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第一章 一話 ~始まりは森の中~

どうも、まえがきを担当するハデスです。

今回からは翔君の視点からのお話となりますよ。その形式が気に入らないって言うならここで迷わずバックしようね!

……さてさて、これから翔君にどんな運命が待ち受けているのかな~?


それでは本編へどうぞ!

「………きろ、…………起きろ!」


誰かが俺を呼んでいる。……誰だろう?母さん……の声じゃないな。ああ……昨日どうしたんだっけ?記憶が曖昧だな。何か忘れてるような気がする。

ううっ、かなり体がダルいしまぶたも重くて開く気になれない。何で俺疲れてるんだ?俺そんな激しい運ど…


「おぉきぃぃろぉぉぉぉ!!!」


[バッシィィィィン!!]


「ほぶぅっ!?」


左頬に激痛を感じて一気に目が覚める。

どうやら荒々しい目覚めの一発を受けたらしい。寝起きで殴られるなんて……両親にもそんなことされた事無いのにっ!

いやそれが普通か。しかし今の一発で一気に目が覚めた。さっきの事も思いだしたぞ……


「う……おぉ………」


俺はまだヒリヒリ痛む頬をさすりながらゆっくりと上半身を起こして体を伸ばした後ゆっくりと目を開いた。


「起きたか。全くこんな森のど真ん中で寝ているとはお前、どういう神経してるんだ!?」

「す、スイマセ………」


声のした方向に顔を向け私を起こしてくれたであろう人物を見た瞬間俺は固まった。


「どうした?私の顔に何か付いているのか?」


声からして女性あろう鎧を付けた人物を見て翔は固まった。

一応人間には見えるのだが、目が翡翠色で肩まで伸びた髪は頭の頂点の色はスカイブルーで下に行くにつれて深海のような暗い色になっているというアニメのような髪の色、そして頭にはサンゴのような形をした左右二本ずつ計四本の角が耳の上から生えていた。

因みに美人だ、凄い美人だ、十人に聞いたら十人とも美人と言う程美人だ。


「あの……あなたは?」


俺は恐る恐る俺を起こしてくれたと思われる女性に質問してみた。


「あ!そうか、この姿をしてる種族は少ないもんな、私はジェミル。流れの傭兵をやってる。ちなみに種族は………秘密だ」


種族の所で変な間があったけど何なんだ?それにいちいち種族と言う事は彼女はやっぱり人間じゃあ無いのか?まあ頭に角とか生えてるしな…


「そ……そうですか、僕は風見翔です。種族は人間です。」


“人間”という言葉を聞いた途端、ジェミルは驚いた!といった顔をしてこちらを見た。


「ほぉ………人間か、珍しい物を見たな」

「あの、人間って珍しいんですか?」

「……え?」


二人の間に暫く沈黙が流れた後ジェミィが口を開いた。


「翔ってさ……どこの大陸の生まれ?」

「え?大陸?」

「うん…大陸」

「え~と、ユーラシア大陸の東の果ての島国……かな?」


そして再び沈黙が流れる……って待ってくれ?何この空気!?俺間違った事言ったか?

いや待て、ハデスの言った事を思い出してみればここは異世界……間違って無いけど間違った事を言ってしまったって事かぁぁ!出身地適当に誤魔化しときゃあ良かった!絶対に怪しまれたよ!?


「お前……いや翔、お前この世界の生まれじゃ無いだろ……」


うぉぉぉぉぉ!?バレた!バレてどんなヤバい事が起こるか全く分からないけど何かヤバい事に違い無い!俺の心がそう警鐘を鳴らしている!ジェミィさん何か俺の事すっげぇ見てるし!!


「[ガシッ]ひっ!?」


翔の体をまじまじと見つめていたジェミルは突然翔の肩を掴んで顔を近づけてきた、そして


「翔!お前気に入った!私に付いてこないか?」

「え?はい?」


と顔をキラキラと輝かせながら言った。俺の予想の斜め上を言った答えに俺は思わぬ肩すかしをくらい拍子抜けしてしまい一気に肩の力が抜けた。


「だから私に付いて来ないか?と言ったんだ」


突然の提案に俺は困惑した。いくら何でも出会ってすぐに何処の誰とも知らない奴を仲間に引き入れようとするなんておかしすぎる。でも武装をした人と一緒に行けば旅路の安全は確保出来るし…しかしそんな旨い話があるか?異世界の住人と知りながら一緒に来いとは……何か裏があるかもしれない。いやでも……

そんな数秒の葛藤の後、俺はジェミルの申し出を拒否する事にした。


「あの……それはお断りします」

「ふむ、そうか……」


ジェミルは少し残念そうな顔をしたがすぐに何か気が付いたような顔をして薄笑いを浮かべながらこちらを向いて話しかけてきた。


「翔、アンタ道知らないでしょ」

「う…」

「やはりな……」


彼女は笑いながら話を続ける。


「大体人間が魔界(こっち)に来るのは基本的に無理、それなら何故此処に居るのか、それは突発的に魔界へ続く空間が開いて引きずり込まれたか、何か特別な理由があって放り込まれたかのどちらか、着ているのは旅人が着るような服とは程遠いしアンタは武器を持ってる、とゆうことは必然的に後者になる訳、さらにさっき場所を聞いたり、私の姿を見た時の反応からしてアナタはこの世界の事を殆ど知らない!何か間違ってる?」


ジェミルさん…アナタは何処の探偵ですか?


「……フフッ、黙ってるって事は肯定してるって事だな、と、するとこの土地についてよく知っている者が必要になってくるだろう?」


どうだ!とばかりに胸を張るジェミル。

……最早選択肢など無かった


「連れてって下さい………」


「よろしい!さあ、一緒に行こうじゃないか!」


こうして俺は不本意ながらも仲間(?)を手に入れたのであった。

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