16 誕生日パーティー3
「ちょっと、あなた!静留様たちをつれ回すとわどういうつもりですか!?」
「えーと、どういうつもりもなにも、一緒に出かけているだけですが?」
パシンッ‼
「本当!ムカつきますわ!だいたいあなたみたいな......」
私の答えた回答が気にくわなかったようで、一番前にたっていた子に頬を叩かれそのあとはみんなでずっと私の悪口を言っている。
小さい頃からよくあったことだから慣れてしまって、内容を聞き流していると、何も言わず反応もしない私に業を煮やしてか、また頬を叩かれた。
「聞いていますの!?」
「あなたのような方が無視していいお方じゃ無いのですよ!本当平民育ちは嫌ですわ」
「「「「「ねぇ~」」」」」
いやいや、あなた達の育ちかたの方が嫌だけどと思いながらも声に出さずにいたら、顔には出てしまっていたようで、私の顔を見た方が私の頬をまた叩いた。
「ちょっと、何よその顔!!私たちをバカにしてるんじゃないでしょうね!?」
「いえ、していませんが」
パシンッ‼
「その話し方がバカにしているとおっしゃってますわよ!?」
「そうよ!」
否定してもバカにしてるって思われるならどうすればいいのよ?と考えてると、トイレの入り口がそっと開き、静留くん達が入ってきた。
え!と思いながら、3人を見ると3人とも口に人差し指を当てて、「しー」とやっている。
とりあえず、ご令嬢の方に顔を向けるとまた、頬を叩かれた。
「あなた今また話を聞いておりませんでしたわね!?」
「本当、どういう神経しているのかしら!」
そろ~っと静留くんたちを見るととても怖い顔をしていた。見なければよかったと思ってると、また叩かれそうになっていた。
「話を聞きなさいって言ってるのよ‼」
パシッ
「お姉さん達、僕が話を聞いてあげるよ?」
「「「「「え‼」」」」」
奏留くんが叩こうとした手を掴んで、満留くんがご令嬢たちに話しかけていた。
ご令嬢達は驚きで固まってしまっていた。
静留くんは私の方へ来て、私の頬を触っている。
「大丈夫?いのり」
「うん、大丈夫だよ。というよりここは女子トイレだよ?」
「そ、そうよ!ここは女子トイレですわよ!何故静留様達が....」
「いのりがなかなか帰って来ないからね。心配になってトイレの方に近づいたら、少し騒がしかったからね。ちゃんと許可はとってあるから安心して?」
どうして、女子トイレに入ってきたのか一番の疑問をぶつけると、ご令嬢達の一番前にいた方(手を振り上げていた人)が固まっていたことから復活して静留くんに向かって話しかけていたが、静留くんは一切そちらを向かず、私の頬を触りながら答えた。
「そ、そうなんだ。待たせちゃってごめんね」
「大丈夫だよ。いのりのせいじゃないのは分かってるから」
そう言うと静留くんはご令嬢達を横目に見た。
ご令嬢達は「ひっ!」と声をあげていた。
「君たちはいのりに何が言いたかったのかな?話してみなよ」
「い、いえ、なにも...」
「なにもないのにいのりに手をあげたの?最低だな」
「っ!」
「君たちのところとの取引は考えさせてもらうよ。自分達が"誰に"手をあげたかよく考えるんだね。行くよ。奏留、満留」
「へぇ~い」
「は~い」




