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異能×屍 -終末における俺の異能の有用性について‐  作者: ペリ一
異花の章

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第2話

遅くなってしまい申し訳ありません!

あと幸運猫の異能解説は次の話にて……

入れようとしたんですが文字数が……はい

「……どうやら、運転の腕に関しては信用を置いて良いようだな」


「でしょ?」


 ヘリが離陸してから30分程経ち、ヘリの中には既にだらっとしたような空気が流れていた。


「子猫ちゃん、そろそろ目的を教えてくれても良いんじゃないの?」


「……んーっとね……この災害を引き起こした犯人を一緒に殺して欲しいの」


「何……!?」


 思わず身を乗り出したマーキス。


 無理も無いだろう、それは米軍が今、血眼になってまで探している者なのだから。


「……知ってるならなんで米軍とコンタクトを取ってくれなかったんだい?それなら普通に協力できたぜ?こんな方法じゃなくても」


「……ルーカスの言う通りだ……何故……」


「だって捕まるのなんて嫌だもん」


「……」


 呆れて物も言えない2人に対し、畳み掛けるように続いた言葉。


「……だって施設の中って退屈なんだもん。研究者は私の事、実験体としか思ってないし」


 その少女の動機を知るには充分すぎるものだった。


「……それは……」


「私の異能はまだ分かってない事も多いから……いや、私が自己申告しても信用してくれないってだけなんだけどね」


「……子猫ちゃん……いや、名前を聞いてもいいかい?」


「……聞いてどうするの?」


「いやぁ、いちいち子猫ちゃんって言うのもめんどくせぇだろ?なぁ、ブラザー?」


「俺に聞くな」


 幸運猫の保有者はミラー越しに呆れたように鼻を鳴らすマーキスを興味深げに眺めた後に。


「……私の名前は……マリア」

 そうとだけ言うと、再び運転に集中し始めた。



「……オーケー、マリアちゃんね」


「ファミリーネームは?」


「おいおい、ブラザー、無粋な事聞くんじゃねぇ」


「……」


 何かを察したのかマーキスはそのまま無言になり、窓の外の景色へと視線を移した。


「……話題が逸れたが、なぜ今回の災害の犯人がわかったんだい?マリアちゃん」


 このまま気まずい空気になるのを恐れたのか、ルーカスが慌てて口を開き、マリアに話しかける。


「この災害が起きてから……因子数値ランキング上位者に、一斉に念話が飛んできたの」


「……!……その話、詳しく教えてくれるかな?」


 身を乗り出して来たマーキスを一瞥すると、マリアが口を開いた。


「……因子数値ランキング上位者に一斉に、ってのは推測だけど……とにかく、念話で、ある場所に集合せよ……って」


「ある場所って?」


「今向かってる所」


「……なるほど……所で、その念話の内容について教えて欲しいんだが……」


「ちょっと待って」


 マリアがそう、ピシャリと言い放つと同時に機体が大きく傾く。


「……今のは?」


「なんか兵士が攻撃してきてるみたいだけど」


「ははは、参ったなブラザー」


「そんな事を言っている場合ではないぞ!」


 慌てて窓の方へ身を乗り出し地上を確認する。


「ルーカス!なんとか本部に連絡を取れないか!」


「その必要は無いみたいだぜ、ブラザー」


 ルーカスの指す方向に目を向けると、何やら運転席に配置されたモニターのような物が点滅している。


「多分、ありゃ本部と連絡を取る為の物だろうな、非常事態だし、無理矢理本部から回線を繋いできたんだろ」


「……おい、マリア」


「分かってるって」


 マリアは少しムッとした表情をしつつもモニターに向けて言葉を発した。


「もしもし?こちら幸運猫(フォーチュンキャット)


 すると、ノイズや雑音まみれのモニターは段々と映像をハッキリとさせていき、最終的に1人の男の姿が映された。


『これはこれは……ご機嫌麗しゅう、幸運猫(フォーチュンキャット)嬢……本日は……いったいどういうおつもりで?』


 少し巫山戯たようにも思える物言いで発言したこの男。


 この男こそが、米国の異能精鋭隊を束ねる総隊長。


 重力場(グラヴィティ ゾーン)の保有者たるグレイソン・マーティンだ。


「それは……この攻撃を止めてくれたら教えてあげてもいいわ」


『えぇ、勿論止めますとも』


 そう言うと先程からうるさい程に聞こえていた、爆発音や燃え盛る炎の通り過ぎる音などがピタリと止んだ。


「隊長、申し訳ありません……失敗してしまいました」


『ん?マーキス君か……いやいや、生きているだけでも良かったよ……さて、幸運猫嬢。せっかく攻撃を止めてあげたんだ……それに見合う何かが、あるんだろうね?』


「勿論……私はとある情報を持ってるの……」


 マリアは、まるで自分の宝物を自慢する少女のような……いや、実際にそうなのだが……表情を浮かべ、モニターに向かって


「この災害の犯人、そして因子数値上位者達の集合場所よ」


 そう、堂々と言い放った。


『……ッ!!?……も、もう少し、詳しくお願いできるかな?犯人とは……いったいどういう……』


「言った通りの意味よ。この災害は、異能で引き起こされた物……いったいどんな異能者かまでは分からないんだけどね」


『……なるほど……それは……ところで、その因子数値上位者達の集合場所、とは?』


「この災害が始まった日、因子数値上位者に一斉に念話が飛んできたのよ」


『成程、おそらくその念話を送らせた者が今回の災害の犯人である……と?』


 マーティンに話を先取りされたのが不快だったのか、少し眉を寄せつつも


「……そうよ……そして、その念話で知らされた集合場所に今向かってる所って訳」


 そう続けた。


『……ふむ、援軍を何人か送る事は可能かい?』


「ただ人数を揃えても無駄だと思うわよ」


『分かってる……なら、1人、精鋭を送り込みたい』


「……ふーん、別にいいけど」


 そこでルーカスが身を乗り出し


「マーティン隊長殿!そいつと入れ替えに俺達は帰っ……」


『却下だ』


 そして撃沈した。


「……ルーカス、俺達のミッションはまだ達成出来ていないだろう」


「……でもよ、ブラザー…………因子数値上位者の宴に参加するなんざ命がいくらあっても足りねぇぜ?」


「……承知の上だ」


 マーキスが重々しく頷く様を見たルーカスは、少し首を竦めた後に、再びマーキスの身体の中へ沈んでいった。


『……では、数kmほどいった先にへリポートのあるビルがあるはずだ……そこで人員の受け渡しをしよう。この災害の解決策は、我々が血眼になって追い求めてきた物だ。全力で支援させて貰おう』


「……そう……その言葉、信用するわよ」


『勿論』


 そう言い、満面の笑みを浮かべたマーティンが映ったのを最後に、モニターは沈黙した。


「……さて、問題は上手くへリポートに着地出来るか、ね」


「……ルーカス、宴に参加するまでの道のりもなかなかの物のようだな」


 マリアは、悪態を付きながら宙を仰ぐマーキスをミラー越しに見、悪戯っ子のような笑みを浮かべた。

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