表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/62

アル様に馬で相乗りして王宮に連れて行かれました

私は何とか助かってホッとした。破落戸共に襲われる事がまさかあるなんて思ってもいなかったのだ。


でもそれからが大変だった。


火を消すのが・・・・。


私が消そうとして出した水魔法は燃えている倉庫ではなくて、捕まった破落戸共と騎士の方々諸共水浸しにしたのだった。


火を消すのは後からやってきた魔術師に任せた。私がやると碌なことはない。




私はそのまま騎士団の駐屯所に連れて行かれて色々聞かれることになった。父は忙しいので後で王宮での聴取になるそうだ。


しかし、聴取の部屋に入るとすぐに、


「シルフィ、シルフィは無事か」

扉を蹴破るようにしてアル様が飛び込んできたのだ。騎士達もいきなり王太子がやってきてびっくりしていた。


しかし、あろうことかアル様はいきなり私に抱きついたのだ。


ええええ!


「良かった。無事で」

「ちょっとアル様、皆の視線が」

「そんなのはどうでも良い。何故、シルフイの傍に護衛の騎士がいなかったのだ」

きっとしてアル様が騎士達を睨みつけたんだけど。でも私達の護衛していたあの騎士って確か王宮の騎士で、ここの騎士とは関係ないのでは。


父はさっさと仕事に行ってしまったし、私ではよく判らなかった。王太子の怒りをモロに被って駐屯所は恐慌状態に陥ってしまったのだ。


「で、殿下、申し訳ありませんでした」

少し経ってから王宮から慌てて騎士団長が駆けつけてきて、更に騒ぎは大きくなったのだけど。


平身低頭する騎士団長によると、ブルが今日は私の父が直接来るので護衛はいらないと言伝に来たのでそう思ったそうだ。


「ほおおお、騎士団長。いつから俺の命は一財務官の言う事より軽くなったのだ」

アル様の目が細くなって、もう大変だった。



本件は騎士団長が責任を持って尋問することが決まり、みんな、王宮に連行されていったのだ。



そして、私はそのままアル様に王宮に連れて行かれたのだ。


アル様の馬に一緒に乗せられて。



「でも、アル様。私馬に乗ったことはなくて」

私が拒否しようとしたが、


「良いんだよ。俺が落ちないようにしっかりと持っているから」

アル様がそう言うんだけど、馬の上からアル様に引っ張り上げられたんだけど、高いって!


アル様の愛馬の上に、アル様に前でしっかりと横抱きにされて乗せられた。でも、とても高くて、

「怖かったら俺の首に手を回して」

「はい」

私は恐怖心からアル様の首に手を回して抱きついていた。


でも、これってめちゃくちゃアル様に密着しているんだけど。なんかこれはこれでちょっと困る。


私は真っ赤になってしまった。


それも街の中を眉目秀麗なアル様に抱きついている女の私ってどうなの?


馬の上は結構高くて、怖いのでアル様に抱きついた形になってしまったんだけど。何の恥辱プレイよ。

周りからはジロジロ見られるし私はもう恥ずかしくなってアル様の胸に顔を寄せてしまった。


でも、これじゃあアル様が恋人に抱きつかれて馬に乗っていることになってしまうじゃないか。


いや、絶対にまずいって。


アル様はなんかそれを楽しんでいるんだけど。ちょっと平民の女の子をからかわないでよ。




王宮の門の前では多くの人にもはっきりと見られてしまった。


「おい、殿下が女連れで馬に乗っておられるぞ」

「あれは誰だ」

「ええええ! 殿下に恋人がいたの?」

「嘘ーーー」

私はその声の中恥ずかしくて、益々アル様胸に顔をつけてしまったのだ。


更にざわめきが大きくなる。


嘘、何あの女。そんな美人でないのにアル様にくっついてとか色々言われているんだろうな。


とか思いながら。


やっと王宮について降りられると思ったところで私は今度は青くなった。


「シルフィちゃん。大変だったわね」

そこには青いドレスを身にまとった王妃様自らがお出迎えしてくれていたのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。
― 新着の感想 ―
[一言] 新作も面白いけど、こちらの更新を優先してほしい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