女王が従者に言った。


鎧の向こうの目が赤く光る

右に左に剣をかわしながらガロンを放浪する聖羅、

キーン・・・・ガロンの剣が吹き飛んだ。

聖羅の剣がガロンの喉に突き刺さろうとしていた。


「せいら!」


そう叫んだのは香織だった。


ピクッと反応した聖羅の剣の切っ先が方向を変えガロンの目を切り裂いた


「うわっぁ~」


転がりまわるガロン、上からその様子をじっと見ている。


「ガロンを病院に連れて行け」


王女がそう言ううと兵士がガロンを連れて出て行く。


「目が、目が~」


叫びながら出て行った。


カラン


剣が床に落ちる。

すると聖羅を覆っていた鎧が一瞬で消えた。


そこに現れたのは、聖羅では無かった。

紅い瞳に、銀色の髪、も ともと日本人離れの顔だったが、さらに美しい少女が立っていた


「名を聞こう」

王女か聞くと。


「青木聖羅 《 あおき せいら》セイラ フィーメイル アレキィル女王の記憶を持つもの」


そういって女王を睨む。






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