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第三章 十二話 ~恐怖のイシトク監視塔…そして決着~

「嘘だろぉ!」


監視塔の中に入った俺は絶叫した。

何と部屋の中には先程まで俺が戦っていた人型イシトク共が無数にうごめいていたのだ。


「グフォォォォ!」

「悪いが雑魚に用は無い!」


戦っても時間の無駄と言うことは重々承知なのでイシトク共の間を縫って次の階への階段に走る。


「グガァ![バシュ!]」

「え?」


イシトク共の攻撃範囲から抜けたと思ったら今度は体の一部分ただのイシトクを飛ばして攻撃してきた。


[ドゴンッ!]

「危ねぇぇぇ!」


寸での所で体をよじって避ける。

そのまま壁にぶつかってイシトク自体は潰れたが石造りの壁にヒビが入っていた。

なんつー威力だよ。


「ゴフゥ[ボシュッ]」

「ガァ![バシュッ]」


すると他のイシトクも同じように次々と自分の一部をこちらに向かってイシトク弾を飛ばして来る。


「ちょ!まっ!おまっ!」


何とか飛んでくる無数のイシトク弾を避けて二階に上がる。


「うぉぉーーっ!?!」


二階にも同じように大量の人型イシトク。

しかも今回は最初っから間髪入れずイシトク弾をぶっ放してきた。


「ちくしょぉぉぉぉ!」


猛攻のお陰で二階に上がることが出来ない。

そういってる間にも下の階からイシトク達が追ってくる。

やべぇ、挟み撃ちでフルボッコにされそう……


「どうする?どうすんのよ俺!……ってそうだ!俺には身体能力強化があったじゃないか!」


俺は自分の能力を思い出し自分自身に硬化魔法をかけた。


「よっしゃあこれで俺は最きょ[ドガッ!]ふべぇ!」


……うん、硬化魔法の効果はあったよ。だって石の壁にヒビが入るほどの一撃を顔面にくらっても同じ場所に全力で投げられた野球ボール(硬球)がぶつかったぐらいの痛みしかないんだもん。

……つまりは信じられないほど痛いから凄く痛いに痛みのランクが下がったんだ!


「……って嬉しくね[ゴスッ!]がばぁん!」


叫ぼうとするも次々と撃ち出されて来るイシトク弾によって喋ることもままならない。というかこのまま居たら確実に死ねる自信がある。


「ヘールプミ[ドスッ]ごべうっ!」






「はぁ……はぁ……三階到着ぅぅぅぅ」


必死の思いで中央突破し三階に駆け上がった頃には俺の体はボロボロだった。


「ぜぇ……ぜぇ……ここには何もないか…」


俺は辺りを見回して一息つく。

残念な事ながら俺は治癒の魔法なんて高尚な物覚えてはいないので体力を回復!なんて事は出来ない。


さて、息も整ってきたしそろそ[ボトッ]…………。


今なんか俺の肩に落ちてきた。何か落ちてきたよ!?

