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自作小説倶楽部 第9冊/2014年下半期(第49-54集)  作者: 自作小説倶楽部
第51集(2014年9月)/「薔薇」&「手紙」
21/49

03 ぼうぼう著  手紙 『メールにて』

   メールにて

.

 『いつもお世話になっております。

 改めて書こうと思うと、なんだかとても照れますね。でもいつも顔つきあわせているのに会話が成立しない状態では、メールというのは良いコミュニケーションツールなんだなとわかりました。メールが飛び交うこの現代で私はこれが初メールですが、やはり慣れていない分、これだけ書くのに、ずいぶん時間がかかりました。返信があると嬉しいな。またメールします』

.

 二日後。

『返信嬉しかったです。メールってすぐに返信するものらしいですが、私はそん

 なに素早く返信できずにすみません。

 ところで、最近、野菜が不足気味に感じます。では、またメールします』

.

 翌日。

『すぐにお返事ありがとうございます。野菜が高いとは知りませんでした。というか買ってくるものなんですか、野菜って?早速、美味しく野菜いただきました。ご馳走様です。またメールします。

 追伸 少しメールに慣れてきた気がします』

.

 その十二時間後。

『からだがムズムズするので、清潔にしたいです』

.

 更に二時間後。

『すごく気持ちよかったです。すっかりからだがさっぱりしました。さっぱりしたのでお部屋も綺麗だともっと気持ちよさそうです』

.

 更に更に一時間後。

『お部屋の掃除はまだですか?』

.

 その十分後。

『お腹が減ってます』

.

「あぁ!もうっ!うるさいっ!」

 私はケータイの画面から視線を外すと、イライラと鳥かごの中のいんこのピコをにらみつけた。

 二日前、ピコからメールがきた時には驚きとともにいいしえぬ喜びを感じたというのに。疑いながらも返信した二日後受信したメールは、確かに最近、ピコに野菜を与えてなかったことを指摘する内容であり、飼い主である私とピコしか知りえない内容であった。ピコがどうやってメールを作成送信しているのかさっぱり謎だけれど、飼ってるいんことコミュニケーションがとれるということが、嬉しくて仕方がなかった。

 しかし、ピコからのメールは初めてからたった三日で私への要求へとあっという間に変貌してきている。こいつは、こんなに飼い主への不満と要求が募らせていたのかと愕然としながらピコを見ると、かわいらしく、「なぁに?」と小首をかしげた。

 と、再びメールがきた。こいつ、どうやってメール送信しているんだ?謎はまったく解けないが、そこには

『餌早くください』

 再びピコを見ると、ピコは餌箱の前に移動して私を見返していた。私はケータイを放り投げると、ピコの前の餌箱に手をのばしたのだった。。。

     (おわり)

 自分で書いておいてなんですが、こんなメール嫌だ(^^;;;

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