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第二章 十五話 ~この親にしてこの子あり? 上 ~

もう何て言うか更新がめっさ遅れましたね!反省してます許して下さい。


明日からもうちゃんと更新再開するんで見捨てないで下さいお願いします。


それは今日の朝、俺はエリアスさんに貸して貰った魔法の基礎が書いてある本を読み、レナは俺の向かいの席で朝食のスープをすすっていた時に悲劇が起こった。

まぁ一国の王女が本を読んでる一般市民の俺の目の前に座って朝食をとってるって時点で色々とどうかと思うのだがこれが次にこの国を担う女王だ……この王族らしくもない状況を何とも言わない周りの奴等はどうなんだろう?これが普通なのか?ありえん。


…まあそれはさておき隣にいたガルテリアさんが「あ、忘れてた」的な感じで言った一言が悲劇を起こしたんだ。


「レナ様、今日ガンダラシア様……父上がお帰りになります」

「ブーーーーーッ!!!」


ガンダラシアさんが言った事を聞いた瞬間レナはスープを吹き出した。


「おわっ!汚ね…って本がぁぁぁぁぁぁ!」


俺はとっさに本を盾にした……のがいけなかった。レナが吹き出したスープは俺の周りのありとあらゆる物(主に俺が書庫から持ち出した本)にかかってしまったのだ。


「本!?本がどうしたのです……キャーーーーーーーッ!!」


本という単語を聞きつけて真っ先に駆けつけてきた司書さんが無惨にもスープまみれになった本達を見て悲鳴を上げた。


司書さんは本が命の源のような人である。それがスープまみれでグチャグチャになっていたらそりゃ悲鳴も上げるだろう。


「ゲホッ……ゴホッ……じ…じい……今のホント?嘘じゃ無いよね?」

「はい、嘘ではありませんレナ様」

「……………ハァ、で?どうするの今回は?」

「その事なのですがレナ様今回は……」


そしてこの事件の首謀者であるガルテリアさんとレナは何かヒソヒソと話始めた。

オイオイ俺は無視ですか?それとガルテリアさん、今の行動は怒るべきなんじゃないですか?


「ああ……本が……私が大切に保管してきた本が………」


そしてまるで世界の終わりって感じぐらいの顔をして本を持っている司書さん。


「アハ…アハハ………早く乾かして拭かないと……アハハ……」

「ちょ!?司書さん?」


司書さんが壊れたぁぁぁぁぁぁ!

本が殉職したことにより頭のネジが何本か吹っ飛んでしまった司書さんは「アハハ」等と不気味な笑い声を漏らしながら部屋を出て行った。


「おい、さっき悲鳴が聞こえたんだが……って私の本がぁぁぁぁぁぁ!」


そして司書さんと入れ違いになって食堂に入ってきたエリアスさんが俺の持っている本を見て悲鳴を上げて駆け寄って来た。


「おおぉぉぉ………私が最初に買った本がこんな姿に…………翔さん、これはどういう事か聞かせてくれ」


流石に冷静なエリアスさんは直ぐに冷静になり一旦周りを見た後俺に聞いてきた。


「あのそれが……レナのお父さんが帰ってくると聞いた瞬間にレナがスープを………」




「…………………翔、今誰が帰って来ると?」


あれ?俺呼び捨て?と言うより何故に額に汗をかいていらっしゃるので?


「……いや、レナのお父さんが帰って来ると……」


一瞬の沈黙、そして


「何だとぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」


エリアスさんの叫び声が響いた。













それからざっと二時間。城は異様な雰囲気に包まれていた。


普段はゆっくりと城内の警護をしている衛兵さん達が今は大急ぎで何か巨大な槍のような物や網、鉄球を運んでいる。


「いいか翔、私が言った説明は覚えているな?」

「イ……イエッサー」


真面目な顔で俺を見てくるエリアスさん。うん、もう呼び捨てには慣れましたよハイ。


エリアスさんがしてくれた説明の内容は実にシンプル且つ王様にそんな事やっていいのか的な事だった。


「ガンダラシア様が城に入る前に戦闘不能にする」


うん、俺も最初は「ハァ?」って思ったよ、でもさ、それをしなくちゃいけない理由を聞いた時ああ成る程ねって思ったよ。


「前にガンダラシア様が城に帰って来た時は何が起こったとは言わないが城が半壊して私達の給料が半年もの間カットされる羽目になったんだ。今回はそれを防がなければならない」


そうです。城での仕事をしている彼らにとったらこれは死活問題なのだ。




「準備、完了しました!」

「よし!全員集まれ!これから作戦の説明をする!」


ガルテリアさんの声にも気合いが入っている。

彼はどちらかと言えば給料と言うより多分城だろう。


ガルテリアさんは巨大な城の見取り図を広げて説明を始めた。


「それでは説明する!前回と同じならガンダラシア様は中央通りから真っ直ぐに突進してくるはずだ。」


そう言うとガルテリアさんは黄色と青のピンを城門前に置いた。


「そしてガンダラシア様が体当たりで城門を破壊しようとタックルをした瞬間城門を素早く開けタックルの姿勢のまま城の中庭に入れ……」


ガルテリアさんはそこで一旦間を置き、コホンと咳をすると二つのピンを赤い丸へと移動させた。


「そして城門前でレナ様と翔が一旦ガンダラシア様の動きを止めたら…」


そう言うとガルテリアさんは細い棒を取り出して……チョット待て。俺とレナ?


「あの……ガルテリアさん?俺も参加ですか?」


俺が質問するとガルテリアさんが済まなそうな顔をして俺の方を向くと


「済まないな………本来は私の役なのだがもう私も歳でな……大丈夫、レナ様と互角に渡り合える翔なら大丈夫だ。頼む!」


と言って頭を下げてきた。

………年長の人に言われると断れないんですが。


「分かりました。やりましょう」

「ありがとう翔!それでこそ男だ!……それでは続きを話そうか。レナ様と翔が受け止めたら後はこの特注で作らせた雷魔法を宿した大槍を四方八方から発射して動きを止め最後に網で体を絡めとればそれで終りょ…」

「大変です!ガンダラシア様が国内に御到着なされました!」

「何っ!予想以上の早さだ!最早近衛兵を置いて行っているな……皆の者!至急配置に付け!失敗したら前回の二の舞だ!気合いを入れろ!」

「応!」



~豆コラム~


エンディアスは国の名前にもなっているが王都では無い。

この国の王都はこの地を元々治めていた王族の都、ベラヌドゥスが王都である。

六年前にこの地の最後の王族が滅びた後にこの地を統括したベヒーモス一族は王都を変えるのは得策ではないと考え国名だけ変えた。

その為ベヒーモスの王であるガンダラシアは一族全てを王都へ移したが

娘であるレナヴァイスが「行きたくない、ここにいたい」と駄々をこね、

娘が大好きであるガンダラシアは自分が最も信用を置くガルテリアをお目付け係としてレナに付けて王都へと向かった。


政務が忙しく二年に一度しか行けないので城に帰った時の親子のスキンシップ(実質暴走)で毎回のように城が半壊するという被害に遭いガルテリアを悩ませている。



余談だがこの大陸が最後の王族が死んだ土地である。

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