第三章 二話 ~王都に到着~
あ……なんか駄目だ、勢いが出ない。今回すげぇ短い、みなさん許して
……ガクッ
エグドラシアの中央にそびえ立つ大きな山………
いや、これは山などでは無い。想像を絶するほど巨大な木なのだ。
その証拠に普通は絶対に木などが生える筈の無い高い場所にも緑があり、生命の息吹を感じられる。
気温なども一年を通して一定に保たれており生物にとっては住み心地の良い楽園となっている。
魔界の神と呼ばれた男もこの地を気に入り王都エグドラシアを作ったらしい。
その為もあってか中央大陸とも呼ばれ、その王の子孫が居なくなった今でも世界一賑わう都市として君臨し続けている……
「さ……最悪の事態だけは免れた……」
レナが胃の中の物をリバースするという最悪の事態を近くにいたお客さんと必死に押さえながら十五時間戦って王都エグドラシアに着いたのだ。
俺は担いでいたレナを近くにあったベンチに卸すと隣に座った。
「……全くですな。一時はどうなることかと」
そう言って俺の隣に腰掛ける初老の男性。
彼こそがレナのリバースを共に押さえてくれた友、レイナーさんである。
彼は見た目こそ人間であるが口を開けば獣も真っ青な程のぎらつく歯を持っている亜人種だ。
彼はこの地で小さいながらも博物館をやっていると聞いたので、
俺はレイナーさんと共にレナのリバースを押さえている途中に交渉をし、夜間警備をする代わりに寝る所と食事を用意してくれる事となった。
それで今俺はレイナーさんと共に博物館に向かおうとしている所なのだが……
「重い!」
主にハンマーがっ!!
俺は知恵を絞った結果、
「あれ?俺攻撃するとき身体能力上げる為に魔力使ってるんだからこれに応用出来んじゃね!?」
と言う何で俺今まで気づかなかったの?バカなの?的な考えに行き着き只今能力をフル活用してレナを担いでいるのだが……
「重い!めっさ重い!!!」
信じられない事にレナのハンマーの重さは尋常じゃ無く
それでもゆっくりとしか進まないと言うひどい有様だった。
これを汗の一つもかかない上平気で走り回ると言う尋常じゃない事をやってのけるレナに何故だか分からないが感動を覚える俺が居たのであった。