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第一章 三話 ~山賊との戦い~

どうも~まえがき担当のハデスだよ~


え?ノリが軽い?いいじゃないかそんな事。

ともかく、全回ゴブリン達に飛びかかっていった翔君とジェミィ。

倒しても経験値とかレベルアップは当然の事ながらしないよ!当然だね!

……まあそれはさておき、翔君の初陣は果たしてどのような結果になるのか?


それでは本編ど~ぞ!


「せいやぁぁ!」

「へ?[ドゴッ!]うぎゃあっ!!」


ジェミィさんがゴブリン達と一気に間合いを詰め一番前にいたゴブリンを杖で力任せに殴り飛ばした。

あれ?杖ってそういう使い方だっけか?それともあれが巷で言う殴り魔って奴なのか?まあジェミィさんが魔法使うか全く分かんないけどな…

殴られたゴブリンは十メートルほど吹っ飛び地面をごろごろと転がった後白目を剥いて体をひくつかせていた……すげぇ痛そうだ。

……てか殴ってあんなに飛ぶって有り得ないだろ普通、残りのゴブリン達も状況が全く理解できないけどとにかく恐ろしい事が起きたのは分かったらしく顔が真っ青になってるし。


「う、うわぁぁぁぁ!」


そして一人が我に返りジェミィが居る方向とは逆の俺のいる方へ逃げ出し……ってえぇ!?

それに習って残りの奴らも一斉にこっちに向かって走って来てるし!


「うぉぉ!?」

「ど、どけこのガキィィ!」


血相を変えたゴブリン達が全員武器を構えて戦闘態勢をとりわき目も振らず突っ込んできた。

一応俺も武器を構えてはいたんだがゴブリン達は特に殺気を感じない俺ならば無理やり突破できると考えたらしい。


「そちらへ行ったのは頼んだぞ!」


頼んだってさっきジェミィさんがぶっ飛ばした奴以外全員こっち来てるんですけど!?半分じゃ無くて全体の八割方がこっち来てるんですけど!?

……ああもう!やるしかないのかよコンチクショー!


「ふぅぅ………はぁぁぁぁ!」


俺は大きく息を吐いて気を落ちつけると全身に力を込める、それと同時に体に力が体中を駆け巡りハデスの所に居た時の姿に変わった。

因みにこの状態をハデスは覚醒状態言っていた。すげぇ中二臭いよね……十七になってこんな変身とか堂々とする羽目になるとは……正直恥ずかしいよ!これで変身時のセリフとかあったら俺は恥ずかしさで悶え死んでいたに違いない。


「て、てめぇ何だその姿?やる気か!?」

「一応な……」

「っ!……かまわねぇ、やっちまえ!」


俺の突然の変化に一瞬驚いたようだったが、ジェミィよりは安全だと判断したのだろう。そのまま突っ込んできた。


「…やっぱり変身したくらいじゃ駄目か…」


構わずに突っ込んでくるゴブリン達に向かって剣を構え、魔力を剣に込める。

因みに魔王になったせいで俺の内なる力とやらが解放された(ハデス談)という赤面ものの恩恵のお陰で身体能力のみならず魔力すら授かったのだ。まあまだあるだけで特に使い道は無いのだが…

一応この魔力をハデスから貰った剣に込めれば魔力で空気の刃を作りだしそして一気にそれを放つ攻撃が出来る。ちなみに魔力を体の中で移動したりそそぎこんだりする感覚を覚えるのもかなりの時間がかかった。


俺は魔力が剣に十分込められた事を確認するとゴブリン達に向かって振りかぶる。


「せいやぁぁぁぁぁ![ブォン!]」

「え?………[ズドォン!]ぎゃぁぁぁっ!!」


ゴブリン達に向かって思いきって剣を振るとゴウッとゆう音と共に魔力で作られた斬撃が前方に居た三体に当たって派手に吹き飛ぶ。一応鞘に収めた状態で振ったので体が真っ二つになるというグロ注意な状況になる事は無かった。

しかしゴブリンの意識を刈り取るには十分だったようで吹っ飛ばされたゴブリン達は白目をむいて泡を吹いていた。

ちなみに鞘に納めた状態でなければ斬空波と言う技になるらしい。(これも冥界の特訓の際に教えられた)


「ヒ、ヒィィィィ!!」

「お……お助けぇぇぇ!」


仲間三人が一気に吹き飛ばされたのを見て、後ろに居た残りのゴブリン共は慌ててまわれ右をして逃げ出そうとした。

しかし既に後ろには仁王立ちをして笑っているジェミィさんが立っていた。

挟み撃ちにされたゴブリン達は恐怖からガタガタと震えている。完璧に戦意喪失したなこりゃ。


「荷物は置いてけば命は助けてやろう」

「はぃっ!」

「いいい命だけはお助けおぉ!」


ジェミィに言われた瞬間ゴブリン達は持っていた物を放り出すと近くに居た仲間を抱えて一目散に逃げ出した。


「おい!こいつを忘れてるぞ![ブンッ]


そう言ってジェミィは自分が最初にぶっ飛ばしたゴブリンを掴むとゴブリン達が逃げていった方向にぶん投げた。

ジェミィさん、あんたその細見のどこにそんな怪力が出るんですか…







「………それにしても翔、アンタそんな姿になれるとはな」


ゴブリン共が逃げ出した後そこらに無造作に散らばった盗品を回収している途中ジェミィさんが俺に向かってそう言った。

まあ普通人間は変身して頭から角生やしたりしないもんな。


「すいません。隠す気は無かったんだジェミィさん」

「あ~………まあいいかその事は。それよりも…」


ジェミィさんは少し不機嫌そうな顔でこちらに来た……ん?俺何か変な事言ったか?


「“さん”付けは止めてくれ。楽に話してくれと言っただろう?」

「あ……そうだったんです……そうだったな。それじゃあジェミィでいいか?」

「うむ、頼む」


う~ん、ジェミィさんは俺に好意を抱いているのかな?

よく恋愛ゲームとかで第三者視点で見ると何で気付かないんだこの主人公バカは!とか思う事があるがいざ自分がその立場になってみると他者がどう考えているなんて分かったもんじゃあ無いな。


「……?どうした?私の顔を見て」

「いや、何でも無い」


何となくだが彼女とは長い付き合いになりそうだ……そう思った俺だった。

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