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3-3. 大地と雷のラウェンナ(2)

事態が動いた知らせに急いで会議室に戻る私ことみょんみょんです。


モニターを見ると、ちょうどいよちゃん達が小屋の外に出たところだった。

小屋の周りにはいよちゃん達を囲むように20人程度のエルフが弓を構えてこちらを睨みつけている。


「『メガラニカ』の装備は見当たらないわね。木の弓に革製の防具・・・あまり強そうには見えないけど、油断を誘ってるのかしら。」

『腕の筋肉を見るに、錬度が高いとは思えません。新兵かと。』


流石いよちゃん。鑑定ができない代わりによく見てる。

でも、私のとこの仲間NPCもそうだけど、『メガラニカ』のNPCの見た目、つまりアバターはそこまで考えられて造形されていないと思うんだ。例えばえっ君は物理攻撃ほぼできないのに、ガタイいいでしょ。

敵の親玉がプレイヤーである可能性が高いんだから、出てくる敵がNPCである可能性は考慮しないとね。流石にここにいるエルフ兵全員がNPCだとは思ってないけど。


『よんよん、例のものは隠せたかい?』

『あぁ、ななん。多少苦労したがなんとか収まった。』

「鎖などで拘束される可能性も考慮し、よんよんにはチェーンクリッパーを飲み込んでもらいました。」


私が例のものって何だろうという顔でななんちゃんを見つめたから、ななんちゃんが解説してくれた。

チェーンクリッパーって、鎖を切るときとかに使うでっかいペンチみたいなやつだよね?あれかなり大きくなかった?スパイ映画とかでもよく大切なものを飲み込んで体内に隠してるけど、限度がない?


『体に傷はないのですが、問題だったでしょうか?』

『ううん、いいの。ちょっとびっくりしたけど、問題はないわ。』


敵に囲まれている状況でも、よんよん君は平常運転だ。いや、よんよん君に限らず、ろくろ君やいよちゃんも慌てている様子はない。


『ななん、抵抗しなければ手荒なことはしないとのことだが、3人とも捕まるのでいいんだな?』

『そうだね、ろくろ。先ほど伝えたように、武器はわざと安価なものを装備しているのだから、奪われても問題はない。防具を奪われそうになった場合も、抵抗は不要だ。貴重なものではあるが後で取り返させてもらおう。』


3人が降参でもするように両手をあげると、敵は携帯していた縄を取り出し3人を後ろ手に縛りあげる。


「あ~・・・縄、ねぇ。」


そう、縛る道具は草を編んだような縄だ。


「思ったよりも原始的なの来たな。」

「爪でも頑張れば切れそうっす・・・。」


私の左右にいる濃ちゃんと薄ちゃんが呆れている。


ただ、そこでいよちゃんが布で目隠しされてしまって、モニターにはただの暗闇が映し出されるのみとなってしまった。

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