第二章 二十話 ~結界の通り方~
石像軍団をスクラップにした後俺達は二時間程休憩した後でまた捜索を始めた。
そして俺達は奥へ行けると思われる道を発見したはしたのだが………
「これって絶対バリアだよな?」
その入り口になんだかよく分からない半透明のゼリー状の物体が道を塞いでいるのだ。
「……あたしの勘だとこの奥に封印されてそうな気がする!」
「まあそうだろうな」
だけどこれなんか危険そうな気がする。ほらだってそうでしょ?
これ絶対さわるなキケン的な物だろ。さわった瞬間電撃が走るとか吹っ飛ばされるとか絶対にそういう類の物だ断言できる。
何故言い切れるかって?俺の魂に刻まれてる動物的勘がそう言ってるんだよ。だから此処は様子を見……
「こんな物見かけ倒しだよ!勢いよく突っ込[バチチチチチチチチ!]あtk∞y©sべsb#n$xeぼv♪dx※hふじこ!」
「何やってんだレナーーーーーっ!」
何をどう考えたのか壁に思いっきり突っ込んで真っ黒焦げになるレナ。
………まあ兎に角これでこの壁は非常に危険な物だと分かった。
多分レナもこれぐらいでは死なないだろう。
「……多分これは常時展開型の結界だね。此処の電源自体を落とさないと多分解除できないね」
黒こげで倒れているレナをよそにご丁寧に解説をする牡丹。
電源を落とすも何もお前が電源入れたんだろうが。それと何故あのゾンビ状態からたった二時間で復活できるんだ。
「それではこの結界の解説をしてくれた牡丹君、地面に潜ってっちゃったスイッチをもう一度地面から出してくれない?」
「…………………ゴメン、出し方分かんない」
………ハイハイ想定内想定内。そんなこったろうと思ってましたよ。
「あーもーオッケー、違う方法を探…」
「あの…私が此処に来たら既に飛び出してて……」
「いやいやもう分かったから。」
そんじゃあこれどうしよう?俺の魔王クオリティを駆使して通るか?
………よし、魔眼を使おう。マジックアイテムの効力を消せるくらいだからこんな壁楽勝だろ!ハッハー!
~十分後~
こうかは いまひとつのようだ。
ってか全然効いてねぇ!ねえナニコレ?魔王クオリティの限界か?限界なのか?
いや、そんな事はない!頑張れ頑張れ出来る出来るどうしてそこで諦めるんだよもっと頑張れよ俺ぇぇぇぇぇ!
そうだ!有名ななぞなぞの答えにあったじゃないか!どうやっても壊せない金庫の扉があるんなら壁を壊して通ればいいんだって答えが!
フハハハ!そうだ!壁をぶっこわせばいいんじゃないか!何だ俺!魔眼使ったのがバカみたいじゃないか!
早速俺は両手に魔力を集め魔弾を作る。一発に俺が一回で出せる限界の八発分の魔力を凝縮してある。これなら壁ぐらいなら粉砕できるだろう。
「吹き飛んでしまえ!発射ぁぁぁぁ!」
俺は勢いよく魔弾を発射し壁をぶち壊して大穴を開けた。
結界の横に穴を開けようと思っていたのだが結界も吹き飛んだ様だ。
「HAHAHA!終わりよければ全て良…」
…………このとき俺は何も考えていなかったんだ。
反省する。俺は周りのことなんて見ちゃいなかった。
よく思い出してくれ、この神殿の中を。壁にはひびが入り只でさえ崩れそうなのにさっきはスカーレットスパークを撃ち、今回は魔弾の大爆発。
どうなるかは小学生だって分かるんじゃないだろうか?
[ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………]
「……かねぇぇぇぇ!天井が崩れたぁぁぁぁぁぁ!」
ナンテコッタイ!今の衝撃で天井が崩れて上から雪崩のように土砂がぁぁぁぁぁ!
「ヤバい!ドエヌ!奥へ逃げるぞ!」
「は、はひぃぃぃぃぃ!」
「こりゃまたデンジャラスな事をするね~」
いきなりの事態に完璧に気が動転しているドエヌと全く慌てた様子が無い牡丹。
お前の余裕はどこから来るんだオイ。
「二人とも早く奥へ行くぞ!」
俺は隣で寝て(気絶)いたレナをひっ掴……武器が重いぃぃぃぃ!!!
「ちょっ…え?…はい?……重すぎるだろこのハンマー!」
やばいやばいやばい土砂が迫ってきてるよ!
「ハァ……何やってるの?ほら、あたしが武器持つから彼女運んで!……よっと!」
「え?……はい?」
俺の異変に気づいたのか牡丹がやってきてハンマーを軽くひょいっと担いだ。
…………え?何?俺って非力?
「ほら!急ぐよ!」
「うぉぉ!そうだったぁぁぁぁ!」
急いで神殿の奥のへと走る俺達。
一番奥ではドエヌが「早く早く!」と手を振っている。
「ドエヌ!奥の扉閉めてぇ!」
「は!?」
扉まで後百メートル程の所で牡丹がとんでもないことを叫んだ。
「ちょちょ、ちょっと待てぇぇぇい!此処で閉めたら俺達生き埋め「早く閉めて!」ちょぉぉい!」
ドエヌは最初はわたわたしていたが牡丹の第二声で扉をゆっくり閉め始めた。
どうやら上と下から壁が挟むようにして閉める型らしい……ってそんな場合じゃねえ!
「扉が締め切る前にあの部屋入るよ!」
「何でそんな危ないことを!?」
「後ろ見て後ろ!」
「後ろ?………あ」
後ろを振り向いてみると……俺の五メートルほど後ろに黒い壁が迫ってました。
「ね?今閉め始めないと駄目でしょ?」
「理解しました。」
「理解したんなら……飛び込めぇぇぇぇぇ!」
もう人一人分しか通れないくらいになった扉の隙間に俺と牡丹は飛び込んだ。
俺と牡丹が完全に部屋の中に入った瞬間扉が閉まった。
「ぐべっ!?」
モンハンの緊急回避姿勢だった俺は地面と熱いキスをする事になったがどうやら助かった様だ。
「いや~スリルがあって楽しかった~」
「どこがだバカ野郎!」
そして壁に穴を開けた俺のバカ野郎!
「大丈夫かざっち?」
「………無理、キツい、あとレナ重い」
「レディを重いっていうのは駄目だと思うよ?」
「そんな事言っていいんだ……」
「いいよどうせ寝て……ってレナ!?」
何と言うことでしょう、レナさん起きていらしゃった。
これはアレですか?俗に言う死亡フラグってやつですか?
いやぁ俺がまさか直に体験することになろ……
「ちょ~っと痛いけど我慢してね翔?」
「あ、あの……レナさん?前言撤回します。ご免なさい、マジでゴメンナサイ」
「駄目、許さない」
「ちょ、待とうよ?ね?俺今相当疲れてるからさ?ね?だからハンマー持たないでぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
その後何とかハンマーで叩かれずには済んだのだが延々とレナに説教される事になってしまった。