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第二章 二十一話 ~堕天使復活と魔王との対話~

レナの長々とした説教を聞き終わった後、この部屋を捜索していたドエヌが堕天使が封印されている所を見つけたといってきたので俺は早速そこへ向かう事にした。


ドエヌに案内された所は質素な作りの長方形の部屋で中央にドエヌ達が住んでいた聖堂と同じような像がぽつんと置かれていた。


「え~とドエヌ?これがそのレス何とかの封印されてる所か?」

「レスティアスです。名前ぐらい覚えてよ。あたしたちの上司なんだから」

「サーセン」


所で封印ってどう解くんだろ?何か内に秘められたパワーかなんかでバーッとがビャーってやるんだろうか?


「封印の解除の仕方分からないんで今ちょっと牡丹さんに調べて貰ってるよ」

「アイツにそんな事任せてもいいのか?」

「うん、この神殿の電源装置を直した程の腕だからね。多分この手の事は彼女の方が詳しいと思うし」


まあ確かにあの訳分かんない建造物を直したのは凄いと思うが……ま、いいか


暫くすると像の後ろから頭を掻きながら牡丹が出てきた。


「微量な魔力は感じるんだけどな~?どうやって封印を解くかサッパリだよ」


そう言ってあぐらをかいて座る牡丹。………なんて言うかおやじ全開だ。


「台座を調べても何かはめ込むとか呪文を唱えるって感じでも無さそうだし……お手上げだよお手上げ!」


そう言って座ってお手上げのポーズのまま後ろに倒れる牡丹。


「何か気になる物は無かったのか?」

「う~ん……変な所と言ってもねぇ……台座の正面の手形ぐらいかな?」


手形か……ロープレだと勇者がそこに手をかざすと凄い事が………いやいやそんなベタな事あるはずが…




………やってみました。




「やっぱベタ過ぎたか……」


俺は目の前の自分の手を見る。手形の所に手を押し当てて見たのだが反応は無し。ただ石の冷たい感触が手に広がるだけだった。

分かってたさ!何か起こる訳無いって事は!米粒程の淡い期待を抱いた俺がバカだったよ!


「そんな単純な仕掛けな訳ないでしょ~~バッカみた……!?」


仰向けに倒れていた牡丹が嘲笑の言葉と共にこちらを向いて……驚いた様な顔をした。


「牡丹さんどうし……!?」

どうやらドエヌも何かに気づいた様だ。

牡丹はスッと立ち上がると俺の方へ歩いて来た。

そして台座の手形に付けている手をまじまじと見た、そして


「ちょっと手に魔力を思いっきり溜めてみて!」

「?」


何を言い出すんだ。訳がわからな…


「さっさとする!」


怖い怖い!捕食者の目になってるよ牡丹さぁん!!!


「かざっち!牡丹さんの言う通りにして!もしかしてらもしかするかも!」

「………ラ、ラジャー」


ドエヌにも言われたので俺は手に目一杯の魔力を集める。

そして次の瞬間俺の手が何かに吸われていると感じた瞬間手に集めた魔力は一欠片も無くなっていた。


[ビシィッ!]


「ん?」


自分の手を当てている所を中心にヒビが入った。


「やっぱりか………」

「やっぱりですね」


予想通りといった顔でヒビが入った像を見る二人。

………大体分かった。これは魔力を大量に流し込めば解除される封印だったんだな。……………多分だけど。


「いや~翔が像に手を付けてる時僅かに魔力がそれに流れ込んでたからもしかしてとは思ったんだけど……成功だね!」


[バキバキベキィ!]


かなりでかい音を出してひび割れていく像。所で何故ヒビの入った部分がオレンジ色に輝いているんだろ?仕様か?


「何今の音……ってうおっ!何このひび割れた石像!何があったの!?」


音を聞きつけて部屋に入ってくるレナ。………所で背負っているデカい袋は何だ。


「おいレナそのデカいふく[バキドカァァァァァァン!]ぴゃーっ!?」


レナにその袋の中身を聞こうとした瞬間像がまばゆい閃光を発して爆発し、光の玉が天井を吹き飛ばして天に昇っていった。


そこで一旦俺の意識が途切れた。







「ホワイトルームにご到着ってか」


気付くと俺は毎度お馴染みの白い空間に居た。

またハデスが「コニチワー☆」とか言いながら出てくるのか?


(安心シロ、今コノ世界ニハオ前ト私シカ居ナイ)

「! 誰だ!?」


声がした方向を向くとそこには見た事も無い男(?)が立っていた。


(私ハ貴様ノチカラ……魔王ダ)

「………はい?」


こいつが魔王で俺の力………俺は目の前に立っている魔王の姿をまじまじと見る。


細部まで装飾がされている恐ろしくも美しい鎧。

紫と黒の二色が混ざった髪。俺のに似ているが圧倒的に立派な頭に生えた二本の角。

顔はよく分からないが二つの黄色に光った目は多分魔眼だろう。



うん、これを百倍ぐらい貧弱にしたら俺の魔王状態の姿になるな。


(サテト、理解シタ所デ…次二貴様ガ向カウ所ハココダ)


そう言うと魔王は俺のズボンのポッケから昔ハデスに入れられた地図を取り出した。


そして一つの大陸を指さす。


「そこへ行けと」

(ソウダ)


え~と大陸名はと……アルマストレア?


(ソコニ巨大ナ神殿ガアル。ソコニ二人目ガ眠ッテイル筈ダ)


「了解……一つ聞いて言い?」

(ナンダ?)


ちょっと気にかかった事があるので魔王に質問してみる。


「俺が魔王の力使い続けたら体が乗っ取られるって事無いよね?」


そう、俺の一番心配している事だ。ほら、よくあるじゃんそんなの。


(フハハハハ……ソレハアリ得ンナ!ソンナ事ヲ心配シテイタノカ!)

「いやコレがマジ心配なんですよ!」

(心配スルナ!出来テモソンナ事ハセン!)


大声を上げて笑う魔王。ちょっと心配だが大丈夫だろう。


(ソウダ、オ前ガ“フレア”ト名付ケテイタ技、威力ヲ調整出来ル様二シテオイタ)

「マジですか!?」

(アア本当ダ。最小デオ前ノ世界デ言ウバスケットボールグライノ大キサマデ出来ル様二シテオイタ)

「あ、ありがとうございます。」

(サア早ク目覚メヨ!コノ山ヲ越ヘ港ヘ行クノダ!)


魔王がそう言うのと同時に俺の体が消えていき俺はまた意識を失った。

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