第三章 三十三話 ~決着、そして脱出!~
Wiiには辞書機能が無い。変換しても漢字が少ない。
任天堂のお偉いさんは今すぐWiiのインターネットチャンネルに辞書機能を付けてくれ!
……多分なろうユーザー唯一のWii投稿者の心の叫びでした。
それでは本編どうぞ!
「さあ殺せ正規品共ぉ!」
「………」
ペルクェインの号令と共に正規品と呼ばれた奴らそれぞれに受け継いだと思われる能力を解き放ち俺達に襲いかかった。
「……ッチ!」
あのハチャメチャな改造兵士を作ったアヴィが逃げろと言ったのだ。確実に強いに違いない。
俺が本気を出して暴れ回れば何とかなるかもしれないが俺の攻撃は範囲が広いので仲間が危険すぎる。
どうせまごついても助からないそれならばいっそ……そう思った時
[ブンッ!]
「!?[グシャッ!]」
俺に飛びかかってきた三体の正規品が一瞬で俺の目の前から消えたかと思うと横の壁に激突し有り得ない形で潰れた。
それでも肉体がビクンビクンと動いている事からこいつの生命力の強さを感じさせるが長くは無いだろう。
[ズドドドドドォン!]
その直後俺の周りに見覚えのある隕石が次々と落下し近くに居た正規品達が吹き飛ぶ。
「………」
そして隕石が落ちた炎の中俺達の方を向いて降りてきたのは先程死んだと思っていたあの第二形態だった。
俺は無意識に警戒態勢を取る。しかし第二形態は俺の姿を確認するとクルリと正規品達の方へ向きを変えた。
「な、何だ!?死んでいなかったのか…しかも何故私に敵対している!」
ペルクェインも全くこの状況が理解出来ていない様子でかなり困惑している。
正規品達もいきなりのイレギュラーの出現に安全な所まで退いている。
俺はすぐさまアヴィに通信をした。
「おいアヴィ!第二形態がまた蘇ったぞ!?」
「(蘇ったんじゃない。心が元に戻って目覚めただけだろ。もう操られてるわけじゃ無いから落ち着いて話しでも…)」
「いや、一応は俺達の方に味方してくれてる」
「(それなら別にいいだろう?)」
「ああそうだな……ってそれよりも退路がペルクェインに破壊されたんだ!どうにか出来ないか?」
「(分かった、すぐに向かおう)」
通信が切れると俺は第二形態の方を向いた。
「く、クソぉぉ!死ね!シネェェェェイ!」
[ズドン、ズドォン!]
「……!……!!」
狂ったように大声を上げて大砲を乱射しているペルクェインと数十体の正規品に取り囲まれていた。
……流石に先程の戦闘の疲れがあるようで動きがぎこちなく敵の攻撃を受けるがままになっている。
「よくも正規品をやってくれたな!あれ一体がどれだけ貴重か分かっているのかぁぁぁ!」
「………!!!」
第二形態の本当の姿が俺が見た黒い世界の中にいた少女だったとすると……
このまま見ている訳にはいかないだろう……男として。
「うおらぁぁぁ!」
[ザシュッ!]
俺はシーヴァを構えて突っ込むと俺に背を向けている正規品を一気に数体斬り捨てた。
「………」
その瞬間正規品達が一気にこちらを向き俺に襲いかかって来た。
「うぉっ!あぶっ![ザシュ]痛えっ!」
鞭のように腕を振り回したり電撃を放ってきたり炎を纏ったりと飽きもしないバーリエーションの攻撃をしてくるので対応が追い付かず少しずつ傷を負っていく俺。
「終わりだガキ」
「なっ!?[ドガッ]ぐぁっ!」
いつの間にか俺の真後ろに移動していたペルクェインに凄い力で蹴飛ばされ地面に転がる。
「[ガスッ]ぐっ……」
「ふん…俺を怒らせたお前等が悪い……さっさと死ね」
ペルクェインは俺が転がった方にゆっくりと歩いて来るとシーヴァを蹴り飛ばした。
そして俺の腹に足を置いて動けないようにした後肩の大砲を俺の顔に向ける。
「それじゃあな……」
[ズドォォォォン!]
