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第一章 十話 ~市場での一騒動~

皆さん、冤罪って怖いですよね。やってもいないのに罪に問われるなんて……冤罪になった人が半端無い賠償金を請求するのがよ~く分かります。

え?何で今こんな事を考えているのかって?それはですね……


「暴れるな!盗人め!」

「だから違うって言ってんでしょうが!」

「うるさいぞ魔獣泥棒!」


衛兵にいわれのない罪で拘束されているからさ!

とりあえず心の中で叫ぼう……何故だ!何故こうなる!

とりあえず市場に行ってみよーっていう軽いノリでロボと市場に入った途端衛兵に捕まりました。


「暴れるな!暴れるんじゃ無い!」

「え、ちょ!だから……」

「喋るな!さっさと来い!」


衛兵に囲まれたまま移動させられる俺、俺に発言権や拒否権などは全く無いようだ。

何?何なのホントにもう……聞く耳持たないってヤツですか?

そのまま俺は連れて行かれる場所も聞けないまま衛兵達に付いて行くしか無かった……






「……で、襲いかかって来た所を撃退して従わせたと」

「………はい」


衛兵に連れて行かれたのはこの国では一番でっかいんじゃないかっていうぐらいの建物だった。どうやら裁判所っぽい。今そこで尋問をうけている最中という訳だ。

因みにここはギルドという巨大組織……まああらゆる分野の組合がさらに組合をつくっている所らしいが……そこに併設されてる。ってかそんな情報どうでもいいよね!

俺は嘘偽り無く全て起こった事を話した。てか嘘を言うメリットなんて無いからな。


「ふむ、事情は分かりました」

「信じて……くれるんですか?」

「はい、信じるも何も店主が凶暴な魔獣が脱走したと街の衛兵隊に連絡したのが事の発端のようで……近い区画の住民には一応非難令が出されていたらしいのですが末端の兵士には少し情報が歪んで伝わってしまったらしいのです……つまりは貴方には何の罪も無いという事です」

「ふぅ……よかった」


てか凶暴な魔獣ってロボの事か、あんな恐ろしいもん逃がすなんてなんつー店主だよこの野郎!

ちなみに今俺と話しているのはトカゲみたいな顔の男(声からして多分男、うん、この声で女とかだったら俺はドン引きする)でこの人が裁判長っぽい。

しかしトカゲ顔って……表情が非常に分かりにくいため声で大体判断しなければならないのがちょっと面倒だな。


「ですが……一つ問題がありまして」

「はい?」


そう言って顔を曇らす(声のトーンで大体判断した)裁判長、え、何?俺他に何か変な事しましたっけ?


「魔獣を売っていた商人がですね、キズモノにした魔獣はもう売れないから代金を弁償しろと言ってきてるんですよ」

「………はい?」


おいおい何だそれ?自分の不注意で逃がしといてキズモノになったら弁償しろって……メチャクチャじゃねぇかコラ。


「ちなみに弁償する額はこの位になります」


渡された紙に書いてあった額は……スミマセン、この世界の文字なんて分かりません。なんかひなびたミミズがのたくってるような文字としか表現出来ません。


「あの~……これって一体幾らするんでしょうか……」

「はい、金貨三十枚です」


近くに居た請求書を渡してくれた少年がさらりと笑顔で答えてくれた。

全く価値がわからねぇぞ……でも金貨三十枚って事は凄い値段が高いって事は大体想像がつく、どうすりゃいいんだ俺!


「……まぁそれを払わなければ町からは出られ無いからそのつもりで……ではこれにて終了!」


うおおい!終わっちまったよ!どうすんだよ俺!明日出撃するためには少なくとも明日の昼までには払えって事だろ!?無理無理無理無理!!多分だけど金貨三十枚って相当な額だろ!?


「ご愁傷様です……」


……俺はそう言った隣に居た少年をブッ飛ばすのを必死に堪えた。






でかい建物をトボトボと歩きながら出た俺は途方にくれた。

さて、どうするかと手をポッケに突っ込んで歩きだ……ん?……何か袋の様な物がポケットの中にあるぞ……?

