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お貴族様に囲まれて嫌がらせを受けました

皆様のお陰で異世界転生恋愛日間ラランキング8位になりました。

応援ありがとうございます。

その日の放課後だ。


「ちょっと、バースさん、宜しいかしら」


授業が終わると私はクラスの貴族の女性の方々に囲まれたのだ。


うーん、誰が誰かは全くまだわからないんだけど、なんだか皆怒っている。

タチアナ様を探しにすぐに出たかったのに、仕方がない。皆様、何なんでしょう?


なんか、お貴族様の顔が怖いんだけど、私が何かお気に触ることしたんだろうか? 授業中も静かにしていたはずだけど。


「あなた、今日のお昼間、ベーレンズ様とお話ししていたって聞いたのだけど、本当なの?」

「べーレンズ様ってどなたですか?」

私は判らなくて聞いた。


「ほら、アニカ、こんな野暮ったい女の子がべーレンズ様に気に入られるわけないじゃない」

この中でリーダー格の女が言った。確か、クロメロン子爵令嬢だったような気がする。何かメチャクチャ失礼な事言われたような気がしたんだけど。


「いえ、レネイ様。私ははっきりと仲良く話しているのを見ました」

その横にいた男爵令嬢が否定する。たしかデブアニカ男爵令嬢だったはずだ。


「あなた、嘘を言ったの!」

きっとしてクロメロン子爵令嬢が怒って言った。


「はい? そもそもべーレンズ様なんてお話ししたこともありませんけれど」

「あなたお昼休みにお話ししていたじゃない。黒い髪の男性のことよ」

「ああ、クンラート様ですか」

「あなた、名前呼びするなんて不敬よ」

子爵令嬢が注意してきた。そうだった。確か貴族は名前を呼ぶのはとても親しい人のみで、普通は苗字で呼ぶのだった。でも、そんなの苗字なんて覚えていないわよ。ゲームではほとんど名前のみだったんだから。


「でも、その方とはお話ししていただけですよ」

「あなた、何言っているの? べーレンズ様にはブールセマ様という、あなたなんて到底かなわない、麗しい公爵家のご令嬢が婚約者でいらっしゃるのよ。なのに二人きりで親しくお話しするなんておかしくなくて」

「クロメロン様」

「誰が黒メロンよ。私はレネイ・クロンメリン子爵令嬢よ。クロンメリンね」

「あっ、すいません。クロンメリン様」

本当に貴族の名前ってややこしいのよ、ってそうじゃなくて


「私、二人きりではなくて、アル様がその場にはいらっしゃいましたけれど」

「誰よアル様って?」

「私も苗字は教えて頂いておりません」

「何なの、それ? まあ良いわ。そもそもべーレンズ様にはブールセマ様というれっきとした婚約者がいらっしやるのよ。だからあなたから話しかけるのはおかしいわ」

「あのう、お言葉ですけれど、私から話しかけたのではなくて、向こうから話し掛けられたのですが」

私ははっきり訂正した。


「何を言っているの? ベーレンズ様があなたみたいな地味な女の子なんかに話しかけるはずないでしょう」

うーん、野暮ったいも地味なも余計なんだけど・・・・。


「そもそもあなたがベーレンズ様に話しかけられても応えなければよいのよ」

何を言うんだろう。この子。太公のご子息から話し掛けられて無視なんかしたら反って不敬になるのではないだろうか?


「判りました。次にベーレンズ様に声かけられたらクロンメリン様からお話しするなと言われているので話せませんと言います」

「ちょっと待ってよ。そんな事したら今度は私が怒られるじゃない!」

「そう言われましてもそうしろとおっしゃられたのはクロンメリン様ですよね」

私が言う。私だけ酷い目に会うのは嫌だ。無視なんかしたらクンラート様に何を言われるか判ったものではない。


「それはそうだけど、あなた、ブルーセマ様に逆らいたいの?」

「まさか、滅相もありませんわ。ブルーセマ様ほど素晴らしい方は学園にいらっしゃいません。私はそのブルーセマ様がく、ベーレンズ様に話し掛けようとなされたのに、ベーレンズ様が無視なさったので、それに対して文句、いえ苦情を申していただけですわ」

私はクンラート様に危うく説教していたと正直に言うところだった。


そう、あのクンラート様に、如何にタチアナ様がクンラート様の事を思っていらっしゃるか、延々とお話ししただけなのだ。そんな訳はないとクンラート様は否定されたが、クンラート様はタチアナ様がどれだけツンデレなのかご存知ないだけなのだ。


「あなた、それは本当なの? ベーレンズ様はあなたとお話しして、いたく楽しそうにされていたけど」

男爵令嬢が疑い深そうに言ってくるが事実だ。


「本当ですわ、デブアニカ様」

「誰がでぶ・アニカよ。私の名前はアニカ・デ・ヴァール男爵令嬢よ。デ・ヴァールよ。デブアールでもないわよ」

「申し訳ありません。デ・ヴァール様」

お貴族様の名前って、なんて難しいんだ。少し太っているからデブアニカと覚えたのに・・・・。


「どっちにしろ、ベーレンズ様とはあまり近づかないようにするのよ!」

「判ったわね!」

クロメロンとデブアニカ達は、言いたいことだけ言うとさっさと出ていった。


私はお貴族様の対応に疲れ切ってしまって、タチアナ様を追っかけるのは諦めて帰ったのだ。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

話すなと言われてシルフィは行動を改められるのか?

続きは今夜更新予定です。


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
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『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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