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鬼ババア視点 平民の女とその娘を地面に這わせて命乞いさせようと決意しました

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

「もう、絶対に許さない」

私は完全にプッツンと切れていた。


この侯爵夫人であるこの私、トゥーナ・ソーメルスをここまで虚仮にしてくれるとは。


あの平民の女、絶対に許さない。私をずぶ濡れにするわ、あろうことか平民の女が侯爵夫人に手を上げたのだ。


必ずや、地獄の苦しみを味あわせてやる。私は心に誓ったのだ。





昔、学園生の頃は、伯爵令嬢であった私は、陛下を巡って同じ伯爵令嬢であるルイーセと争っていたのだ。


美貌、愛くるしさ、可愛らしさ、全て私があのルイーセには勝っていたのだ。


なのに、あのルイーセは、配下の平民の女、ティナを使って、あろうことか恋人の泉などという都市伝説を作ってくれて、私から陛下を取り上げたのだ。


公爵令嬢のテレシアと組んで、陛下は嵌められたのだ。


陛下は最後にお会いしたときも、

「トゥーナ! 今生は縁が無かったな。来世こそはその方と結ばれたいものだ」

とおっしゃって頂いたのだ。ルイーセの尻に敷かれた今の陛下はとても可哀そうだった。


そして、陛下の寵を最後まで闘った私には、その時にはもう良縁は残っておらず、結局だいぶ年上で男やもめだったソーメルス侯爵との縁しか残っていなかった。


でも、それから私は頑張ったのだ。


侯爵も私には優しかった。娘も生まれて、丁度、陛下のお子の王太子殿下とは2つの年の差であった。


憎き、ルイーセの息子かと思うと嫌になったが、陛下の息子と思えばそこは気にならなかった。


しかし、王太子はルイーセの嫌がらせか隣国の王女との婚約が決まったのだ。


私はルイーセが更に憎くなった。あいつは何度私の邪魔をすれば良いのだ。


しかし、その王女が自分の騎士の子供を宿したと聞いた時、やっとチャンスが巡ってきたと思ったのだ。


せっかく、娘のステファニーにも王太子殿下にアプローチするように言い聞かせたのに、そこに平民の女がちょこまかと出てきていると言う話だった。


その平民の女を探らせるとなんと、あのティナの娘だと言うではないか。


あの悪魔の三つ子の一人、陛下を私から取り上げた憎き女の一人だ。学園時代はこの平民の女には何度煮え湯を飲まされたことか。


こいつは魔術も強力でまともにやりあっては絶対に敵わなかった。


影で色々やろうとしたが、その度にルイーセやテレシアに邪魔されて私が何度酷い目にあったことか。


先生らに言いつけても、皆ギョッとした顔をして、

「トゥーナさん、そこは諦めて静かにしていたほうが良いわよ」

と逆に忠告される始末だった。


その娘が私の野望を邪魔している。これはもう許せなかった。


私は自分の娘にはもっと積極的にアプローチするように指示するとともに、取り巻き令嬢らに娘の支持を依頼をした。


平民の娘は積極的で、なんと、必ず恋人になる3っつのジンクス、恋人の泉のコイン投げと茶色い帽子屋のカフェの分け合いと図書館の恋人席の3っつとも制覇したんだとか。


笑止だ。過ぎたるは猶及ばざるが如し。3っつとも制覇したものは必ず別れるのだ。


しかし、影からの報告によると何故か別れていないとのことだった。


私はその父のバースのライバルの文官の男を焚き付けて、その娘を襲わせることにしたのだが、なんと失敗したそうだ。


本当に出来ない奴は仕方がない。



次いで、取り巻き連中を連れて、陛下に請願に行ったのだ。


取り巻き連中も貴族社会の令嬢を差し置いて平民の女が王太子妃になるなど言語道断と私に協力していくれることを誓ってくれたのだ。


その10人を連れて陛下にお会いしようとした矢先に、そのターゲットの娘に会ったのだ。


娘はとてもみすぼらしい乞食のような格好をしていた。胸もないし。


それなのにその貧しい乞食が私のことをおばけだと抜かしたのだ。


「何ですって!」


「あなた平民の分際で、よりにもよって侯爵夫人の私をお化けですって!」

私はその娘を張り倒そうと思ったのだ。


しかし、その娘の盾にその弟が出てきて、私に張り倒されていた。余計なものをしばいてしまったわ。


私が後悔した時、憎きその母親の平民の女が出てきて、王妃と公爵夫人の3人で私に対して、傍若無人な振る舞いをしてくれたのだ。


私はここまで酷い扱いを受けるいわれはなかった。


泥水の中に転がされて体中泥まみれになったのだ。娘も同じだ。


見る目も当てられない姿になって帰って来た私達を見て、さすがの夫の侯爵も怒り狂ってくれた。


でも、陛下に抗議に行くものらりくらりと躱されたと怒って帰って来たのだ。


夫ではあてにならない。



私は心に誓ったのだ。


あの生意気な平民の女の娘を暴徒共に襲わせてやると。命乞いしてきたところを、更にボロボロにしてやるのだ。後でその事を知ったら平民の女はどれだけ泣き叫ぶだろう。出来たらその女もその娘と同じ目に合わせて始末すれば良いのだ。平民の女の魔力がいくら強くても、侯爵の影共や、最近出入りしている隣国の魔道士を使えば問題ないだろう。たかだか平民なのだ。平民の女が二人地上から消えても問題ないだろう。


「この侯爵夫人であるトゥーナ様をここまでコケにしてくれたことを、心底後悔させてやるわ」

私は心の底から決意したのだ。


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

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『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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