俺はおそるおそる横を向く。すると予想通り


「ギョァァァァァ!」


イシトクが居た。嫌な感じを覚えて上を見る。するとそこには…


大量のイシトクが天井に張り付いていた。


「「「「「「ギョエェェェェェ!」」」」」」

「うぉぉぉぉぉ!!」


奇怪な声と共に一気に天井から落下してくるイシトク軍団。

全力で逃げたが体中にイシトクがまとわりついて来た。更に後ろから俺に飛びかかろうと大量のイシトクが追って来る。


「うぉぉぉぉぉ!?」


俺は疲労で悲鳴を上げている体を無理矢理動かし階段を上った。


「うごぁぁぁぁぁ!」


四階はまさに地獄だった。

人型イシトク。そして後ろから大量に迫ってくるイシトク。そして壁を粉砕して伸びてきた巨大イシトクの無数の手。

俺は全力を振り絞り剣を振るい魔弾を放って階段への道を切り開いた。


「この階が最後であってくれ!」


俺は既にボロボロになった体で階段を駆け上がる。




そして俺は……外に出た。

俺はすぐさま下の景色を見る。すぐ下には無数の職種のような手が生えた巨大イシトクの背中(頭?)があった。

おれはそれを確認すると助走をつけて思い切りイシトクの背中へとダイブした。

途端に迫ってくる大量の手。俺はそれをロトの剣で次々と斬り裂きイシトクへと迫る。


「だらっしゃぁぁぁぁ!」


おれは最後にイシトクの体にロ○の剣を深々と突き刺し着地した。


「いや、お見事……驚きましたね、あなた大丈夫ですか?」

「これが大丈夫に見えるかよ?」


俺は自分の今の姿をを見せつけるようにして俺はこちらに向かって歩いてきたシロウトの方を向く。


「まあ……満身創痍と言った所ですか?」


俺の今の状態をまじまじと見てシロウトが言う。


「誰のお陰だと思ってんだ」

「私のせいですか?」

「いやどう考えたってそうだろ」

「そうですか……じゃあ決着つけますか?」

「ああ、そうするか」


そう言って俺はロ○の剣を引き抜いて構え…ってあれ?


「捜し物はこれですか?」


そう言ったシロウトの手には先程俺が持っていたロ○の剣を持っていた。


「な……いつの間に!?」

「貴方が私と話している間にイシトクの体に刺さったままだった剣を取り込みこちらに移動させただけですよ」


そう言ってロ○の剣を構えるシロウト。


「まあいいじゃありませんか?私今武器と言ったらナイフぐらいしか持ってないんですよ。二本あるんだから一本ぐらいいいじゃないですか」

「よく無いわっ!」


今俺に残っている剣はエクスカリバー(笑)だ。切れ味が無に等しいあれだ。役に立つ筈が無い。


「まあその切れない剣で頑張って下さい」


この野郎!分かって盗ったなこの確信犯!


「それでは行きますよ!」


そう言うとシロウトはすさまじい早さで俺の懐に入るとロ○の剣を俺の腹に…


「ってなってたまるかぁぁ!」


俺は必死に体をよじってその一撃をかわした。


「ふおぉぉぉ!?」


俺はテンパっていた。はっきり言うとこの時ロ○の剣消しちゃえば良かった話だったのだが大事な事なので二度言わせて貰う。俺はテンパっていたんだ。


「く…くそぉぉぉっ!」


俺は無いよりマシと判断し背負っていたエクスカリバー(笑)を引き抜こうとして…


[スポーン]

「……あ」


手が汗ばんでいたのだろう、手からすっぽ抜けた。

美しい放物線を描きながら宙を飛んでいくエクスカリバー(笑)


……しかしここで奇跡が起こった。


[キュオォォォォォォッ!]


突然宙を舞っていたエクスカリバー(笑)が突然青い輝きを放ったかと思うと彗星の如くシロウトに突っ込んで行った。


「な!?」


予想だにしていない展開が起き驚いた表情のまま硬直するシロウト。


「ハッ!避けなけれ…」


硬直が解けたときにはもう遅かった。青い彗星となったエクスカリバーがシロウトの腹にめり込む。


「えごぼっ!!」


そのままシロウトは直線上にすっ飛んで行き監視塔の壁をぶち破って中に消えた。


その瞬間俺の足下が一気に無くなった。

召還主が倒されたことでイシトクが消滅したのだ。と、言うことは俺はあのシロウトに勝ったと言うことだ。


「ハハッ!作戦は成功したけどさ……」


俺は下を見る。有に三十メートルはあるだろう。


「倒した後のこと考えてなかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


俺は真っ逆様に地面へと落ちていった。

翔君が持っていたのはエクスカリバーでは無くエクスカリパーだったんです。


ご意見、ご感想、ダメ出しなど心よりお待ちしております。

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