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第四章 一話 ~再び始まる厄介事~

危ない危ない……危うく後一週間で更新一ヶ月停止のマークが付くという最悪の事態になるとこだった……


といっても今週末大学入試なんだけどな!書いちまったもんはしょうがない!うん!しょうがない!


……まあ取り合えず一ヶ月近く更新出来なかったのはこの為です。見捨てないでいてくれた皆さんありがとうございます。


それでは新たに始まる第四章、開幕デース!

レイナー博物館での出来事から数日、俺はこの大樹の上にある国エグドラシアが誇る巨大な図書館へと足を運んでいた。


「図書館ってレベルじゃねぇだろコレ………」


エグドラシア中央大図書館、大樹の中をくり貫いて作られた巨大な空間の中には数千万冊の本があると言われている。

……既に規模はそこらの城よりも遙かに巨大らしい。


俺がここに来た理由は一つ、次の堕天使の居場所を特定する為だ。

レスティアスとダリアスの二人は偶然発見したと言っていい。ここは良くも悪くも中央大陸。各大陸に行く道が多い分がむしゃらに進んでしらみ潰しするよりも堕天使が封印されたと思われる場所を探した方が断然効率がいい。


……と、言うわけで俺はそこらを歩いていた司書と思われる人に声をかけ歴史に関する本がある場所に連れていって貰った。


「……ここが歴史書が納められている区画の中心です」

「…………ワァオ」


予想はしていた。しかしここまで大きいとは……

俺の周りには本、本、本……シロウトの巨大イシトクとほぼ同じ程の高さの本棚が横に数十、そして四面の壁にもギッシリ……


「……あの~、歴史書って大体どれぐらいの冊数があるんですか?」

「正確な数を言いますと……確か六百と八十三万六千五百二十三…いや今日五冊増えたので八冊ですね」


司書さんがこちらを向いてにこりと笑った。

……やばい、頭が痛くなってきた。


「ではごゆっくり」


そう言うと司書さんはその場を去って行った。

…ここの本をしらみ潰しに探すのと実際歩いて探すのとどっちが早いだろう……?


「いや!ネガティブに考えたらダメだ!気合いを入れろ俺!」


俺は本の多さにめげそうになった自分に渇を入れ本棚にあった一冊に手を伸ばした……








~数時間後~


「……ま、まだだ……まだ……終わってな……グフッ」


風見翔はちからつきた……


いや冗談抜きでこれはキツい。例えるなら日本から来て半年のアメリカ人が一昔前の言葉を使っている本を読んでいると言った感じだ。

きっと同じ事をやったらアメリカンボーイのライアン君(男)も「オー、コノクニノコトバムズカシー!ボコクニカエリマース!」と言う事だろう。


「まだ若いのに勉強熱心ですね」

「ふぁ!?」


本を読むために設置された机の上でぐでーっとなっていると突然横から声をかけられ驚いて顔を上げてみるとそこには……


「……」

「何です?私の顔に何か付いているのかい?」


紋章の書かれたローブに杖を携えた魔導師にしか思えない……緑色のモンスターが居た。

ローブから除く獣のような目、口から生えている巨大な牙、そして豚のようにつぶれた巨大な鼻に緑色の表皮……あまりにもミスマッチ過ぎたため俺はその男性の顔を見たまま硬直してしまった。


「ああ!……確かにオークがこのような服を着ていれば誰でも驚きますね、当たり前の事です」


そう言って魔導師の服を着た自らオークと言った男性は俺の隣の椅子に腰掛けた。

俺はその男性の顔を無意識に追う。


「私はオークのガサーク•モレイク、こう見えても魔法使いギルドの一員で大魔導師の称号を持っています」

「は、はぁ……俺は風見翔です……よろしく」


スッと差し出された手を俺は何故だか握って握手をしていた。

ガサークさんはそんな俺を見てにっこりと笑…いや怒ってるのか?良く分からないな……


「見ていた所君はがむしゃらに本を見ていたようだが……何か探しているのかい?何なら力になろうかい?」

「え!?いいんですか!」

「ああ、君を見ていると何だかここに来たばかりの頃の私と重なって見えてね……」

「ありがとうございます!俺の調べたい事はですね……」


その後俺とガサークさんは二人がかりで堕天使の事が書いてある本を探した。

始終笑顔?でガサークさんは俺の作業を手伝ってくれた……のだが







「見つからないねぇ……」

「………ですねぇ」


もうこの図書館に入ってどれぐらい経ったのか分からない。しかし俺の前にバベルの塔の如くそびえ立つ今まで調べた本が取りあえず膨大な時間を費やしたと言う事だけは理解できる。


