第三話 取り敢えず『冒険者ギルド』に行ってみる
さて、ここからどうしようか?とはならなく、もう既にやる行動が決まっているようだ。
きっとここに、カズマの知人や両親がいたなら、いやちょっと待てと、ここまでこんなにも不遇なお前に。となる筈。
きっとこのカズマが考えていることはこうだろう。
どこぞのアニメやらラノベやらネット小説にあった、『扉渡り』をあたかも引き当てるなんてことが出来ちゃって、その主人公の名前とほんの少しアクセント的な部分からしても似てる俺にはにきっと出来るさ。
扉開けたらツインに縦巻きドリルで、ツインドルのじと目金髪少女に出くわして……。
そんなノリで、この世界の字も読めない不遇でしかないこのカズマに、『冒険者ギルド』なんて引き当てる事が出来るのか?と言いたいところだ。
もはや『扉渡り』どころの話しでは無い。
だがもうカズマの態勢は、スタートを切る準備は完了である。
裏路地からひょいっと顔出して、まるで右か左かを迷ってる最中だ。
さてここからどうする?
「どーちーらーにーしーよーうかーな、あーえーなかーつためーがみーさーまーの、いうーとーおーりー…………」
もうここまで来ると、頭を抱えるしか無い。
して、そのヘンテコな歌が出した答えはどっちなのかと言うと、
「よーし、分かってる分かってるうー!女神様の言う通りにしてやろーじゃねえか!きっと今日は良い日になるぜーー」
と、路地裏に捨て台詞を吐きながら、「左」に駆け出していく。
ぶんぶん顔を揺らして、右からも左からもやってくる店の看板に夢中だ。その看板の何を見てるかというと、看板に書かれてる文字なんてカズマからしたら象形文字にしか見えないのだから、看板に描かれてる絵。と、いうより頼れるとこはその看板の『絵』だけなのだ。