表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/129

第二章 十一話 ~邪神の聖堂~

いいか?よ~く聞いてくれ、


俺はレナとお菓子の材料を調達しに街の商店街をぶらついていたんだ。

そして後卵を買えば完了という所でレナの財布が空っぽになりそれに追い打ちをかけるかのように雨が降ってきた。

その後雨宿りの出来る場所をレナが見つけたんだがその中には……………




骸骨が居たんだ。

よーし落ち着け俺、クールになれ、冷静になるんだ。

この世界には何が居た?悪魔にゴブリンに魔獣。俺が元居た世界では空想上の生き物じゃないか。


それだったら骸骨が立って歩いて喋って何がおかしい?


例えその骸骨が聖職者オーラがビンビン出てる服着ていてもだ。


なあ、そうだろレ………


「………………………」


おかしいな?レナの目が点になってピクリとも動かなくなってるぞ?


「おいレナ?」


試しに声をかけたりレナの目の前で手を振ってみたりほっぺをつねってみたり角を引っ張ったが反応ナシ。


…………………気絶しておられる。


「その隣の方は大丈夫ですかな?」

「え………うぉぉっ!?」


横を向くといつの間にか俺の横でレナをまじまじと見つめていた骸骨の頭がアップで俺の目の前に写った。


ちょ、マジでビックリしたぁぁ!いつの間に!?


「気絶しているようですね………しかし何故?」

「いやアンタ自分の体一度よく見てみろよ」


どう考えてもこのキリストチックな聖堂の中でその姿は無いと思う。

しかもここの明かりが蝋燭だけってどんなホラーだチクショウ。


「え?………ああ!すみませんすっかり自分の姿を忘れていました!………何せこの聖堂に住んでいる者以外とは長らく話していないものでして………兎に角、彼女をあそこの長椅子に寝かせましょう………よっ……あれ?……ふんっ!……おかしいいな、私はこんな非力では無かった筈……なの……にっ!」


そう言ってレナを持ち上げようとする骸骨。しかし当然の事ながら体が骨だけの彼は筋肉が無いので持ち上げられる筈も無くしばらくすると………


「あ…あの……恥ずかしながら……」

「分かった。あの正面の長椅子まで運ぼう」


結局俺が一人で硬直して動かなくなった蝋人形のようなレナを運んだ。







「ふうむ………彼女が今やこの大陸を治める王族の一人、レナヴァイス様だと」

「…………ああ」


レナを長椅子に置いた後、レナが目を覚ますまでの時間は暇なので骸骨…もといコレロントさんと世間話をしていた。


コレロントさんは“元”人間で今は不死化してここの聖堂で祭られている神(片翼の女神レステイアスと言う女神)をかれこれもう数千年間守っているらしい。

だからそんな服を………納得。


因みに蝋燭の明かりでよく分からなかったが一番奥の台座に蝋燭の淡い光で照らし出された石造りの女神像が確かにあった。

その姿は片翼の羽と両手を広げて天を仰いでいる姿は正にセフィロゲフンゲフンにとてもよく似ていた。


大昔この地では有名だった神らしいが、この地を治める王が変わり宗教が変わって今は邪神の聖堂と呼ばれていて近づく人も居なくなってしまったそうだ。


所で呼び名が矛盾している様に感じるのは俺だけだろうか?




「さてと、私の事はあらかた教えたのだから次は君の事を教えてくれないか?」

「あ、はい分かりました」


と、言っても俺あんま言えるような事無いんだが………兎に角自己紹介からいくか。そう言えば俺まだ名前言ってなかったし。


「俺の名前は風見翔、種族は貴方と同じ人間です。まあ半分魔王入っちゃってるんですけどね……ハハッ」

「…………」


あれ?コレロントさん固まって動かなくなってる。


「………翔…君……だったかな?………すまん……もう一度聞かせてくれ…」


何だ?コレロントさんの声が震えてる。心なしか若干そわそわしているようにも見える。


「一応人間です………ほら」


俺はそう言って変身を解く。その変身を見た瞬間座ったままの体制でコレロントさんがガタガタと震えだした。


「ど、どうしたんですかコレロントさん?何か俺ヤバいこと言いまし……」

「フォォォォォォォォォォォォォ!」

俺が突然震えだしたコレロントさんは今度は突然雄叫びをあげると聖堂の奥の方へと猛ダッシュで走っていった。

しばらくするとコレロントさんの声が奥から聞こえてきた。


「おい!レダニール、アウェンス、ドエヌ!起きろ!予言だ!予言の子が現れたぞ!」

「ふぁぁ………何ですって?予言の子………ってえぇぇぇ!?本当に現れたんですかコレロント様!」

「本当ですか!いやったぁぁぁぁぁ!」

「こらアウェンス、ドエヌ!浮かれるんじゃない!それに声もでかいぞ!こんなはしたない会話聞こえたらどうするんだ!」


はいバッチリ聞こえてます。

多分声からしてアウェンスとドエヌと呼ばれていたのが女性、レダニールが男性だろう。


多分全員骨なんだろうな~


「兎に角着替えて!」

「「「分かりました!」」」


気合いの入った会話から数分後、

コレロントさんの後ろから付いて出てきた三人は…………


「お騒がせしました~」

「お、お見苦しいところを」

「前の二人がすみませんでした」


白を基調とした銀の刺繍が入ったローブ、背中には純白の羽、血色の良さそうな肌、



う~んこれってどう見たって…………






天使?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