「いやぁ……ここまで探して情報の一つも無しか。エンディアスにある邪神の聖堂はもう調査したんだろう?」

「は、ハイィ……」

「う~ん……よし、私に付いてきてくれ!」

「え?[グイッ]イタタタタタアァーーーッ!!?」


いきなりガサークさんは立ち上がると俺の腕を引っ張って立た……痛い痛い!うわすげぇ力だなオイ!流石(?)オーク、見た目を裏切らない怪力でございま痛いってばもう!


「あの……本は片づけて下さい」

「おっとそうだった、忘れていた」

「[パッ]……手が…腕に握られた痕がくっきりと…」


立ち去ろうとした時司書の一人がガサークさんに話しかけた事により俺はガサークさんの凶悪な握力から解放された。

凄すぎだよこの人の握力……握られた所アザにならなけりゃいいけど……


「よし片付けようか翔君!」

「い、イエッサー……」


バベルの塔を解体して元の棚に戻す作業はめんどくさいなんてレベルじゃ無かった。いやだってちゃんと文字順に並べてあんだもんこの図書館。いやもう館じゃねぇよ城だ。図書城だここは!

……まあとりあえずこのクソめんどくさい作業をなんとか終えた俺はガサークさんに連れられ図書城を出た。


……因みに外へ出た時は既に真夜中なんてレベルじゃ無くお昼になっていた。

………無論次の日だ。








そして俺が案内された所は……城でした。


「さ、入ろうか」

「…………」


いや~凄いですよ、ディアトリアやレナが住んでたエンディアスの城とはサイズが違う。大きさから言ったらそれは……それは……ピザのSサイズとLサイズ位の違い…って解りにくいなこの例え、無駄にピザ食いたくなったし。

……兎に角俺が見てきた城よりも二周りくらいデカいって事だ。


そんなデカい城に唖然としている俺はガサークさんに連れられるまま一つの部屋の前に来た。ガサークさんは軽くノックをした後「失礼します」と言うと中へと入っていった。俺も続いて中へと入る。


部屋には一人の威厳たっぷりな老人が机の書類とにらめっこをしていた。

俺が部屋の扉を閉めるとその音に反応したかのように顔を上げガサークさんを見た。


「おや、誰かと思えばモレイクじゃないか、旅支度は済んだのかね?………それとその少年は誰だ?」


そう言うと老人は俺の方を見た。


「彼は風見翔です。昨日彼と運命的な出会いをしまして……昔の貴方と私のような」

「ほぅ……何だ?山と積んだ本の中で周りを気にせず本を見ていた所をたまたま通りかかってその姿を昔の自分と重ねて見えたのか?」

「まぁ……そうですね、よく覚えていらっしゃる」

「当たり前だ……教え子との出会いは早々に忘れはせんぞ」

「流石師匠……賢者と呼ばれるだけはありますね」

「お世辞はいい……で、用件は何だ?何か頼み事があって来たんだろう?」

「ええ……ここに保管してある特別図書閲覧の許可をこの少年に貰えないかと」

「………………………は?」


ガサークさんが特別図書……だっけ?その閲覧許可を出して欲しいと言った瞬間老人は時が止まったかのように動きを止め、そしてかなり間を置いてから間抜けな声を出した。


「冗談は止せモレイク……あれは学院長の許可が無いと取れない上そもそも明確な地位も後見人も居ない奴には…」

「私が後見人になりましょう」


そう言うとガサークさんは俺の方にポンと手を置いてニコリと笑った。

それを見て額に手を当て「はぁぁ~~」と長いため息をつく老人。


「貴様は昔から破天荒でルールや常識なんて関係無い事を体現したような奴だったがまさかこれ程とは……」

「それが私です師匠、いいですよね?魔法使いギルドではかなり有名ですしここで教鞭も振るったことがあります。後見人としては十分じゃありませんか?」

「……分かった分かった!……そこの少年にどんな思い入れがあるか分からんが学長に掛け合おう……それでいいな?」

「はい、ありがとうございます師匠」

「おい、そこの少年」

「ひゃぃっ!?」


完全に蚊帳の外にほっぽり出されていた状態だった俺に突然老人が話かけてきたので半ばビックリしたような返事をしてしまった。


「そんなに堅くならなくてもいい……私はな、モレイクの人を見る目は私よりも優れていると思っている……だから君を一応は信用しよう。私はヴリミアス•カルベン•タルバーヌ。魔法使いギルド十五賢者の内の一人にしてこのエグドラシア大魔法学院の…」

