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第三章 十四話 ~第二被検体収監施設~

「オイオイなんだよこれ……」


俺はあの部屋を出た後直ぐに準備をして目的地へと向かった。

そして半日後、日が暮れて夜になった頃ようやく目的地へと着いたのだが…


「おやおやこれは凄いですねー」

「何でお前が此処に居る」


隣にシロウトが居る……っておうぇい!?


「? 何ですかまたそんな顔をして……今度こそ何か顔に付いているんですか?」

「いやいやいやいや!」


何かおかしいことがありましたか?的な顔でこっちを見るな!

そういう顔をしてるのは俺だろ!同じような顔で返すな!


「いや、何でお前が此処に……」

「気分に決まってるじゃないですか」


スゲー真面目な顔で言い切りやがった……


「何で追いつけた?まさか俺がでた直後に追ってきたとか?」

「そんな歩きで行くなんて半日もかかるヴァカな事しませんよ、カムランという騎乗用の魔物に乗ってきました。早さはざっと貴方の歩く速度の六倍です。凄いでしょう?」

「グガァ!」


シロウトの後ろに居る黒色のダチョウのような鳥が誇らしげに鳴いた。

六倍って事は……こいつに乗ってたら二時間程で着けたんだな…

何故教えなかったシロウト……ってそれよりも!


「今思いっきりバカの部分に発音が変わる程アクセント入れたよなこの野郎!」

「グガァ!」

「いや今のはむしろ親愛の念を持っていったよいバカ発言と言うことで力を入れて…」

「グガァ!」

「ちょっとこの鳥……カムランだっけ?うるさいぞ!黙らせろ!」

「まあカリカリしないで……寿命が縮みますしハゲますよ?」

「誰のせ[ドゴォォォン!]うおぉっ!?」


……話がシロウトのせいで思いっきり逸れたな…改めて話を戻そう。


今俺…いや俺達の目の前では……えっと……何て名前だっけ…第二……あ、そうだ!第二被検体収監施設……だっけ?


と、とにかく目の前の目的地であるなんたら施設が只今恐ろしい事に…


[ドォン!]

[ワァァァァァァ……]

[ボガァァァン!]


簡単に状況を説明すると真夜中だっていうのに真っ赤でうるさいです。

ちょっと詳しく言うと施設を囲む高い塀の中で何かが爆発する及び何かの雄叫び等の音が聞こえております。


「なあシロウト…俺ここに入りたく無い」

「明らかに戦闘始まってますからね、気持ちは分かります……しかし!」


シロウトは塀に歩いて行くと大量のイシトクを作り出すと何かを命令した。

すると一体一体が数珠繋ぎになり塀の上に届く黒いイシトクのロープが完成…


「さあレッツゴーです!」

「嫌だぁぁぁ!」


今から戦地に飛び込む以前にイシトクで出来たロープを掴むのが嫌だぁぁぁ!


[ギロッ(複数)]


むっちゃこっち見てる!ロープに使われたイシトク一体一体が俺の事ガン見してる!


「そんな顔をして……一人で行くのが怖いんですか?全く仕方がありませんね、一緒に行きますか」


いやいやいやいやいやいやいや違う違う違う違う違う!この顔は付いて来て欲しいの顔じゃない!あのイシトクロープに触りたく無…

[ガシッ]

「さあ行きましょう[ニコッ]」


止めろぉぉぉぉぉぉ!手を掴むなその不気味なロープもどきに誘導するなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!


[ムニュッ]





神様、俺は何か悪い事をしましたか?……………





「よし、見張りの兵は居ませんね……よっと、さあジョニー君も早く上って来て下さい」

「……」


神様…俺は試練を乗り越えました。

しかしこれは私がこれから受ける試練とは段違いなのですね分かります。


俺はフラフラと歩き城壁の内側を見た。

城壁内は監獄とは全く違い沢山の施設が建ち並んでいた。その中心にそびえ立つ一際巨大な施設。

例えて言うなら城壁に守られた一つの国のようだった。

まあそこかしこから火の手が上がっていたり施設が壊れたりしているのだが……


「何をボーッと施設を見ているんだジョニー君!早く来るんだ」

「あ、ああ」


俺はハッとしてシロウトの元に走って行った。

シロウトに言われるままに塀の上の通路を進んで行く。


「これから何処へ行くんだ?」

「取りあえずこのまま進んだら兵士がこの塀の上に来る為の入り口があります、そこから内側に入りましょう」

「さっきみたくこの塀にロープを下ろして内側に行けばいいんじゃないか?」

「バカを言わないで下さい。大砲の餌食にされてしまいますよ」

「大砲?そんな物があるのか?」

「ええ。多分先程から聞こえていた爆発音は大砲の音でしょうね…と、着きました」


シロウトは通路の先にあった扉の前でピタリと止まった。


「おい、行かないの…」

「伏せて下さい!」

「え…うぉっ!?」


[ドガァァン!]

「え……何だ!?」


いきなりシロウトに押し倒された直後目の前の扉が吹き飛び俺の頭上に炎や雷が通り過ぎた。


砕け散った扉の方を見るとそこには鎧に身を包みハルバートや柄の長いメイス等を持った兵士が数体立っていた。


「改造魔導兵です……見つかってしまいましたか…」


「……#¢#%£」

「…%#¥$€」


シロウトが改造魔導兵と呼んだ奴らは訳の分からない言葉を呟きながら近づいて来る。


「取りあえず退いて貰おうかっ!」


俺は両手に魔弾を作り出しまだ扉の中にいる魔導兵に向かって放った。


[ドガァァン!]


魔導兵の一体に直撃し爆発する魔弾。その爆発で崩れ落ちる建物…しかしその瓦礫の中から魔導兵達は何事も無かったかのように起きあがってきた。


「……#%¥$♭¢」

「なんだよこいつ等…」

「魔導兵は貴方が昨日助け出したあの奴隷達の成れの果てです。肉体を改造され感情も痛覚も無くした只の傀儡…原型を留めなくなるほど破壊しないと動かなくなりませんから戦っても無駄です」

「じゃあどうするんだ?」

「……逃げましょうか…と思いましたが援軍が来たようですね」

「は?」


後ろを見てみると後ろからも改造魔導兵が歩いて来ていた。


「……どうする?」

「……ここから飛び降りますか」

「は?」

「それ以外無さそうですから…ねっ!」

「[ガシッ]え?ちょ!そんなひも無しバンジーは嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


なにをトチ狂ったかシロウトは俺の襟首を掴み塀から飛び降りた。

否応無しにシロウトと共に落ちる俺。



……………神様……ホントにおれ悪い事




[ドガッシャァァァァン!]

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