03 むぅ 著 『霜』
目覚ましさんが歌う前に 外へ出ましょう
・・・
「今朝 霜柱が立っていて 冬なのね を感じちゃった」
テーブルの野菜ジュースを一気に飲みほし 母が元気なおばさん しました。
「アナタも自然の恩恵受けてらっしゃい」
ソファーに半身埋まって 母を直視しない様に盾にしていた抱き枕様をふんっと剥ぎ取られ それでも ソファーの背に目を伏せて「寒いと消えてしまいます」と・・多分つぶやく。
ああ・・それよりも小さく
そうそう 昆虫の羽音で消されてしまうほどの きっと この表現がナイスなのだわ・・とミミコさんは自画自賛してしまいました。
はい。
「いい?」
何をするにも気合が人の平常モードより少し上を行く母。。
カーテンをザザッと開け「この太陽を観て! 清々しいでしょ!」
ああ・・・歌劇を観る様に・・です。
「季節はもう冬! お日さまだって頑張るのよ わかる? お日さまだって寒いの!」
「はぁ・・・」
「寒いながらも頑張っているの!」
ミミコさんの頬を両手で挟みながら「頑張ってるお日さまに申し訳ないと思わないの?ミミちゃん」
いやぁ~(T-T) こうなったら母の女優は止められにゃ~~い。。
ミミコさんここは覚悟を決めて、「はい・・・ママ 頑張っているお日様に感謝して 明日は早起きして霜柱さんとお話します」が お利口さん。
そう・・・・・
それが昨日のお約束でした。
昨夜は気合を入れ過ぎて 短い悪夢を何度も見ました。
双頭のドラゴンに追いかけられて目覚めてはお時計さんを確認して
再び眠りにつくと 夢の続き
双頭のドラゴンからやっとの思いで逃げ込んだ森では、意思を持つ 巨大植物や人食い花の攻撃。。
一晩に何度お時計さんのご機嫌伺いをした事かしら。。
眠る事を諦め白雪姫の小人さんのテーマを聴く前にベットを捨て ミミコさんは部屋を出た。
毛布を頭からすっぽりかぶり 予防の抱き枕を抱え・・・・
(T-T)
今朝は温度が少し高かっただけよ・・・
お天気が私へ嫌がらせしたわけじゃないのよ・・・きっと。。
雨が降ったのは 私のせいじゃない
早起きした私への嫌がらせなんかじゃないわ・・・多分。。
「自分のエネルギー補給をお日さまに頼るのは止めよう
この抱き枕と二度寝が私のエナジー」
そう 強く決心したミミコさんでありました。
完!




