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第2話

2話までとりあえず連続投稿です。

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 チュンチュン


 朝ですよ。


「……ふぁーあ……ん」


 目を覚ました俺が真っ先に行うのは、カーテンを開け、朝日を浴びる事だ。


 これは俺にとって非常に意味のある行動だ。


「……昨日風呂入ってねーじゃん。やだ不潔ー」


 まぁ男の一人暮らしではよくある事だ。


 まぁその為に俺はなるべく早起きをするようにしている。



「……くぅ、朝日、ごちそうさんです」


 パンッと偉大なる太陽に向け手を合わせ、タオル片手に風呂場へと向かった。




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「ふいー、さっぱりしたー」


 濡れた髪の毛をワシャワシャしつつ俺はリビングへと戻った。


「……あ、あのスレッドどうなったかな」


 そこでふと俺は昨日の夜のスレッドを思い出し、スマホを起動させた。



「ふんふんふーん」


 鼻歌を歌いつつテレビの電源もオンにする。



「お、あったあった……はぁ?part3?」


 372:名無しの屍さん


 なんかさ……一気にゾンビ増えたよな。


 373:名無しの屍さん


 昨日の夜からだな…… あぁ、サイレンうるせぇ。


 374:名無しの屍さん


 カーチャンが帰って来ないんだが……


 ……ちょっと会社まで様子見に行こうかな


 375:名無しの屍さん


 なんかワクチン作ろうとしてた所から一気に逃げ出したつっーかなんか研究室の内部で感染爆発したらしいぞ。

 しかも各地の研究所でほぼ一斉に。


「……え」


 思わず声が漏れた。


 俺は慌ててこう、書き込んだ。



 376:名無しの屍さん


 ちょっと待って。

 >>375さん、研究室って学園中心部のも含まれてんのか?


 377:名無しの屍さん


 おや?


 378:名無しの屍さん


 >>376

 ガチの関係者の方?もしかして学生か?


 379:名無しの屍さん


 >>378

 こんな時間に学生いねーから



「……こんな時間?」


 そういえば、先程から聞こえてくる報道番組がいつもと違う。


 ……どうやら寝坊したらしい。


 いや、昨日風呂に入っていれば普通に間に合ったかもしれないが。




 380:名無しの屍さん


 朝風呂に時間かけすぎたんだよね。


 381:名無しの屍さん


 >>380

 アホスwwwwwwwww


 でも不幸中の幸いか?今、中心部やばいだろ。

 既に死者出てるっぽいし。



「はぁ!?死者ぁ!!?」


 思わず声が裏返る。


 ……ちょっと待てよ。

 マジで言ってんのか……?


 そこで俺は初めてテレビに目を向けた。


 そこには各地方での惨劇の様子が報道され……そしてその中には、学園中心部……火の手のまわった校舎が映されていた。


 流石に地上は危ないのか、全て空撮であったが。


『ご覧下さい!!英知の限りを集め、能力者の学びの園であった校舎はあのように火の手に包まれております!!』


 レポーターがヘリ内部で必死に現場の状況を実況している。


「嘘だろ……オイ……」


 俺はただ、その光景を呆然と見ていた。



『きゃぁあ!!!!』


 そこで、唐突にリポーターが悲鳴を上げ、映像が揺れる。


 スタジオいるのであろうアナウンサーからも悲鳴があがる。



『い、異能です!!!誰かから異能で狙撃され……ぎゃあああああああああ!!!!』


 そこで番組が強制終了。


『しばらくお待ち下さい』という字幕が表示された。



「……知ってる」


 俺は心臓が早鐘の如く鳴り出したのを自覚しながら、掲示板に書き込んだ。




 480:名無しの屍さん


 先程書き込んだ学園の学生だ。

 さっきのニュースを見たやつはいるか?

 俺はあの異能を知っている。


 481:名無しの屍さん


 >>480

 !!!ID一致!!本物だ!!!


 482:名無しの屍さん


 >>480

 知ってるってどういうことだよ!!!11

 てかあのニュース見てねぇやつとかいねぇだろ!!




 そこから怒涛の如く俺へのレスが続いた。



 523:名無しの屍さん


 あの異能の名前は

 狙撃型光線(スナイプビーム)

 ……個人名は流石に出すわけにはいかないが、それの所持者は間違ってもヘリを撃ち落とすような奴じゃないって事は言っておく。


 524:名無しの屍さん


 でも実際撃ち落としたじゃねぇか!!!




「……そうなんだよな」


 ゾンビ殲滅時に流れ弾が当たったのだろうか。


 ……いや、そんなミスをするタイプではないはずだ。



 ……あの異能の保有者は、真面目で、所謂委員長気質ってやつだった。

 クラスをいい感じにまとめてくれていたし、俺も少しは感謝していたし、凄いとも思っていた。



 ……俺がそんな事を考えているうちに、スレが妙な流れになっていた。



 583:名無しの屍さん


 確かに。>>523の異能が何なのか気になるよな


 584:名無しの屍さん


 俺、異能欲しいとか思ってたけどそんな事なるなら一般人で良かったわ。

 あと>>523、異能晒しはよ。


 585:名無しの屍さん


 >>523ー!応答しろー!?生きてるよな!?



「……異能晒し、ね……」


 ここの掲示板では、学園関係者……特に異能力者を名乗る者が現れると、毎回といってもいい程異能の提示を求められるのだ。


「……こんな事なってるし、いっちょ晒して伝説作ったるか」


 そんな軽い気持ちで俺は。



 597:名無しの屍さん


 ああ。定番の流れだわな。


 …… じゃあお望み通り晒してやるよ。


 俺の異能は

 超光合成(ハイパーエナジー)


 ……日を浴びると、栄養素を生み出せる。



 学園内、最弱と名高い異能を晒した。


 このあと、怒涛の俺の異能貶しが始まるのだろうな……と半笑いで待ち受けていると……



 598:名無しの屍さん


 >>597


 ……え?これ最強じゃね?



「……は?」


 どこをどう解釈したらそうなるんだ。



 599:名無しの屍さん


 >>597

 一瞬、うわカッスwwwと思ったけどさ。


 ……この状況だと最強じゃね?



 600:名無しの屍さん


 >>599

 わかる。

 食料調達しなくていいとか篭城しっ放し出来るじゃん。


 601:名無しの屍さん


 >>597

 その異能くれ




「……そうだ、そうだったな」


 もう、日常は崩れた。


 今までの価値観じゃ見えてこないものが見えてきだしたんだ。


 俺の能力は……とんでもなく、篭城に向いていた。



 確かに、この世界で生き残る事において俺は……最強かもしれない。

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