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幕間:森のお散歩②

遅れて出発するここが、合流し損じることがあってはいけないということで、4番目の眷属であるよんよんは部屋に戻らされてきていた。

伝達<コール>のスキル持ちだからだ。


支度の遅い眷属のために主の散歩の随伴という名誉ある仕事からはねられることにいら立ち、よんよんは乱暴に扉を閉めてわざと大きな音を立てる。


「あら、ごめんなさい、もう出れるわ。そ、その前に、どこかに姿見ってないかしら?」


顔を紅潮させ服を見せびらかすようにステップを踏むここに、よんよんは地団太を踏む。


「わかったわよ、姿見は諦めるからそんなに怒らないで。あなただって、以前その鈴賜った時、しつこく私に自慢してきたじゃないの。」


よんよんの紫色の帽子には、かわいらしい鈴がついている。

これは、『メガラニカ』におけるクリスマスイベントで主が得たものをよんよんに与えたものだった。特殊な効果は全くないアバターに鈴がつくだけなのだが、よんよんはその鈴を己の命よりも大事にして、毎日の手入れを怠らなかった。


「あぁ、心の高ぶりが抑えられないわ!私はなんて果報者なんでしょう!」


ここは主より賜った服を恍惚の表情で見入っている。


そんなここも、「ギィギィ」というよんよんが発する音に促され、踊るような足取りで部屋を出る。


途中、10番目から15番目の眷属が使用している部屋の前で、ここはくるりと華麗に回転して見せた。


「いつも見下してくるあの緑髪にも見せつけなきゃね!」

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