「一番の年寄り」

「違うわ!学院長の方が私より七十上だ!しかも喋り方がジジイ臭い!」

「教師では一番年上でしょう」

「ぐっ……」


老人……カルバンさんが言葉に詰まってしまい場に変な空気が流れる。


「失礼します、ヴリミアス先生教えて欲しい……っと失礼しました!」


その変な空気はカルバンさんを訪ねて来た一人の女性によって破られた。


「お客も来られたようだし私達は帰りましょう…この件はちゃんと学院長に言っておいて下さいね」

「分かっている!さっさと帰れ!そしてギルドの仕事を終えて戻って来い!」

「ハハッ、分かりました……行きましょうか翔君」

「あ、ハイ……」


俺は再びガサークさんに連れられて城……いやエグドラシア大魔術学院……だっけ?から立ち去った。







あの学院から出た後俺はガサークさんの家に連れて行かれた。

二階建ての結構広々とした家だ。一階は彼が学院から帰ってきた後経営している魔法薬店レストランも兼ねているらしい。二階にあるテラスと屋根裏の戸を開ければ夜空と学院を見ることが出来る。金持ちなんだなガサークさん。


「さて翔君……一つ頼まれて欲しい事がある」

「はい」


ガサークさんは真剣な目で俺を見てくる。


「私はいつも午前は教師としてあの学校で働きその後はここの店で一人働いている……しかし今回ギルドから要請がかかってしまって一時期ここを離れなければいけないんだ……そこでなんだが……」

「俺に留守番して欲しいと?」

「そうだ!その通り!……私は何かと心配性なんだよ」


頼むよ、と言って手を合わせるガサークさん。

いやでもなぁ……


「俺連れが居ますし…」

「ベットは有り余る程ある!自由に使ってくれて構わない」

「それに俺が持ち物持って逃げるかも……」

「君はそう言うくだらない人間じゃないと私の勘が言っている!だから大丈夫だ!」


……どこから沸いてくるんだろうその自信。

その後もあれこれと言い訳をしたが全て見事に跳ね返された。

何故だ!何故俺なんだ!そんなに俺を店番にしたいのか!


結局俺が納得する結果になってしまい店番を任される事になってしまった。

俺が承諾した途端ガサークさんはあっと言う間に出立の準備を終えて俺に家の鍵を渡した。


「それじゃあこれが鍵だ。魔法薬は調合法が書いた本があの棚にあるからそれを使ってくれ。売上金はあそこの紙に書いて、食事は売上金から使ってオッケー。その分は引いておいて、ただしちゃんと記載する事、それとレイナーさんとは付き合いがあるから私から連れの人がここに来るように言っておこう。それじゃあ店番頼んだよ![バタン!]」


ガサークさんは俺に凄まじいマシンガントークをかますと疾風のように店から出ていってしまった。

残されたのはポカンとした顔をしているに違いない俺一人。


「………誰かこの急展開を説明してくれ」


俺は何とかその一言を発すると二階へとゆっくり上がっていった。

そしてベットルームに着いた時そういえば徹夜をしていた事を思い出しベットに倒れ込んだ。


最後に布団が凄いモフモフで気持ちよかったと言っておこう。

~裏話~


ガサーク•モレイク


作者が小説家になろうで一番最初に書こうとしてた小説の主人公。肩書きは魔法少年オーク、魔法使いギルドの緑の彗星など。

肉体派なオークの筈なのに何故か魔法使いとしての能力しか授からなかった可哀想な子。

原作はオブリビオンと言うゲームのオークで作者がノリで本当に生み出したキャラクターが元。

オブリビオンのオークを知っているお方ならあの顔を想像して下さい。この小説に出てきたオークの顔もアレです。


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