「何だ!?」
爆発音は肩の大砲からでは無く崩されていた通路からだった。
ペルクェインと俺は同時にその吹き飛ばされた通路の方向を見る。そして煙の中から……
「%¥¢♭€#!」
「アグ…ヴォォォォォ!」
大量の改造魔導兵とバケモノがなだれ込んで来た。
「フハハハ、どうやらお前等は本当に運が無いようだな?仲間と思いきや暴走した実験体か!」
なだれ込んで来たバケモノ達を見て高笑いするペルクェイン。
しかしその笑い声はすぐに止まることになった。
……その壁の近くにいたラフラ達は襲わず真っ直ぐに正規品達の方へ突っ込んで来たのだ。
「…!?何故だ!」
ペルクェインが動揺している隙に片手に魔力を集束しバスケットボール程の大きさのメルトンを作り出す。
そしてペルクェインの腹に向かってそれを放った。
「食らえ!」
「な![ズドォン!]ぐぉあっ!」
足下の俺に注意をしていなかったペルクェインはもろに食らって数メートル吹き飛ぶ。
「ぐっ…効かん!」
しかしすぐに体制を立て直すペルクェイン。どうやら先程のえらく長い肩書きは嘘では無いらしい。
「もう終わりだぞペルクェイン。既に暴走は止まった」
「スィミケル……貴様ぁ……」
なだれ込んでくる中からアヴィが姿を見せた。
「それに君の部屋は調べさせて貰った……いや興味深い物が見つかったよ」
「!」
そう言ってアヴィは懐から紙の束を取り出した。
それを見た途端相当見られたく無い物だったらしくペルクェインの顔から血の気が一気に失せた。
「全く…そんな顔をするような物なら不用心に机の上に置いとくんじゃない…」
アヴィの挑発的な言動にペルクェインは怒りと憎悪を込めた目で俺とアヴィを見た。
「貴様…そういった目で見ていられるのも今のうちだ!そこに書いてある実験の成果を試すのがお前等になるだろうからな!ハハハハハハ!」
突然訳の分からないことを言って高笑いしたかと思うとペルクェインの背から炎が吹き出し宙に浮いた。
そして真上に大砲を向けて発射し吹き抜けの天井を破壊した。
……もう何も言うまい。これがあの鎧なんだ、うん。
「この勝負はお前等の勝ちとしておいてやる!!だが次はこう行くと思うな!」
そう言ってペルクェインはそのまま逃げ出…
「させるかぁ!」
俺は飛び立とうとするペルクェインの足を掴んだ。
「なっ!?」
一瞬俺の重さで下降するペルクェイン。しかし出力を上げたのかまた上昇し始めた。
「ジョニー!こいつを使え!」
「!」
俺はアヴィが投げてきた魔石を受け取る……さっきのオメガもどきを吹っ飛ばした魔石だ。
「お前がぶっ壊した中から見つけたんだ!上手く使え!」
「りょーかい!」
俺はしがみついた足から徐々に登り始めた。しかしペルクェインも黙って登らせる訳も無く足を振って落とそうとしてくる。
「クソッ…降りろ!」
「おりる……かぁっ!」
チラッと下を見てみるとかなりの高さまで来ている。今までにない高さだ。落ちたら死ぬ。これだけは断言できる高さだ。
俺は落ちないように細心の注意しながら手の届かない膝辺りまで移動すると炎が吹き出しているバックパックのような所に狙いを定めた。
……よし、今だ!
「せいっ![ポイッ]」
俺はバックパックの中に魔石を放り込みそれと同時に手を放した。
………って手を放したらダメじゃん!何やってんの俺ぇぇぇぇぇ!?
「フン、自分で手を放した[バコン!ズゴォォォ]なっ!?うぉぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ペルクェインはバックッパックが爆発しまるで蠅のようなアクロバティックな飛行をした後俺の降下スピードを遙かに上回る早さで降下し彼自身が登場した入り口に綺麗に戻っていった。
「ってそんな事悠長に考えてる暇[ボスッ]およ?」
何かに当たったような感覚が背中に走る。はて?まだ地面に到達するには早い筈…
不思議に思い起きあがってみるとそこは第二形態の背中の上だった。
………助けてくれたのか。
「助けてくれてありがとな」
「…………」
俺と第二形態は床ににゆっくりと着地した。
「良くやったな。それにコイツを手懐けるとは…」
「ああ、コイツとは心で語り合った仲なんでね」
「フッ……そうか、では悪いニュースと行こう。あいつが突っ込んだ所、この研究所全体の動力室の所だ」
「……はい?」
……待ってくれ、動力室?動力室…エネルギー生まれる場所、とっても危ない、爆発しながらそこに突っ込んでいったペルクェイン
……イコール?
[ズドン!ドガン!バコォォォォォォン!]
そうだね、爆発だね!
まるで期を見計らっていたかのようにそこかしこで爆発が起こり炎上する施設。
……何アイツ死んでも迷惑かけるとか無いわ。
「全員撤退!てったぁーい!この施設から逃げろぉぉ!」
「[ズドン!ドゴォォォォン!]うわぁぁぁぁぁ!」
こうして俺の第二被検体収監施設での戦いは終わったのであった……
……さてと、三章はまだまだ終わらないけどそろそろ閑話ゾーン入れようかな……