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第三章 二十九話 ~形態変化するのはボスの特権~

[ズガァァァァァン!]


一瞬何が起こったのか理解出来なかった。

俺に向かって落ちてきた氷塊が俺に当たる直前に砕け散っていた。


(え?何で壊れ……って声が!?)


声が出せない。体も全く動かない。

まるで金縛りになったかのような感覚に俺は戸惑う。


「………」


そして俺はムクリと起きあがると……ってあれ!?俺起きあがろうとしたっけ!?


「……[ガチャリ]」


俺の意志と全く関係無く動く体に戸惑う俺、

そうしてる内に俺の体の方は地面に落ちていたシーヴァを拾い上げた。


「………」


そして視点が動き視線の先にいる空中に浮いている先程俺を殺そうとした対象を見る。

……何というか、視点も動かせないとテレビのムービーをみたいだ。


そんなアホな事を考えていると俺の体はゆっくりと幼……いや、少女の方へと歩き始めた。

うん、俺思ったんだ。いくら見た目が五~六歳に見えるからって幼女って表現をしたら犯罪チックだって事にさ!


うん、そうだよ!体が言うこと聞かないからこんな事だって考えていられるんだ!

うん、体の事は……考えても無駄だと思うから俺考えること止めた


[ズビュズビュッ!]


ほら目の前にいる少女がこっちにさっきよりも遙かに数の多い氷の刃を雨のように飛ばしてるのがよ~く見えるじゃないかってアァァァァァァァーーーーーッ!?何か攻撃態勢入って……ってもう攻撃してるかハハッ!

……じゃねぇ!オイィィ俺の体避けろぉ!このままじゃズタズタになる!あの氷の刃で切り刻まれるぅ!


「………」

[バキバキバキンッ!]


……ってあれ!?目の前で氷の刃が砕け散ってる?………何で!?

俺の魔眼は確か攻撃魔法は消せないはずじゃ……あれか?遂に異世界トリップとかに良くある主人公補正ってやつが俺にも入ってきたか?来ちゃったのか!?


その後色々な攻撃……例えば雷、魔弾、衝撃波、レーザー、隕石、果ては俺の使ってるメルトンみたいなのを撃ってきたがあっさりと消し去ってしまった。

……まるでアレだな。右手で何でも無力化しちゃう主人公さんの気分だな!


俺……初めて俺自分がチート性能持ってるって思ったよ!


そう思ってる内に俺の体は彼女の目の前に立っていた。

そして俺の右腕はシーヴァを振り上げて……って

ちょ!スタァァァァップ!止めろ止めろ!

俺にこんな無垢そうな……いや、目が死んでるだけか?……とにかく幼い子に問答無用に斬り捨てるような……


[ザシュッ!]


……最悪な人間になっちまった。

ごめん父さん……体が言うことを聞かなかったとはいえ父さんが俺によく言ってた「十二歳以下またはそのように見える女性は傷つけるな!絶対だ!」っていう誓いを守れなかったよ……


[ドサリ……]


肩から斜めに斬られた少女は大量の血を流し地面に仰向けに倒れた。

あっと言う間に血だまりを作りピクリとも動かなくなった。

それをじっと見下ろす俺、すると不意に体に感覚が戻り俺はバランスを崩して倒れてしまった。


「ウゴッ!」

「………大丈夫か?」


俺が倒れたのを見て全員が駆け寄ってくる。


「あ~……大丈夫、気が抜けただけだ」

「そうか…しかし先程は凄かったな、同一人物だとは思えなかったぞ」


そう言って忍者服は俺を見る。

うん、だって俺自身の判断で動いてなかったもん俺、

…本当にさっきのは何だったんだろう……謎だ。


「俺も思ったッス……目は光ってるし体からオーラは出すしコイツが放った魔法は片っ端から消しちゃいますし……」


ラフラはそう言って先程俺が斬り捨てた少女を見る。すると少女はラフラを見返して




………はい?ラフラを見返した……だと!?


[ドォォォォォォォォォォォォン!]

「おぁぁぁぁぁ!?」


突然衝撃波が彼女から発せられ俺を襲い吹っ飛ばされる。


「なっ……」


吹き飛ばされながらもうまく地面に着地して少女が居たところを見るとそこには再び復活を果たした少女が宙に浮いていた。


「嘘だろ死んでなかったのかよ……」

しかし俺が見た限りでは倒れた彼女は確実に死んでいた筈だ……何故だ?

何かあの一撃で死ななかった原因でも……


「ギュギィ!ギュァァァァァァ!!!」

「!?」


突然彼女から気色悪い声が……


「ギ……ギュギュウ![バキパキッ]」


しかしよく見たら彼女の背中でパキパキと動く足が見える……何か張り付いてるのか?

それがさっきの声を?


「ア゛……ア゛ァァァァァァァ!」


と今度は彼女自身が叫び声とも悲鳴ともとれない悲鳴を上げて体が変形……って変形だと!?


一人ノリツッコミをしている間にも彼女の体はどんどん変形していった。


上半身は禍禍しい仮面と鎧を身に纏い槍と盾を装備した女騎士の姿に。

そして下半身は竜の姿になった。

見た目から言わせて貰うと体長五メートルぐらいの竜が居てその首の部分に騎士の上半身と言った所……色は黒と紅と紫……どう見たって言う事無しのボスの第二形態です。


「ジョニー……勝てるか?」


完全に第二形態へ移行完了した元少女を見ていつの間にか俺の近くへと来ていた忍者服が聞く。


「いや……もう……やるしかないよね…」


絶対だ。ここで逃げようとしたら間違いなく回り込まれてフルボッコにされる。

ボス戦とはそう言うものだ。うん、もうコイツボスだよ。間違いなくボスだよ。

俺はシーヴァを構えて地面に降り立った少女第二形態を見る。


「ヴ…ア゛……アァァァァァ!」


俺を怒りに燃えた目で見る少女第二形態。俺に槍を向けると体を俺の正面に向けて叫び声のような声を発して突進して来た。


「俺がやることはただ一ぉぉぉぉつ!」


俺は思い切り体をよじった。


「でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいやぁぁぁぁぁぁ!!」

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