第2話 憂鬱な放課後
つ、ついに来てしまった。
放・課・後!!
いつもなら待ちに待った素敵な時間なのに…
うぅ、先生…
山井とやらになんだかんだで昨日はお断りできなかった。
なので!!!!
今日断ろう。
断固お断りしよう。
勉強はまぁ…赤点は取らない自信はあるし。
教頭にだったら喜んで教えてもらってたかもだけど、
あのイケてるメンズに教えてもらうのは何か癪だ。
でもなんて言って断ろうかなぁ〜…
なんて考えていると突然教室の戸があいた。
―ガラッ
「あっ本城さん」
????
…………?
………………!!
山井――――ッ!!
「…イケ、あっ山井……さん」
えっなんでいんの?なんでうちのクラスに。
いやいや、まだ断る理由考えてないのにぃぃ〜…
「片岡先生と待ってたんだけど来ないから探してたんだ」
え?!今何時?
慌てて時計を見ると考え出してから30分近くも時間がたっていた。
「ごめんなさい…」
片岡先生に申し訳なくてテンションがた落ちだ。
「大丈夫だよ。じゃ行こっか」
何が大丈夫なのだろうかと思いつつ向かうのは図書室。
いつもそこで先生に勉強を教えてもらっていた。
暇なので図書室に向かいながらお互いの自己紹介。
「山井大翔クラスは隣の2組だよ」
「本城笑実クラスは1組。って同じ2年だったんだ〜。へ〜」
気付かなかったが同じ学年のうえに隣のクラスだったらしい。
…こんなのいたか?
なかなか思い出せずまじまじと顔を見てみた。
薄い茶色がかったサラサラそうな髪。
ハッキリした顔立ち。
モデルみたいな体型。
よく見るとなんか少し外国人っぽい。
ハーフだろうか。
「……どうかした?」
「いやっなんでもないよ」
焦った、見すぎた。
なんかどっかで見たことありそうな気がする。
まぁ隣のクラスなら見たことあるのが当たり前なんだけど。
ま、どうでもいいか。
興味ないし。
「………ねぇ、エ
「あっ!!片岡先っ生〜!!!!」
気づいたらもう図書室に着いていて扉の前で先生が待っていた。
私が叫ぶと先生は気付いたようで手を挙げた。
あぁ先生!!
素敵。素敵すぎる。ステキングッッ!!
そういや、山井がなんか話しかけてきたような……まいっか♪
「本城、遅かったな」
そう言って頭をなでられた。
…………やばい。
今すっごく先生に抱きつきたい。
これから1ヶ月も先生に会えないなんて地獄だよ!!
本当に…………
「山井すまんな、じゃ始めるか」
あっ山井の存在忘れてた…
「…………で、ここまでは教えてるからここから教えてやってくれ」
あぁぁ、いい。
今の角度すごくよかった!!
やっぱ先生ってカッコいいなぁ。
恋人は…いないっぽいけどいたらどーしよ!!
これはゆゆしき事態だよ!!
あ゛〜〜それでも先生好きだぁぁぁああ!!!!
「本城?」
「っ!!はい?!!」
やばい妄想で暴走してた。
危ない。危ない。
「……すまんな、急にこんなことになって」
「いやいやいや、先生にだって事情があるんだし、全然…大丈夫です……よ…ハハハ」
会えなくなるのが急に現実的に思えて来て悲しくなってしまった。
「なんだ、寂しいのか?」
「もちろん寂しいですよ…(死ぬほど)」
先生は冗談のつもりで言ったので少し驚いていた。
そして照れ笑いを浮かべながら頭をなでてくれた。
……………ドキューンッッ!!
すすす好きぃぃ!!
何あの可愛い顔。
やばいっしょ。やばいヤバい理性が理性がぁぁ…
「じゃぁ、本城の為に早めに帰って来ないとな」
っ!!先生!!!!!
もぅ…愛してるぅぅぅぅ!!!!!
勢い余って抱きつこうとしたその瞬間。
「つ!!続きしましょう!!!先生、もう時間ないんじゃないですか?」
あ、危ない。危ない。
危うく理性を無くして抱きついちゃうとこだった…。
「もぅこんな時間か、じゃすまんな2人とも。後は任せたぞ山井」
そう言って先生は足早に図書室を後にした。