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第二章 十二話 ~予言の子~

「それじゃ早速」

「始めましょうか」

「動かないで下さいね!」


そう言うとコレロントさんの後ろから現れた天使のような………って言うか思いっきり天使の姿をした三人は俺の前に立つと何やら手から光を出して俺を包み込んだ。


「動かないで下さいよ~!」

「り………了解」


そしてまばゆい光が目の前に広がっ……

て言うか眩しいっ!目が!目がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!



…………というおふざけは大概にしておいて取りあえず指示に従いそのまま立っていることにした。




…………ヤバい、冗談抜きで目が痛くなってきた。


「あ…ヤバ…アイマスク付けさせるの忘れてた!」




…………オイ







「はいオッケーで~す!もう動いてもいいですよ~」


数分後俺の体の検査っぽいのが終わ留頃には俺の目はもう既にチカチカなんてレベルを通り越え最早俺の視界はカオス、そう!例えるなら電球をずっと見ていた後に視界に現れる暗黒物体で埋め尽くされていた。


「魂及び肉体の確認終了………と」

「うん、間違いなく人間です。それも予言通りの」

「大丈夫ですか?………」


大丈夫じゃないよ!特に目が!


「………とりあえず説明を頼んでもよろしいでしょうか?」


後俺の目が大丈夫かどうかも。


「あ、そうでした………先ずは自己紹介から。私は元プリンシパリティのレダニールと申します。以後お見知り置きを」


う~ん、まだ目が回復していないけど取りあえず声からして男って事は分かった。

……………所でプリンシ……何とかって一体何だ?

元が付いてるから何かの職業?


「あたしはドエヌ!レダニールと同じ元プリンシパリティだよ!」


お!段々見えてきた………よし、声相応の歳(十三~四ぐらい?)の子がドエヌだな!よし分かった。


「そして私が「さっき貴方にアイマスクを付け忘れた我らのリーダーであるアウェンス。元パワーです」ちょっとレダニール!あたしのセリフ奪わないでよ!」


よし!目が完全回復したぞ!

多分今怒鳴られている体格のいい男性がレダニール。その襟首につかみかかっている金髪ロングヘアーがアウェンスだろう。


「うぁ~!せっかく予言の子が来た時用の紹介文を考えてたのに!」

「アウェンス…少しはリーダーとしての自覚を……」

「うるさぁい!折角数百年暖めに暖めた珠玉のザ•紹介文がぁぁぁ……」


そう言って床に崩れ落ちるアウェンス。

何かレダニールの方が三人のリーダーっぽいんですけど。


「すみません見苦しい所を………」

「リーダーっぽくないけど本当はできる子なんですよアウェンスは………ほら立ち直って下さいよアウェンスさ~ん」


そう言って床に涙の水たまりを作っているアウェンスを慰めるドエヌに俺は思わず苦笑した。


「所で貴方のお名前を伺いたいのですが」


「あ、俺は風見翔。翔でいい」

「そうですか、私はレダニールと呼び捨てで結構です。それでは翔、多分コレロント様がこれから貴方に渡す物を持って来ていますので少々あそこの小部屋で私と座って待ちましょう」

「……あの二人は?」


俺は未だに聖堂の一角で泣き崩れているアウェンスを指さす。


「大丈夫です。ああなったアウェンスはしばらくはあの状態ですから」


そう言って苦笑するレダニール。


「ま、兎に角こちらへ」


レダニールに言われて聖堂の奥の小部屋に移動する。


案内された部屋の中は質素で奥にお茶をする道具があり木の丸テーブルに椅子が五つあるだけの部屋だった。


「それでは私はお茶を煎れてきます」

そう言って部屋の奥へと歩いていくレダニール。


「そう言えば聞きたかったんだけどさ」

「?」


俺が椅子に座るとレダニールに疑問をぶつけてみた。


「あの……何だっけ?プリンシパリティとかパワーって何?“元”って事は何かの仕事だったの?」


「ああ、それは天使の階級です。天使の階級は九つあって私は七番目、アウェンスは六番目でした」

「と、言うことは“元”って言うのはもしかして………」


元って事は今は既に天使じゃないって事だから……


「ええ、私達は皆堕天したんです。」

少し顔を曇らせて言うレダニール。

………何かいけないこと聞いちゃったような気がする。


「そうだよ~!まあ堕天しても悪魔にはなってないけどね~」


突然ひょこっと現れたドエヌはそう言うと俺の隣の椅子に腰掛けた。


「兎に角よろしくかざみん!」

「かざみん!?」

「だって風見でしょ?ならかざみんでいいじゃん!あ、あたしは普通にドエヌでいいよ!」


新しい切り口でいったな。まさかかざみんとは………


「そう言えば堕天した話?あたしはね~、昔ある国で信仰を集める仕事をしてたんだけどその国が滅びちゃって……それで仕事無くなったんだけど天界に帰るのがめんどくさくてそこら辺放浪してたらいつの間にか堕天してたの!………あ、レダニール!お茶頂戴!」


