表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/212

1-6. 転移の代償(1)

6. 転移の代償


 眷属というのは、主のために生まれて、主のために生きて、主の喜びを己の喜びとする者……らしい。


 そんなNPCの子たちが、私の一挙一動に関心があるのは仕方がないこと……仕方がないんだけれども。


 プライバシーがない。


 朝から晩まで仲間NPCの誰かが張り付いていて、夜は部屋の中でフットマンのAちゃんが目を光らせている。

 私が「暑いね」って言ったら扇がれるし、立ち上がったら服を整えられるし、さっきは時計を見ようとして立ち上がったら時計を見ようとしていることに気づかなかったことを謝られた。

 はじめは「これが貴族の生活!」とか思ってたけど、本当は小市民なので徐々に肩が凝ってきたし、逆に気を使ってしまってこっちも疲れてきた。


 それに常にだれかが横にいるので、気が抜けない。

 ほら、ほかの人には見られたくないあれこれ、あるでしょう?


 一人になりたい。


 一人で気兼ねなくお茶でも飲みたい、ほんのちょっとでいいから。


 そんな風に考えて昨夜はAちゃんに一人にしてほしいと交渉を試みたが、Aちゃんは自分が不要と言われたと思いものすごい落ち込んでしまったので、慌ててお願いを撤回したのだ。


 そんなこんなで交渉失敗からのふて寝で早寝したので今朝はものすごく早くに目が覚めてしまった。


 時計を見ると朝の4時。

 すごい、こんな時間に起きたことない。


 と、ここで悪だくみを思いついてしまった。


 ちょっとの時間だけひとりで散歩しちゃえ。


 私の部屋の外では仲間NPCが護衛で控えているが、今日の当番はよんよん君なので、性格上私が強く頼み込めば大目に見てくれるはずだ。

 あとは入り口にいるだろうフットマン門番のBちゃん、Cちゃん、Dちゃんにはちょっと嘘を言って通してもらおう。


 Aちゃんにはペンを持ってきてほしいと頼んで、その隙にそっと私室のドアを開けて外を見る。


 ラッキーなことによんよん君、寝てる!

 門番と違って寝室の護衛は寝ずの番ではないので問題ないが、よんよん君は真面目なので起きてるかなと思ったけどラッキーだった!


 Aちゃんがペンを持ってきたところで、織糸スキルを使用して糸で布を編む。

 それを紙代わりにして「ちょっと出てきます」と書いておく。


 出るのは1時間くらいのつもりだし、おそらくみんな寝ている間に帰ってこれるけど、万が一誰かが気付いて大ごとになったら大変だからね。

 まぁどうせ伝達<コール>があるのだけれど。


 書いた文章を見て、Aちゃんが慌てているので、


「ちょっとだけ、ちょっとだけだからね!!すぐ帰ってくるから!!!ほら……えっと、よんよん君とちょっとお散歩!!もしみんなが気付いても、すぐ帰ってくるから探さないで大丈夫だよって伝えてね!」


 と嘘を交えた言い訳をして、「探さないで」とも書いておく。


「ほんとっすぐ帰ってくるから、部屋の掃除しておいて!」


 なにか命令しておかないと、大きな声を出して他のNPCを呼びそうだったので、部屋の掃除もお願いしておいた。


 よ~っし!

 散歩のときにみえたあの赤い花がキレイな木の上で、日の出を見ながら紅茶でも飲んで、リフレッシュして戻ってこよう!

 飲茶RTAだっ!!

 目標45分!!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