005. 変化 (☆おまけ☆付きです)
約1ヶ月ぶりの投稿です。
長くなりましたが最後まで読んでいただけると嬉しいです!
少年は私に気づくと、再び走り出した。
「待って ... !」
そのとき、誰かがレイラに石を投げた。
振り向くと、二人の子どもがレイラを睨みつけていた。
「兄ちゃんに近づくな!」
「お前、”おじょうさま”なんだろ!帰れよ!」
二人がレイラに再び石を投げた。
思わずレイラは目を瞑った。
「痛っ ... 」
しかし、そう言って、腕を抑えたのはあの少年だった。
「お前ら、やめろ」
「兄ちゃん、ごめん!俺達 ... 兄ちゃんを助けたくて」
「別に何もされてねえから大丈夫だ」
そして、少年は私の方を見て言った。
「あんた、俺に何か用か」
レイラは言葉に詰まった。
(特に何も考えていなかったから ... 。何と言えばいいのかしら。”あなたに似ている人を生き返る前に見た”なんて言えないもの ... )
レイラは考え込んでいると、ふと少年の腕に血が滲んでいるのに気づいた。
「あなた、血が出ているじゃない!手当をしないと。ユアナ、薬箱を持ってきて」
ユアナが薬箱を持って走ってくると、レイラは少年の手当を始めた。
「お嬢様!?それくらい私がやりますので、お嬢様はあちらでお休みに ... 」
「大丈夫よ、元々、私のせいでこんなことになったんだもの」
この様子を見ていた少年はただ黙っていた。
「できたわ、これで大丈夫ね」
「 ... あんた、変なやつだな。普通の貴族なら俺達みたいなのが怪我しても手当なんかしねえよ。ましてや自分でやるなんて」
「 ... そうかもしれないわね」
(確かに以前の私ならしなかったわ ... 。でも、なぜやろうと思ったのかわからない ... 。もしかしたら、私の中で何かが変わり始めているのかもしれない)
「それで、あんたはなんでこんなとこにいんだよ」
レイラはムッとして言った。
「私は”あんた”なんて名前ではなくてよ。私はレイラ、レイラ・シャルロットよ。あなたのお名前は?」
「 ... 俺に名前はねえよ。ここにいる奴らは大体そうだ」
「そう ... なら、私が名前をつけてあげるわ。そうね ... カミエルなんてどう?」
「カミエル ... ?俺は孤児だぞ ... ”ミカエル”に似てるし、恐れ多いとか言われないか?」
「そう?じゃあ、カミルはどうかしら?」
「ミカエルから離れろよ」
「カミルでいいわね。今日からそう呼ぶわ」
「話聞けよ ... 」
☆おまけ☆
(お嬢様はやはり変わられたのだわ ... !)
私、ユアナはレイラお嬢様の専属メイドである。
最近のお嬢様は様子がおかしい。
まるで人が変わったかのようで、使用人にあたることも少なくなった。
それはいいことではある。
(だけど、私や侯爵様や奥様にもなんだか気を使っているように見える)
最初は眠っている間に悪い夢でも見たのだろうと思っていたが、どうもそうは思えない。
(以前のお嬢様は孤児の手当なんて嫌がっただろうな ... )
しかし、そんなお嬢様に仕えているのは私の意志だ。
三年前、お嬢様が六歳の時、私はこの屋敷に来た。
「えっと、確かここがお屋敷 ... 」
「ちょっと!あんたが今日来たメイドかしら」
(確かこの方はご息女のレイラ様)
「はい、今日からここにつとめさせていただきます、ユアナと申し ... 」
「なら、早くここを掃除しなさい。汚くて通れないじゃない」
「は、はぁ ... ?」
掃除が終わると今度は、
「終わったなら、ラベンダーを摘んできて。お部屋に飾るから」
と言われた。
(なんのためにこんなこと ... 。ここではこれが普通なのかしら)
「お嬢様、摘んでまいりました ... 」
私が戻ると、私が掃除を命じられた場所でお嬢様は何かをしていた。
「お嬢様?」
するとびっくりしたのか早口でお嬢様はこう言った。
「も、もう帰ってきたの?なら、私の部屋の花瓶にいけてきて!」
私はその態度に驚きつつ部屋に向かった。
「これでよしと ... あら、ここからあそこが見えるのね。お嬢様は何をされていたんだろう」
窓から覗くと、お嬢様は必死にツバメの看病をしているようだった。
私は急いで戻ると、お嬢様は驚いて私を見た。
そして、私がツバメを見ているのに気づいて、ツバメをかばうように、私を睨んだ。
「この子は絶対に手当てするから! ... 邪魔しないで!」
「 ... お嬢様、そんなのでは手当てできません。 ... 私も手伝わさせていただきます」
ツバメはだいぶ回復したようで、しばらくして飛びたっていった。
その日の夜、お嬢様は私に話しかけてきた。
「ねぇ ... あなた、お名前は?」
「ユアナと申します、レイラお嬢様」
「そう、ユアナ、あなたは今日から私の専属侍女よ」
「え ... ?」
「お父様から許可はいただいているわ。 ... それから、これを」
そう言って、お嬢様は香り袋を私に渡した。
「今日あなたが摘んできたラベンダーで作ったの。ラベンダーの香りにはリラックス効果があるのよ」
「お嬢様が私に ... ?」
私が聞くと、お嬢様は顔を赤くして、怒ったように言った。
「勘違いしないで。あなたにはこれから仕えてもらうから。倒れられたら私が困るもの」
「 ... ありがとうございます」
今でも、いただいた香り袋を常に持ち歩いている。
もう香りはしない。
でも、お嬢様からいただいた最初の宝物であり、お守り。
私は知っている、お嬢様はただ性格が悪いだけではないことを。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
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