あれ?堕天した理由の話になってる。

………なんて言うか、自業自得だな。

というか今一瞬流れたしんみりムードを一瞬でブレイクしたな。


「翔……で良かったか?取りあえず私が堕天した話も聞いて貰おう!」


そしてすっごい笑顔で部屋の中に入ってきたアウェンス。いや元天使だけあって笑顔が眩しい。


「私は敬愛するル「アウェンスはルシフェルの反乱に加わって堕天させられたんだ」ちょ!レダニール!!あたしに恨みでもあるの!」


またしてもアウェンスの発言を遮るレダニール。何か彼女に恨みでもあるんだろうか?


「(なあ、レダニールとアウェンスって仲悪いのか?)」


隣に座っているドエヌに小声で聞く。

「(ううん違うの。アウェンスって何かの解説を始めたりするとずっと喋り続けちゃうの、だからああやってレダニールが遮ってるの)」


説明ありがとうドエヌ。良く分かった。


「どうしてアンタは毎回そうやってあたしの話を…………」

「ハイハイ分かった分かった。ほら、ドエヌにお茶を持っていって」


そう言って素早くアウェンスにカップが乗ったトレイを渡す。


「え……あ、はい」


あ、黙った………本当にアウェンスを手懐けることに慣れているっぽい。


「翔はどんなお茶がいいですか?」

「あ、ドエヌと同じでオッケー」

「了解。ほらアウェンス持って行って」

「分かった………って何あたし使ってんのよ!…………はい二人ともどうぞ」

「ありがと」

「さんきゅ!」


抗議しつつも俺とドエヌにお茶を渡すアウェンス。

頼まれたことはちゃんとやるタイプだなコレは。




「中々楽しんでおられるようですな」

三人とお茶を飲みながらゆっくりしていると片手に何やらボロボロの日記のような物を持ったコレロントさんが来た。

それをコレロントさんは大切そうに俺に差し出してきた。


「これは先代が自分が死んだ後に予言の子に渡せと言って私に託した物です。どうぞ受け取って下さい」


コレロントさんが差し出したそれを受け取ってまじまじと見てみる。


それは十時に布が巻かれている本……と言うよりノートに近い物だった。


「これは先代が予言の子以外は絶対に見るなと言われたものです。どうか誰も居ないところで見て下さい」


そう言ってコレロントさんはその部屋を出て行った。


「さて、もうお開きですね」

「かざみんの昔話楽しかった~!」

「何故私には一言も喋らせてくれなかったんですか……」


そう言って席を立つ三人。


「それじゃ、俺も帰らなきゃ………………」


あれ?大切な事を忘れてる気がするぞ?


そしてその忘れていた事は俺がその小部屋を出た後すぐに思い出す事となった。


「………ん~……えへへ、おなかいっぱぁぁ………」


そう、俺はレナという存在をすっかり忘れてたんだ!

最早気絶じゃなくてすっかりスリーピングタイム突入してるよこの子!


「やっばい今何時!?ってこの世界時計無いんだった!携帯!………嘘!?無い!そうだ!ディアトリアに置いてきたんだった畜生!」


兎に角レナを起こして直ぐに城に帰らないと!


「レナ!起きろレナ!!」

「う~~……えへへ……そんなぁ……」


ダメだ。起きる気配が無い。こうなったら担ぐしかないか!


「よっ……と、良し!」


レナをおんぶして聖堂の扉を開け放つ。

案の定空に星が瞬く夜空が広がっていた。


「うぉぉぉぉぉぉやばぃぃぃぃぃ!」


これは本格的にエリアスさんに怒られるフラグがビンビンに立ってる気がするぅぅぅぅぅ!!!


「だ、大丈夫か翔?テンションがおかしいぞ?」


俺が扉の前で奇声を上げているのを見て心配したのかレダニールが後ろから声をかけてくる。


「大丈夫だ!所でレダニール!ダメ元で聞くが卵は無いか?」

「? 卵ならあるがそれが……」

「お願いだ!俺に卵を分けてくれ!出来るだけ大急ぎで!」

「あ、ああ分かった……」


良し、これで一応プリンは作れる!ありがとうここの聖堂の神様!

少し経つと片手に袋を持ったレダニール


「ほら、これがたま[バシッ!]」

「サンキュー!恩に着る!」

「あ、あぁ………」


俺は走った!そう、走るんだエリアスさんに怒られない為に!

















その後、鬼神と化していたガルテリアさんとエリアスさんに深夜まで説教されることとなった。今度からは時間をきっちりと守れるようにしたい。いやマジで。

いつも以上に長ったらしい文になったせいでもうグダグダになってるかもしれません。誤字脱字も多いかも………ご了承下さい。

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