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第三章 九話 ~対決!シロウト大佐~

「それでは始めましょうか」


大佐がそう言うと体から何か黒い埃の固まりのような物が大量に溢れだした。


「ん?何だコレ?」


そのままフヨフヨとこちらに流れてきた一つを手に取ってみる。

うん、フワフワとして柔らかい。言ってみれば黒い綿って所かな?


「不用心ですね……それをよく見てみたらどうです」

「は?」


俺は手元の綿を見る、すると突然黒い綿がグニグニと動きだし触手のような物が生えてきた。そして


「ギョワァァァァァァ!」


先程叩き潰したGモドキに変身した。


「ギャァァァァァァッゲホゲホッ!」


あまりの驚きに叫んでいる途中でむせてしまった。


「ちょ!死ねこの野郎!」

「[グシャ!]ピギュッ!」


俺は慌ててGモドキを地面に叩きつけると足で踏み潰した。


「おやおや……一体でそんなに驚いていては心臓が持ちませんよ?」

「何だと……ってのわぁぁぁあぁぁ!?」


辺りを見回すと俺はすっかりGモドキに囲まれていた。

何体なんてレベルじゃ無い。裕に百は超えているだろう。

それがズラリと俺を取り囲んでいた。


「そうか……さっきお前が出した埃みたいなのはGモドキの元だったのか」「じーもどき?……失礼な。これはイシトク。一種の精霊ですよ」


コレが精霊ね…考えられねぇな。

とにかく正式名称がイシトクね、そう呼ぶか。


「さて…このまま貴方が降伏してくれると私としては非常に助かるのですが……」

「いやそれは無い」


即答した。だって大きさだってソフトボールをちょっと大きくした位だし足で踏み潰せば死ぬような奴だ。正直俺の技を食らえば一瞬で壊滅まで追い込めるだろ。


「そうですか……ならば少し痛い目にあって貰いますか」


そう言うとシロウトは指を鳴らした。その瞬間周りにいたイシトク共が一斉に襲いかかってきた。


「汚物は焼却だぁぁぁ!」


俺はそれに対抗して黒炎を纏う。これで俺に触れた奴から丸焦げと言う訳[ガブッ!]


「痛っ!ってうぉぉぉぉ!?」


こいつら!自分が燃えてるのも構わず噛みついて[ガブッ!]ギャァァァァ!腕が!腕がぁぁ!鎖帷子使えねぇぇ!


「畜生が!離れやがれ!」


と言っても既に俺の体はイシトクでびっしりと覆われており身動きが全くとれない。

俺はあっと言う間にイシトク共に包まれてしまった。


「……これでも喰らいやがれ!」


息が出来なく薄れていく意識の中で苦し紛れで魔弾を作り自分の目の前で爆発させた。


[ドゴォォォン!]


「ギケァァァァァァ!」

「ぐぁっ!」


強力な爆風に数メートル吹っ飛ばされて地面に転がる。衝撃はキツかったがお陰でまとわりついていたイシトク共は全部体から離れた。


「中々派手にやりますね」

「誰のお陰だ」


ゆっくりと起きあがって自分の状態を見る。噛みつかれたのと先程自分で放った魔弾のお陰で服はボロボロ。噛まれた所からは血が滲み鈍い痛みが走っている。


そしてシロウトの方はと言うと服には埃一つ付いていない上に未だに不適な笑みを浮かべている。余裕ってかこの野郎。


「さて、再度聞きますが私に降伏してはくれませんか?私としてはこれ以上…」

「うるせえぞ、お前程度に負けるほど弱く無えよ」


そう言って俺はファイティングポーズを取る。

蠅叩き?爆風の時どっかに飛んでった。


「やれやれ…面倒ですね。さっさと終わらせますか」


そう言うとシロウトは更にイシトクの元を体から出した。


「無制限かよ…」


あっと言う間に先程よりも多い数のイシトクが生み出される。


「それではこのイシトクの真の力を!」


シロウトがそう言うとイシトク達が集まり次々と人型になっていく。


「な……」


あっと言う間に人型イシトクの軍勢が俺の前に出来上がった。


「これが……秘技?芸じゃなくて?」


素直な感想がそれだった。ぬぼーっと立っている姿からはまるでやる気が感じられない。


「バカにするのも今の内だ!やってしまえ!」


そう言うとイシトクの軍勢はこちらに向かって走って来た。


「はいスカーレットスパーク!」


[ズドォォォォォン!]


「「「ギャァァァァァ!」」」


俺の放ったスカーレットスパークで数体があっさりと消し飛ぶ。


「まだまだぁ!スカーレットスパーク!」


次々と間髪入れずスカーレットスパークを撃ち次々と撃破していく。


「フフフ……」


そんな俺を見てもシロウトは全くあの不適な笑みを絶やしていなかった。

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