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「とう!」
勢いよく潜ると。
青く輝く世界が広がった。
サファイアのように輝く世界の中心に更に青く輝く人魂のような物が浮かんでいた。普通なら着地した後そこを目指すのだろうが。
「末端だけ出さずに直接ツラ出しやがれ!」
落下の勢いのまま魔力を込めた拳を地面にぶつけると。
ピシピシッ!
殴った場所から罅が広がっていき。
バキーンッ!!
世界が砕け白い世界が広がった。
真っ白な地面?に着地し涼二は前を見て。
「呼び出しといて顔も見せないのは失礼じゃないか?」
挑発気味に声を響かせる涼二、返事は。
「…すいません、後ろです。」
後ろから帰ってきた。
涼二は後ろを向き。
「…さて、要件は何かな?」
何事も無かったように会話を始めたが。
「えっと…見なかった事にしたほうが良いのでしょうか?」
涼二は崩れ落ちた。
「あっ!あっ!すいません、無かった事にしたほうが良いんですよね!」
気づかいと優しさに更に沈む。
一人は沈み、一人?はオロオロする、混沌とした状況がしばらく続いた。
「さて、要件を聞こうか。まずお前は誰だ!」
5分程で立ち直った涼二は、先程の事を無かった事にして話始めた。
「はい!はじめまして、私はこの世界、アローラの神です、見習いですけどね。アローラと呼んで下さい。」
自らを神と名乗ったのは、涼二よりも小さな140程の青い髪と目の少女だった。
「神の見習い?」
アローラは頷き。
「私は長い時間を掛けてようやく神になったばかりの存在なんです。」
「名前が世界と同じなのは?」
「見習いでも神ですから、神名を知られると都合が悪い事が多いのでどの神達も基本世界の名前=神の名前にしています。例外もいますが。」
ほう、と思いながらも本題に入る。
「では、なぜオレを喚んだ?」
アローラは少し暗い顔をして。
「少し長いですが良いですか?」
頷く。
「では、コホンッ!私は先程言った通りこの世界の神です、しかし世界を創った神ではありません、この世界は前のアローラ様が創った世界なのです。アローラ様は私の神としての師匠のような神様でした、私の他にもアローラ様の弟子はいましたが、その中でも私は若く未熟者でした、そんな私にアローラ様は色んな事を教えてくださいました。
そんなある時アローラ様が自分の創った世界を私に任せると言ったのです。
一番若い私がなぜと他の弟子達は困惑していましたがアローラ様の決めた事ならと納得されていました、しかしアローラ様の一番弟子が猛反発しました、ですがアローラ様は気にせず私にこの世界を任せ新しい世界の創造に取り掛かりました。
しかし一番弟子の方は納得できずこう言ったのです。「それならば私の方がお前より優れているとアローラ様に見せつけてやる!」そう言って一番弟子の方はこの世界を一度壊し、自分の世界にしようと考えたのです。
しかし一番弟子の方も神の一柱世界への直接介入は難しい、ですので自分の力の一部を創った器に入れ邪神として魔族達に力を与えたのです。
この器を破壊すれば魔族達も止まると思うのですが一部とは言え神の力です、勇者達でも力不足と考え私は4つの世界に喚ばれ様々な天災を解決したアナタならば倒せると思い勇者召喚に介入しあなたを喚んだのです。」
ここまでの説明を聞いてオレは。
「永井産業。」
長かったから聞いて無い所が多々あるので再度説明を求めた。
「えっと
私若いけど前の神様から選ばれた
古い神面白く無いから世界壊して自分色に
邪神倒すの勇者無理だからアナタを私が喚んだ。」
「Ok把握。」
最初からそう言えば良いのに。