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1-5. 知的生命体との遭遇(3)

結局、あの後、ふみちゃんの背に乗せてブラハさんを村まで送ってあげることにした。

本人が言うほど敬虔な信者には見えないが、私のことを神と崇める相手を森に放置するほど冷血な判断は私にはできなかった。

本当は私も村に行きたかったのだが、未知の場所は危ないと断固反対されてしまった。

それで私は濃ちゃん達を呼び寄せて、ホームに帰って来たのだ。


ふみちゃん一人だと何かあると危ないし、単ちゃんと竺ちゃんは人間の村の近くまで行ったことがあるとのことだったので、3人でブラハさんの送りをお願いした。

なお、ふみちゃんは小汚い人間を背負うことがよほど嫌だったらしく、珍しく私にもわかるほど嫌な顔をしていた。嫌な仕事をしてくれたふみちゃんにはあとでなにかお礼をしよう。


それにしてもだ!

この世界にも人間がいる!

文明レベルはどれほどだろうか・・・

何とか仲間NPC達を説得して、その村に行ってみたい。


「あとは、散歩のときに見える赤いきれいな花が咲いている大きな木のところにも行ってみたいし、森の南側にあるというきれいな湖も見てみたいの!」


夕飯の時間になり、私は食堂に呼ばれて今日もおいしい食事に舌鼓を打つ。

栄養バランスも考えられているのに、こんなにおいしいのだから、流石のちろちゃんだ。


「では、みょんみょん様が希望される場所に関しまして、早急に安全を確保いたしましょう。人間の村は時間をいただく必要がありますが、そのほかの場所に関しましては明後日にはご散策いただけるよう手配いたします。」


ななんちゃんはそう言うと、席を立って部屋から出て行ってしまった。

おそらく、ここにいない探索班のろくろ君に先ほどのことを伝えているのだろう。

そこまで急いで行きたかったわけではなかったのに、なんだか申し訳ない。


もともとななんちゃんは少食のようで、いつも食事は始めから出されている1皿しか食べないとはいえ、今日はまだその1つでさえ少し残している。


改めて部屋を見回すと、仲間NPC数名の顔が見えない。

これは、探索班の子たちが急ピッチでホームの周りを中心に探索や情報収集を行っており、夕飯も外で食べているということだった。


私としてはみんな揃って全員で食べたいのだが、ホームの安全確保という点でも探索は急務ということなので仕方がない。


「あ、これ、とってもおいしい。何ていう料理?」


みんな頑張っているのだから、せめて功績はしっかり褒めてねぎらわないとね。

ちろちゃんも毎日おいしい食事を作ってくれているんだ。


「人モモ肉のディアブール風でございます」


思わず噛んでいた肉を吹き出してしまった。


ここちゃん曰く、2日前に探索の一環で森の北側の丘陵地帯を調べていた探索班が人間を10体ほど見つけ、狩ったということだ。


そうだよね~アラクネって言ったってモンスターの一種だもんね~~人間見つけたら狩っちゃうよね~~~!!


とりあえず、人間には多少なりとも好意を感じているから、狩るのは必要最低限にしてって伝えておいた。


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