第1話 俗に言うイケメンと出会う
拙い文章ですが読んでいただければ幸いです。
「あっ片岡先生だぁ〜」
数学の教師の【かたやん】こと、
本名 片岡 正治
42歳。
今わたしの好きな人。
「エミってほんっと好きだよね、かたやんの事」
親友の南 海里が呆れたようにつぶやいた。
「あっいくら片岡先生がステキだからって海里は好きになっちゃダメだからねッ!!」
念押ししておかないと片岡先生に惚れちゃったら困っちゃう
って思ってたら
かなり強烈なデコピンをお見舞いされた。
「心配しなくてもこの学校であんただけよ」
あんたのオヤジ好きも病気ね、
そう。
わたし本城 笑実は30歳以上の男の人にしか魅力を感じない、
かなりの年上好きなのだ。
なので!!
年下、この学校の男共も眼中になし。
クラスの男子の名前さえ覚える気がない。
だから、本当。
これからあんな事に巻き込まれるなんて本当に災難としか言いようがない。
放課後、
わたしは愛しの片岡先生に数学を教えてもらいに職員室へと行った。
もう最近では日課になりつつある。
勉強なんて口実でただ会いたいだけなんだけどッッ!
はやる胸の鼓動を抑えて片岡先生の名を呼ぶ。
「片岡先〜生ッ!!」
あぁ、
今日もなんて素敵なんだろう。
目尻のシワも
笑った時に出るえくぼも
すこしよれてるスーツも
全部
全部ストライク!!
「おっ本城、今日もきたな」
そう言って笑ってくれた。
やばい。
今キュンってきた、
キューンって
「もちろんですよ!!!!!!(先生に会いたくてね)」
力強く言い切った。
「そうかそうか、あっ……………………嬉しいんだが…実は俺、ちょっと実家に帰ることになってな」
だいたい1ヶ月くらいはこっち戻らないんだよ、
先生の口から飛び出してきたものは愛の告白でもなく、数学のことでもない最悪の言葉だった。
「…ッッ!!!!????」
先生実家帰る
↓
会えない
↓
悲しい寂しい
わたしはものすごくショックで
声がでなかった。
だって1ヶ月も会えないなんて拷問に近いよ?!
てか拷問だよ?!
それを見た先生は
何を勘違いしたのか
「あぁ!!来月テストだもんな!!本城も困るよな〜、誰か…」
勉強なんてどうでもいいんですよ…
先生に会えなくなる事がショックなんです!!
「あの…先生、僕もう失礼しますね」
愛しの片岡先生に夢中で気付かなかったけど
隣に男子生徒がいたらしい
背が高くて、
きれいな顔立ち。
俗に言うイケメンというやつだ。
こんな人うちにいたんだ…
ま、どうでもいいけど
「山井すまんな。……おっ!!山井お前がいるじゃないか!!」
お前こいつの数学見てやってくれよ、
わたしの方を指差す先生。
『え…?』
わたしとイケメンくんは見事にハモった。
「いや〜よかった、よかった」
…片岡先生?
全っ然よくないよ。
よくない、よくない。
なんでこんな若僧なんかに?
どうせなら教頭(53歳)のほうがいい。
「山井いいよな?」
先生は勝手に話を進めていっている。
イケメンの山井とやらは少し考える素振りをみせたあと
「いいですよ」
そう言って微笑んだ。
「よろしく、本城さん…?」
こうしてはじまる地獄のような1ヶ月をわたしはまだ、知らない。
ありがとうございました!!
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