第三章 二十六話 ~魔剣の能力~
皆様に愛されて九十話、
ノリだけで此処まで来ちゃったのにお気に入りがこんなに増えるなんて当初思っても見なかったんだ。
今でもこの小説のどこがいいんだろうって思うことがある。
ホント何でだろう……ま、考えても仕方無いか。俺は書きたい物を書くだけだ、うん。喜んで貰えるならそれで良し。
長々と話しすいません。それでは本編ど~ぞ!
「うぉぉぉぉ!」
雄叫びをあげながらオメガもどきに突っ込む……
ってあれ?周りの景色がブレてる?
それに心なしか俺動くスピードが速いような気が…
[ズパッ…]
「ひょ!?」
何かを斬り裂くような音が……
俺は急いでブレーキをかけて後ろを見て見る。
………すると。
「ビャ………ビィ?………」
[ガシャン!]
三体居たオメガの右側にいた方がまるで五右衛門の斬鉄剣で切られたように縦に真っ二つに斬れ倒れる所だった。
「!!?」
(ハッハハハハハハ!!!どうだ!魔力マックスの私の切れ味にかなうものなど無~いっ!)
今起きた事に理解が追いつかない俺。
何?今何が起こったの?勢い良く突っ込んだらすごいスピードが出て何か斬ったなと思って止まったら何時の間にか奴らの後ろに居てその内の一体を知らぬ内に真っ二つに?
………訳が分からない。
(どうした主?惚けた顔をして?)
「……今起きた事の説明頼んでいい?」
俺は今起こったことを一番理解していると思われるシーヴァに質問した。
(ん?あ…そうか、主にはまだ私の効力を説明していなかったな…私の能力は「ハッシャ!」とりあえず防いでみろ)
「え?うぉぁい!」
説明を始めた途端今度は左端に居たオメガもどきがこちらに向かって空気を読まずにビームを発射してきた。
俺はシーヴァに言われた通りに大剣で身を隠すように構えた。
「[バチチチチチィ!]おごあぅっ!?」
大剣を構えた直後に体に強い衝撃が走った。
必死で気合いを入れて踏ん張り衝撃に耐える。
「[キュゥゥゥン……]ふ……防げた…」
衝撃が弱まりやがて無くなった。それと同時に俺は大剣を構える。
「で?この強度が能力?」
(それは剣自体の特徴だ。能力は先程主が無意識に使った“辻切り”だ)
「辻切り?」
「この剣は使用者の魔力を吸えば吸う程使用者の身体能力を上げることが出来る……まあ上限はあるが」
……ああ、それであんなに早く動けた訳か…納得。
「で?それと辻切りと何の関係が?」
(そう急くな、その身体能力が上がった状態で剣を構えて対象物の近くに寄ると無意識に切り捨てるんだ)
「……便利な能力だな」
(でも剣を抜いてると仲間でも斬りかかるぞ)
……訂正、超迷惑な能力じゃんそれ。
(まあ私は一人で殺戮をしてきたからな。そんな物はあって無いような物だったが……)
「俺仲間居るんですけど……」
(…距離をとって戦えば何とかなるだろ)
やべぇ、今すぐにでもこの無責任発言した剣を捨てて誰にも見つからないぐらい深い地面の下に埋めたい。
(しかし装備からは外せない!)
「心を読むな!」
……あれ?所で何でさっきからオメガもどき共攻撃してこないんだろう?
俺が剣と対話するという端から見たら電波な事を少なくとも数分はやっているというのに……
「ハッシャ!ハッシャ!」
「[ドゴォン!]うおっ!……何をやってるんだ!この装置に砲台を向けるな!雷岳、糸の締め付けをもっと強くして向きを変えろ!アガも私の事はいいから雷岳を手伝ってくれ!」
「ウゴッ!」
「どうして種を打ち込んだのにお花が咲かないのかしらぁ~?」
「奴は鉄で出来てるんだ!そんなのは効かない!セラピスは奴の足に木を生やして巻き付け動きを止めてくれ!」
「でも育つのに必要な栄養になる土が無いわぁ~」
「そこらに転がってる死体を使え!」
「俺はどうすればいいんだ?」
「ラフラはチャズと共に後方へ避難だ」
「了解!」
「私は…」
「イシトクを召喚して奴の動きを止めてくれ!で、お前は壁に埋まってろ」
「……」
……どうやら善戦出来てるみたいだな。
で、残ったのは……
「ギ……ギキョ……」
満身創痍状態のオメガもどき一体か。
先程の爆発のダメージで砲台がダメになっているのだろう。砲台からはバチバチという電気の音と煙が出ている。四本の足もガクガクと震えていて今にも崩れ落ちそうだ。よく此処まで歩いてきたものだと思う。
(こいつ相手なら楽勝だな……そう言えば必殺技を教えるのを忘れていた。こいつには済まないが実験台になって貰うとしよう。)
「必殺技?そんなのあんの?」
(あぁ、あるとも……私が誇る最強の技だ)
そう言うと剣が赤く輝きだした。
それと同時に大量の血の結晶が剥がれ純白に輝く刀身が姿を見せた。
(さあ!奴に向かって突っ込め!)
俺はそう言われると同時にオメガもどきに突っ込んだ。
「[キュピィィィィ……]タイショウセッキン…ゼンシュツリョクヲホウシンニ…[キュオォォォォ]」
「!?」
オメガは俺が接近するといきなり体制を整え砲台を構えて俺へと向けた。
……こいつわざと壊れてるフリを!
「エネルギーシュツリョクサイダイ!ハッシャ!」
俺の目の前でハッシャされる青白い閃光。
(剣を振り下ろせっ!)
俺は光に飲み込まれようとする刹那、そう聞き言われるがままに振り下ろした。
その瞬間。
「[ズバァン!]ゴェア!?」
青白い閃光がその先にいたオメガもどきを空中へ吹っ飛ばした。
「[ズパッ]オ……オ……」
空中で真っ二つになるオメガもどき、さらに先程剥がれた血の結晶一つ一つが空中で真っ二つになったオメガもどきを取り囲みあっと言う間に切り刻んだ。
そして粉々になったオメガが落ちてくるのと同時に血の結晶は再び剣に張り付き元の姿に戻った。
(一撃目で致命傷を与えて宙に浮かせその対象を血の結晶達がバラバラに切り刻む……これが我が必殺技の一つ、“怨念解放•血霞”よ)
書いた後はっと思ったんだが……千本桜みたいな技だなコレ。