仕事中だぞコラ
【■■■■■内 地下4階】
Pirrrrrrr…
「んだよ、クソッ!」
そう言って目元に酷い隈を装備した筋骨粒々な男は悪態をつく、服装はライト付ヘルメットと作業着に工具箱、どっからどう見ても土方の兄ちゃんである。
……ただ一つ、ヘルメットの前方から突き抜けている二本の角以外は
Pirrrrrrrrrr………Pi!!
「俺だ!あ?なんだ?…今?…仕事中だ、終わり次第折り返……んあ?今すぐ?無理だ、見積り出したのに交換を渋ったのはテメーだろ?自業自得じゃねぇか!切るぞ!」Pi!
「糞がっ!」ゴッ!
男が一人拳と悪態を壁に向かってつく、男が現在いる場所は仕事場(洞窟)である。
Pirrrrrrrrrr……
会話後の鳴り止まぬ怒濤の着信音、正確には先程会話をしていた男の頭の中だけで…だが。
Pirrrrr…
「…………」
Pirrrrrrrr…
「…………………」
Pirrrrrrrrrr…
「ダーー!!クソが!」
Pirrrr…Pi!
「何?俺を殺す気なの?……いや、この程度じゃ死なねぇけど…ってそう言う意味じゃねぇよ!!………けどまぁ、このままだと仕事に何ねぇから代わりを送る。緊急対応だから割増しな!文句ねぇな?ねぇよな!切るぞ!」Pi
もちろん先程からそこにいるのはその男ただ一人である。
男はその場でしゃがみ、目の前を指で弾く。そして
Prrrr……Pi!
「俺だ、ボケとかは無しだ。今からドケチ野郎の所まで行ってこい。…俺?無理だ今、別件だからな。」
そう言いながら男は工具箱を開き漁る。
「一時間でいい。こっちもそれ位で終わる。…あぁ、終わったらそっちに向かう。」Pi
会話を終わると同時に男は軽く『パンパン!』と手を叩く。
「さて…依頼主には悪いが、時間も無いしチャッチャと終わらせるぞ。オマエ達」
そう工具箱の中から男を見上げるモノ達に語りかける。そして…
「「「……ウゴッ!」」」
次々と工具箱からトテトテと手乗りサイズのゴーレム達が担当場所へ各々器用に資材を抱えたりとで散って行く。
「お前達はいつも通り出入口の監視及び幻術を頼む。」
「ウゴッ!」「ウーゴゴ!」
そう返事の後、2体のゴーレムがそれぞれ出入口前に着き座る。
すると目の前の出入口がふさがり階段との判別がわからない状態となった。
「でもって、一応入口入って直ぐに看板立てて…っと」
『■■■■■■■■■ ■■■■■ ■■■■』
(只今メンテナンス中 関係者以外 立入禁止)
「幻術解かれたりしたら速効で戻ってこいよ?」
そう言って座る入口担当を撫でて歩いて行った。