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やはり面倒そうな事だ、正直やる気なんて全く起きないし理由も無い。だがこんな時に、いやこんな時だからこそやる気になるヤツが一人。
「任せてください、ぼくが解決してみせます。」
このイケメン(クソよりクソな粗大ゴミ)が宣言しやがった。
「おお、やってくれるか!」
やってくれるか!じゃねぇよ!自分の世界の事だろ、自分達でどうにかしろよ。
「健、私達にそんな力何てないのよ!」
ツインテール、オレはお前の評価を修正しなければならないようだ、すまない。
「そうかもしれないけどほっとけないよ、それにいざというときは麗奈を護るよ。」
「...健。」
よし、下方修正完了。顔赤くして照れてんじゃねぇ!
「健、私は?」
「もちろん、美夜も護るよ。」
眼鏡、カチ割るからちょっと来い。
「...オヌシはどうだ?」
このクソオヤジ今オレに注意向けやがった。
「王よ、少し質問が有るのですがよろしいでしょうか?」
「構わぬ。」
「まず一つ、なぜ私は喚ばれたのでしょうか?」
「それは...巻き込まれたのではないのか?」
このクソオヤジ、完全にイケメンが勇者だと思っていやがる。まあ、その通りなんだが。
「私が喚ばれる時、周りに誰も居ませんでしたし、何より私は彼らを知りません。」
「何!本当か!」
クソオヤジがイケメンに顔を向け確かめると、イケメン達は首を縦に振る。
「...すまんが分からぬ、分かり次第報告しよう。」
使えないな。まあ次。
「先程三人の会話にあったように戦う術がありません。どうなさるのですか。」
私達と言って無いからセーフだ、嘘は言っていない。
「神の泉と呼ばれる場所が有る、そこに入れば力を得る事が出来よう。」
「この国の者が入る事はできないのですか?」
「理由は分からぬが入ろうとすると弾かれる。」
誰でも入れたら最強国家の出来上がりだし仕方ないか。
「最後に、我々は帰れるのですか?」
周りが静まり返った。
クソオヤジが一度咳払いをし。
「無理だ、帰れぬ。」
イケメン達の顔が愕然となった。
「召喚陣の魔方陣を使えば可能かもしれないが、あの召喚陣は一度使うと五十年使えなくなる、よって召喚陣による送還は叶わぬと思ってくれ。」
イケメン達が絶望的な表情だ、ざまぁ。
「その変わり、この国では一切不自由させない事を誓おう。」
そんなの誓われても嬉しくねえよ。