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2-4. 傲然たる強者(3)

「例の村はジュナの魔法で攻略し、首魁のポンゴ、個体名ガラーネは害しました。ただ、何度促してもポンゴ達は降伏せず、未だに残兵が森に潜伏している状態です。安全のため、みょんみょん様はここより南に行くことは控えていただけますでしょうか。」


20時の報告会。

結局私はポンゴへの攻撃を仲間NPC任せにした。

ななんちゃんが森の地図を広げ、そこに赤い線を引いてそれ以南が危険だということを教えてくれる。


「うん、わかった。今回のポンゴの件はななんちゃんに任せるから、絶対行かないようにするね。えっと、カラス君、私が間違えて行きそうになったら教えてね。」

「了解しました。」


正直、ポンゴに奇襲されても大事に至ることはないと思うけど、ななんちゃんが立てているであろう作戦の邪魔になってはいけない。

ただ、この赤い線を正確に覚えることが出来なさそうなので、場所の把握はカラス君に丸投げした。とりあえず南にあるお気に入りの大きな湖やケット・シーの村は行っても大丈夫だということしかわからない。この森、思った以上に広大だ。


「それにしても、降伏してくれないのね。」

「西の龍王に従属していた際に、悪い記憶しかないのかもしれません。」


ななんちゃんも苦慮しているのか、大きなため息をついている。

あまり言うと、ななんちゃんを責めているみたいに思われるかもしれない。

ポンゴ達には気の毒だが、私にとってはななんちゃんの胃潰瘍の方がよっぽど重大な問題だ。


『彼らの信じる神は、ポンゴ以外の命はみなポンゴの奴隷として生まれてきた、と教えるようです。ただ、この大森林自体が彼らの崇める神のようですが、私にはよく理解できません。』


伝達<コール>で話すのは、発声が苦手なよんよん君だ。

もう村に潜入する必要がないから帽子も戻ってきている。


「神様と言えば、全然関係ないけど、濃ちゃんやきゅ~たんって神職だけど、毎日お祈りとかしているの?」


我ながら本当に関係ないが、気になったので聞いてしまった。

ゲームシステム上、神官等の職業<クラス>を取得しているわけだけど、彼らはなんの神を崇めているのだろう。いつもお世話になっているわけだから、その神様たちには粗相のないようにしないといけないからね。神様って何なのかよくわかってないけど。


「私わぁ、敬虔なるみょんみょん様の信者ですのでぇ、起床時と就寝前にみょんみょん様の素晴らしいところを10ずつ挙げておりますぅ。」


思い出したように天使のようなほほえみを浮かべながら、きゅ~たんは断言する。

それを聞いて上位ナンバーの他の子たちは何度も深くうなずき、薄ちゃんはほぉ~っと納得し、濃ちゃんは苦笑いだ。なお、カラス君は興味ない様子。


とりあえず私を崇めても治癒魔法が使えるようになることは絶対ないので完膚なき嘘なのだが、本人の目は割と本気なので深追いはしないほうが賢明そうだ。


「あ、いや、関係ない話をしてごめんね。とりあえず、ポンゴの件はもう少し時間がかかりそうね。ななんちゃんに任せるけど、困るようなら何でも教えてね。」

「了解いたしました。本日の報告は以上となります。急を要す件が発生した場合には、また報告させていただきます。」

「寝てても起こしてくれていいからね。あと、そうそう、明日の朝のお散歩、上位ナンバーの子たちと一緒に行きたいんだけど、どう?」


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