始まりの唄
こんな高校生活を送りたかったと思い、書き始めました。駄文ですがぜひよろしくお願いします
出会いがいつかなんて覚えてない。
生まれた時から側にいて、そばにいることが自然で、常にずっと一緒にいたんだから。
それだけど、別れってのは突然来るもんだ。
ほら、今もこうして
「れ、れん……やだあ、行かないで……」
「はずきちゃん…………ごめんね」
「りくやくん、行っちゃうの?」
「うん、宮城に行くっていってた。ばいばい」
「宮城って…………どこだろ、すぐ会えるよね!ばいばい!」
「とーま、行くな」
「ぼくも行きたくないよ」
「おじさん、とーまは私が貰うから」
「何を言ってるのこの子は……ほら、ご挨拶なさい!」
「とーま、すぐ戻ってこいよ」
「わかった、あいく」
出会いなんて儚いもんさ。同じ病院で同じ月に生まれてから7年ずっと一緒にいた俺たちが離れ離れになったのは一瞬だった。れんとはずきなんて将来の結婚すら約束してたのに、鹿児島と新潟に別れちまった。
そしてここにまた1組……別れを告げる子供たちがいる。
「そうまくん……私のこと忘れないでね?」
「うん、ぜったい忘れないから」
「私もぜったい戻ってくるから!」
「まってる、ずっとまってるよ、〇〇ちゃん」
「忘れてたら、許さないから……」
「う、うん……」
なんともまぁ小学2年生にして人生の重い鎖に縛られちゃった子がいるようだ。何はともあれ、こうやって離れ離れになってしまった8人の子供たち……だけど運命ってのは厄介なもので……
ー8年後ー
とある高校の正門をくぐり抜ける2人の男子がいた。身長はあまり高くないようだが、黒いサラサラしたマッシュに整ったルックスを持つ少年と見るからに野球部の少年は桜が敷き積もった並木通りを緩く歩きながら呟いた。
「ふわぁ……あー……今日から高校かぁ………………可愛い子とかいねーかなあ…マトモな子がいいんだけど……」
「はははっ、確かに!お前1度も性格が普通の子と付き合えてないもんなー」
どうやらマッシュの方は彼女こそ居たものの、今までいい女子に巡り会えたことがなかったようだ。
「うるせーよ、タケ……俺だって好き好んでしてねーっっつーの!」
「そうかそうか、じゃあ運命かもな〜」
「おいタケッ!」
タケにからかわれ必死に弁明をはかる少年だったが……
「…………え、おい、あの子、美人じゃないか?」
「話題逸らしてんじゃねーよ!あぁ!?どーせ性格悪いんだろクソ!……………………」
「いいから!1回見ろ、壮馬!」
彼の名は及川壮馬、先日奈良から上京し同中だったタケと一緒に並木通りを歩いていた彼は、その美人を見て、驚愕することになる。
「あれって…………壮馬くん?…もしかして……違う女の子を好きになったとかじゃないよね………………?」
しかし、このあと修羅場が起きることを彼はまだ知らない。