11話
今日はグラス視点
ときは少し前に遡る
「ここでうちのポニちゃんがどっか行っちゃって。それで困ってて。」
こういったおばあちゃんは暗くて狭くなっている通路を指した。
「ここですか、だいぶ人がいないところっすね、探しはしますけど、見つかるかどうかはわかんないっすよ」
正直依頼とか受けるつもりなかった。ただ暇だったのと昨日の件のもどかしさを感じていたからだ。何かよくわからないけど、俺に急に指示だけ出してきて。まあそんなん関係なく俺は俺の信念を貫いていくだけなんだけどな。
だからこそ困っているおばあちゃんがいたので、つい声をかけてしまっていた。自分のいいとこであり、悪いところだと思っている。一度それが仇になって裏切られてしまったからね。
「俺がポニちゃんを見つけますからまぁ任せてお家に帰ってください。」
そう言っておばあちゃんを帰らせることはできた。さてここからどうするか、俺の予想だとこれは、何か別の勢力の働きかけな感じもする。おばあちゃんの犬はなんか効果があるとかないとか、なんかリラックス効果があるらしく、精神安定剤になっているとのことだ。
とりあえず俺は通路を捜索することにした。王都にしてはあたりは暗く、通路の店では金をかけて遊ぶものも入れば、女を侍らせているものもいた。金をかけていた人の横に白い犬がいた。こじんまりとしていてなんか小さい綿毛のようだった。横には盗賊のような見た目のやつが3人ほどいた。
俺は出たタイミングで話を聞こうと思った。
「えっと…皆さんちょっといいかな」
盗賊のような3人組は辺りを見渡し、全員で逃げ出した。
「重力」
3人組は動けなくなり辺りをうずくまった。
「お前らなにもんだ。さっきの犬はどうなった。」
「お…俺たちはサウジ盗賊団だ、犬を誘拐したのは俺たちが頼まれただけだ。俺たちの隠蔽のスキルをいいように利用してきたんだ。全てはあいつがわりぃんだよ。」
「誰が頼んだんだよ。そんなことに」
「俺たちはあの中にいたあの男だよ悪いのはあの犬が何とかってほんと最悪だぜ。」
はぁとりあえず潰してやるか。あの犬はなにか大きな問題に関わっちゃまずそうだな。
あの男に会わなきゃな。気づいたらあの男離れていた。
あんにゃろう
「俺たちは何でもするから見逃してくれよ…」
「んじゃ俺の配下になれよならなきゃ次の瞬間首が飛んでるかもな。」
「じゃあ言うことは聞くよ命にかけても。」
あの男は奥にいた。あいつは逃げようとしていた。
「待ちやがれよコノヤロウ。」
あいつの構え方は剣の位置が高いから水天流だな。俺の絢爛流がどこまで通用するか。楽しみだな。
「燕返し」
俺はあいつの剣をしっかり弾いたつもりだった。気づいたら背後を取られていた。
「水天流 水天昇」
顎付近への一撃を貰ってしまった。かなりの手練だな。はぁ頭が上手く動かないや。
「反重力」
上に男は浮いて動けなくなった。犬は解放されていたので、俺は男をとどめたまま、外をでた。そして暫く歩いて、おばあちゃんの家に帰りついた。
「こんばんは…あんた大分怪我しているじゃないそんな無理をしてまでうちの子を」
「クゥン…アン」
めちゃめちゃ弱々しいなんでこんなに声が出ないんだってぐらいだ。でもあの犬の目を見ているとなにか吸い込まれている感じがした何かを読み取られている感じだ。
「ポニちゃんて人の気持ちを読んでる感じがするでしょ、それはあなたの気持ちを察してそこからなにか行動してくれるのよ、セラピー犬みたいなものなのかしら? 」
おばあちゃんは首を傾げながらも誇らしげだった。俺は挨拶したあと頭を下げながらその場所を後にした。そんなことをしてるとルークが俺の前に現れた。この怪我のことをあんまり言われたくないから怪我は修行していると言い訳をした。まぁ明日の戦いは勝ってやるさ。
このまま家に帰ると夜になり俺は寝てしまった。ルークは俺を信用してくれているかもだけど俺はいつか裏切るのかも知れないだからあまり期待して欲しくないが俺は俺のプライドで戦って行ってやるよ。
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