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第二章 二話 ~魔王召喚~


何だこれは?何々……あらすじだと?


いったい何のあらすじだ!?


そうか!これは私ことパーフェクトゴットであるオーディン様の英雄伝のあらすじであるに違いない!


ふはははははははははははは………


いやはや参ったな!封筒を開けるのが勿体無いははははははは………




※読者の皆様お見苦しい所を見せてしまい本当に申し訳ありません。


このままあのバカの言葉を聞き続けるといつまで経っても本編に入れないので

その代わりに前話の最後で一言コメントをした兵隊さんAが代わりに読んで下さるそうです。


ではどうぞ………


~あらすじ~


我らがレナ様は何故か魔王を召喚するための供物を執事長であるガルテリア様にしてしまい

慌ててレナ様の父上から貰った宝具“崩天”を使ってしまったのであります。

そのせいで城は大混乱に………


兎に角半壊したしろを早く元に戻さねば………


城の中の医務室。

そこで包帯で体中を巻かれたガルテリアにレナが必死で謝っていた。

一国の姫が従者に謝っている光景……

中々シュールな光景である。


「…………ほんっっっとうにごめんガルテリア」

「レナ様……私の他にも謝るべき者達は居るでしょう?」


そう言って部屋の外を見るガルテリア。

部屋の外では執事やメイド等が慌ただしく走り回っている。


「………はい」


レナの渾身の一撃の被害は甚大だった。

彼女が放った一撃は彼女の部屋から最下層まで大穴を開け大きな吹き抜けを作ってしまった。


更にその打ち抜いた階層の部屋の一つで兵達が休んでいたのだからたまらない。

現場に居た兵士数十人が紙の様に吹っ飛ばされて大ケガ。


更にその衝撃で城の中の窓という窓が割れ通路を照らすロウソクが落ちて通路に敷いてあるカーペットに燃え移り火災も起きた。


正にレナはあの一撃で大災害を起こしてしまった訳である。


「全くレナ様は……今回の事は流石にガンダラシア様に報告させて貰いますよ」

「………はい」


そう言って俯くレナ、流石にイタズラで済まされる範囲では無いので

流石に今回の事は反省している様だった。


「所でレナ様、話は変わりますがあの後魔法陣は消えたので?」

「あ、確認してない…………」

「……まあ供物(私)を無理矢理に取り外したので消えていると思いますが一応見てきた方が良いと思いますぞ」

「うん分かった、そのついでにみんなに謝るね!」


“ついで”という単語を聞いた瞬間ガルテリアは怒りが混じった目でレナを見た。


「つ•い•で•す•と?」

「ついでなんて言ってスイマセンでした迷惑をかけた城の皆様にはちゃんと謝らせて頂きますですっ!」

「宜しい」


執事であるはずのガルテリアに敬語を使い頭を下げるレナ。


「フフッ」


そんな状況を見てエリアスはにこやかに笑っていた。







「あれ?供物は無いはずなのに」

「消えていませんね」


レナとエリアスは穴の中心部で未だに輝きを放っている魔法陣を見ていた。


「エリアス、何で消えてないの?」

「多分レナ様がガルテリア様に降り下ろしたハンマーの魔力が魔法陣に吸収されたのでしょう……」

「そうなの?」

「多分、ですけどね……それにしても、ああも魔法陣の術式の部分が欠けている状態で発動し続けているとは……奇跡に近いですね」


彼女はそう言うと空中に浮かんでいる魔法陣を見た。


「それにしても何も召喚されて来ないなんておかしくない?」

「う~ん、そうですね……所で強制転移の術式は書いたんですか?」

「あ、忘れてた」

「忘れてたって………それじゃあこの魔法陣意味無いじゃないですか」


強制転移は召喚魔法の陣を作る時には欠かせない術式である。

普通はこれを組まないと魔物すら呼び出せないのだ。


「一応聞きますが服従の術式は?」

「そ、それはちゃんと書き込んだよ!ほらあそこ………ってあれ?」

「見事に大破してますね」

「ノォォォォォォォォォォォォ!!!」


そう言って崩れ落ちるレナ。


服従の術式も召喚には欠かせない術式の一つであり召喚した魔物や魔獣等を召喚している間だけ従わせる事の出来る術式である。


結論、


召喚できる可能性、相手が術式を唱える事をしなければ来ない。


しかも召喚されても言うこと聞かない。


最悪である。

因みにレナが呼び出そうとしていた魔王は魔族の王としての魔王では無く。

魔物の頂点に立つ魔物という意味での魔王を召喚しようとしていたのである。


そんな者を召喚して


「お城の外に出して☆」


なんて言える筈がない。本来は殺戮の為だけに呼び出される“兵器”なのだから。


「ちょっ!?どうするんですか!万が一にも召喚されて来ちゃったら!」

「どどどどうしようエリアス!」

「解除です!解除すればいいんですレナ様!」

「でもどうやってあそこに行って魔法陣を止めればいいのよ!」


レナの部屋には大穴が開いており、彼女たちが立っている所から三メートル程離れている。

ジャンプすれば一応魔法陣には届くのだが

その後中心部に解除の術式を書かなければならない。


一応魔法で浮く事は可能なのだが生憎二人ともその魔法は覚えていない。


「ど、どうしましょうかレナ様」

「い、一旦医務室に戻ってガルテリアに聞くことに……」

「………それしかありませんか」


そう言って二人が一旦部屋を出ようとした瞬間


[バチッ、バチチッ……]


「「っ!?」」


驚いて後ろを向くと魔法陣が何かを転送してきた。


[ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………]


「ひぃっ!エリアスぅっ!!」

「だ、大丈夫ですレナ様!私が命に代えても……」


そして完全に魔法陣は転送を終え消滅し、召喚された“魔王”は


「え?これはどぉうえぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……………[ドゴン!]」


奇声を上げて真っ逆様に落ちていった。


「守り…………あれ?」

「今のが………魔王?」


そう言ってレナは穴から身を乗り出して下の様子を見た。


「…………エリアス、見て」

「はい?」


顔を上げたレナの顔がひきつっているのを見てエリアスも下をのぞき込む。

「え?………男??」


最下層に倒れていたのは………

頭から血を流して倒れている青年だった。


「ちょっとレナ様!?何召喚してるんですか!?」

「あれ、魔王?」

「魔王な訳無いでしょうがっ!何一般魔族呼び出してんですかっ!?」

「やっぱ?」

「見れば分かるでしょ!」

「あわわ………それじゃ大変じゃん!早く医務室へ運ばないとっ!」


そう言うとレナはあたふたと部屋を出ていった。


「はぁ………待って下さいレナ様~」


エリアスはため息をつくとレナの後を追いかけて行った。

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