不思議に思ってその袋を引っ張り出してみると………


[ゼウスの袋]


と書いてある袋が出てきた。俺は袋の口を開け中身を確認してみると中に一枚の紙切れが入っていた。

俺はその紙を開いた……良かった、日本語だ。


『私の兄弟が君に多大な迷惑をかける詫びとして君にこの巾着袋を餞別として与えよう。君が金銭面で何か困った事が起きた時、この袋を握って強く念じれば必要な分だけ袋の中に金が現れるだろう……しかし悪しき事に使うのでは金は出ない……本当に必要な時に、よく考えて使ってくれ』


なんつー便利アイテム!これで今直面してる非常事態に対処できるかもしれないぞ!

……しかし念じるだけで……ってどうやるんだ?金貨三十枚を出して下さい!とかか……


[ズシッ……]


「うお!?」


突然袋の重量が増え体が傾いた。まさかと思い袋を開けてみると中にはぎっしりと金貨が詰まっていた…

なにこれ凄いと思いながら俺は一応中の金貨の枚数を数えてみた。


「ぴったり金貨が三十枚……」


ゼウス様ありがとうございます!このご恩は一生忘れません!あとハデス死ね!





~冥界・ハデスの職務室~


「ぶえっくしょい!!」

「くしゃみ……風邪ですかハデス様?」

「いや、神様だから病気とかしないから……あ、そっかネタか……いやね、何か悪口言われた気が…」

「悪役ってポジションが定着してるせいですかね?」

「本当だよ全く……こっちは必死こいて死者の選別してぶえーーっくしょい!!」

「はい、ティッシュです」

「うむ、済まな[ガァン!]おぶへぇ!!」

「あ、立てつけの悪かった絵画がハデス様の頭に……」

「冷静に状況を説明しなくていいからこれをどけてくれ……」





なんだろう、何故だか知らないけどちょっとスカッとしたぞ?

……まあ兎に角猛ダッシュで商人の店に行き袋の中に入った金貨を払って事は終わった。

いや~ゼウスさんすごい!ゼウスさん素敵!


「お前…本当に俺に付いてくるんだな?」

「グルゥ!」


因みにロボはお金を払ったという事で名実共に俺の飼い犬……狼になった。何かもう色んな意味で置いとくと危ないらしい……ん?なんでいろんな意味で危険かって?その時の商人の会話を聞いてみてくれ。




「金貨三十枚ピッタリ受け取ったヨ!さあさっさと魔獣置いて帰るヨロシ!」

「え?これって代金払ったから俺のペットじゃないの?」

「何言ってるアル!これは弁償金!この魔獣欲しかったらもう三十枚持ってくるヨロシ!」

「はぁ!?おいおい無茶苦茶じゃねえかこのクソ商人!」

「何とでも言うがいいアル!兎に角この魔獣は私の物……」


そう言って商人がロボに手を触れた瞬間ロボが怒り狂って暴れまわり店を破壊し始めた。

数分後、俺がやっとの事でロボをなだめた後、ボロボロになった商人は悲鳴に近い声で


「そ、そんな魔獣もう要らないアル!そいつ連れてさっさと私の視界から消えるヨロシ~ッ!」





まあそんな訳で俺はロボを手に入れた訳なんだが……

でもコイツ、こんな大きさで宿に置いとけるか……?別途料とかかかったらジェミィが烈火の如く怒りそうな気がする……うぅ、後先考えなかった結果がこれか……

とりあえず宿に行ってみなきゃあな……地図地図っと、

俺はポケットに手を突っ込んで宿の場所が書いてある紙を……ん?あらっ?


「地図が…………ねぇ」


どうやら連行されてる時か……とにかく地図をどこかに落としたらしく無くしてしまった。







どうしよ………と、とりあえず近場から探していこう!


どうも!ニャンコ太郎です!


力不足というかなんというか………

兎に角見て下さっている皆様、感謝感激でございます!

これからもこの未熟者を見守って頂けたら幸いです。

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