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2-2. 王道の序章(4)

ななんちゃんからの報告はとにかく量が多かった。

些末な件は後回しにしておくとして、対応しないといけない案件は3つあった。


まず対応しないといけないのが森の賢者の手下と思われるポンゴをホーム近くで発見し捕獲しているという件。やはりというか偵察が目的で近づいてきたようで、安全面からこの件は早急に対応しなければいけない。


もう一件は人間の村の件。ホームの北にある人間の村が雨不足に悩んでいて、私を神蟲と思っている人間が助けを求めているということだ。こちらは急ぐ話ではないのだが、この話を持ってきたのがふみちゃんだということが個人的に大変興味深い案件なので、早めに検討したい。


3件目は以前から提案されていた、フットマン達のレベル上げ。これは人手不足(正確には蜘蛛脚?)解消やホームの警備強化、低温への備えなど多くのメリットがあるものの、フットマン達を危険にさらすことになることと、レベリングの為に多くのモンスターを狩るとなると森の生態系にも影響が出かねないことから私が二の足を踏んでいた。しかし生態系への影響が一切なく、レベリングも比較的安全に行える狩場を探索班が見つけてきたことから、再度フットマン達のレベリングについて提案されたのだ。Lv.1~5程度の低位アンデッドが無限に湧く場所、名付けてモルテム山峡(byろくろちゃん)という。


私は私で、ケット・シーの村を助けたり、ケット・シーさん達から情報をいろいろ入手したわけだけど、ななんちゃんの方もいろいろ大変な一日だったようだ。


「検討しなきゃいけないことは多いけど、とりあえず森の賢者の手のものと思われるモンスターの対応よね。」

「はい、幸い相手はオスでしたので、ここが魅了<チャーム>を使い手懐けております。現在ホームの外につないでおりますが、連れて来させましょうか。」


ななんちゃんがここちゃんに目配せをしようとしたところで、ふみちゃんが制止する。


「あの全身黒い毛だらけのモンスターはとても不快なにおいがして、見た目も不潔です。みょんみょん様の御前に置くようなものではございませんので、眷属によって必要な情報を聞き出しご報告するというのはいかがでしょうか?」

「巣が不潔になるのは衛生面からいただけないわぁ、それにこれ以上獣臭くなるのも考えものよねぇ。」


基本的にななんちゃんの提案に異を唱えないきゅ~たんがふみちゃんに同調しているのは意外だ。

少し前から気づいてはいたのだけれど、NPC達は基本的に自分たち以外の種族を毛嫌いし“下等生物”と見下すきらいがある。そんなものを私に見せたくないしホームにいれたくないのだ。

つまり、ケット・シーのソー君とメル君を迎え入れるのもNPC達にとっては心底不快なのだろう。


「まぁ魅了<チャーム>がかかっているとはいえ敵をホームに招き入れるのも、ね。でも、私もポンゴをこの目で見ておきたいし、捕まえている場所に連れて行ってもらってもいい?」


実をいうと私としてはそのポンゴをホームに入れること自体は別に構わないと思うのだけれど、NPCのみんなが嫌であるのならあえて入れる必要もない。

このセクシー美女に首ったけにされた哀れなオスを見に行ってあげましょう。


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