沈黙の紙片 ～裏切り者のいる教室〜

蝉の声が鳴き始めた夏、高校の教室に一枚の紙が貼られた。

《裏切り者 見つけた》

黒い殴り書きの言葉は、ただの落書きにすぎないはずだった。
だが、その紙は教室の空気を凍らせ、生徒たちを互いに疑わせ、心の奥にしまっていた「秘密」を暴き出していく。

担任の高岩と副担任の駒沢は、次々と現れる事件と生徒の叫びに向き合っていく。
夜の街で働く少女。
噂に追い詰められる少年。
教師に怒鳴り散らす若手教師。
「普通」という言葉に押し潰される生徒達。

一話ごとに異なる生徒が表舞台に立ち、
教室という閉ざされた社会の中で、それぞれの「真実」と「事実」が浮かび上がる。

守ろうとすればするほど、居場所を失っていく。
声を上げれば、組織に押しつぶされる。
それでも高岩と駒沢は問い続ける。

人を本当に守るとは何なのか？
教育とは、希望になり得るのか？

そして夜の校舎にまた一枚、新たな紙が貼られる。

《クイズ 次は誰でしょうか？》

犯人は誰なのか。
次に狙われるのは誰なのか。
不安と疑念が渦巻く中、教室は「青春」と「告発」が交差するサスペンスの舞台へと変わっていく。