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推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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破落戸に襲われるのはワンの機転で救われました!

私は私に対するそのような謀略が着々と練られているなど何も知らなかったのだ。私は王太子に気に入られる事がそんな危険を孕んでいるなんて、全く思いもしなかった。


その日も、私は能天気で、朝から元気良く学園に向けて歩いていたのだ。


「おはようございます!ミラノさん」

近くのパン屋のミラノさんに挨拶する。


「おはよう。朝から元気だね、シルフィは」

「元気だけが取り柄ですから!」

「そんなことないよ!今日も可愛いよ!」

「おばさんもきれいですよ」

私は日頃のルーチンで世間話をしながら歩いていた。


途中から道を外れて草原に向かう。

草原の中の囲いのなかには巨大な犬、ドーベルマンのワンがいるのだ。


「ワン、おはよう!」

私が声をかけるとワンは吠えながら私に飛びかかって来て、私をいつものごとく押し倒したのだ。


「ちょっと、ワン、駄目だって」

私が言うが嬉しそうに尻尾を振りながら私の顔をなめ回してくれるのだ。

毎朝の行事になっていた。


「おはよう!シルフィ、今日も元気だな」

この飼い主のワイトさんが話し掛けてくる。


「ワイトさん。何とかして下さいよ」

「本当にワンも仕方がないな」

そう言いながらワイトさんはワンを引き剥がしてくれた。


「ワンワン」

ワンは私の周りを吠えながら走って喜びを表していた。


でも、そのワンが突然警戒したように、草むらの一角を睨んだのだ。


「うーーーー」

唸るやいきなり駆け出したのだ。


「うー、ワンワン、ウー」

唸りながら草むらん飛び込んでいったのだ。


「ギャ、止めろ」

「痛い、止めてくれ」

「ワンワン」


「どうした、ワン」

「ギャーーー」

私はズボンを引きちぎられたり、足を引きずって逃げ出す、男達を唖然と見ていた。


「あの男達なんだったんでしょう」

「さあな、この辺も物騒になってきたな。シルフィも行き帰り一人じゃあまずいんじゃないか」

「そんな事言ったって私平民ですし」

「でも、可愛い女の子だしな。気をつけな。なんだったらワンを番犬として連れて行ってもいいぞ」

ワイトさんは言ってくれるけど、そう言うわけにもいかない。



「えっ、それまずいんじゃない」

昼休みにその話すると、心配そうにタチアナが聞いてきた。


「そうだ。それはまずいよ。今日は俺が送るよ」

アル様が言い出したのだ。


「えっ、でも、そんな、アル様にそんな事してもらうのは」

私が言うが、

「何かあってからでは遅いよ」

アル様が真顔で迫ってくる。いや、そんな、見目麗しい顔をして私に迫らないで。


「そうよね。アル様が送ってくれるならなら問題ないと思うわ」

タチアナが言うんだけど。

それって更に女の子らに白い目で見られるのではないだろうか。



その日の授業が終わった時だ。

私はアル様が来る前に早めに一人で帰ろうとしたのだ。


「シルフィ」

そこに教室の入口からアル様が顔を出したのだ。でも、遅かった。3年生の教室は遠いのに、何故終わってすぐにアル様がここにいるんだろう。


「きゃっ」

「アル様よ」

クロメロンらが叫ぶが、


アル様はそんなクロメロンらは無視してスタスタと私の所に歩いてきたのだ。


「アル様」

私は驚いてアル様を見た。まさか本当に来るとは


「約束通り、送りに来たよ。逃げようとしても無駄だから。」


「ええええ」

「嘘!」

皆興味津々で私達を見ているんだけど。


「いや、でも、そんな」

そう言う私はアル様に強引に手を引かれて馬車に連れて行かれたのだ。


強引に馬車に乗せられる。

「アル様、でも困ります。私は単なる平民ですし」

「何言っているんだよ。君のところはもう子爵家になるのは決まったのだ。もう、平民ではないんだ。バースは優秀な財務官だけれど敵も多い。君が拐われたらと思うと俺も心配だ」

私の言葉にアル様は反論された。うーん、貴族になるのは大変だ。でも、あの男達は本当に私を襲ってきたという保証もないのだ。たまたまあそこに居ただけかもしれないし。


「でも、毎日アル様に送り迎えしてもらうわけには」

「俺としてはそれで問題ないんだけど」

「何をおっしゃっているんですか。それは私が困ります」

「まあ、これからは行きはバースの所に王宮の迎えの馬車をやるから、それにシルフィは同乗して登校することになるんじゃないかな。帰りは俺かタチアナが送るようにするよ」

アル様が言われるんだけど。そこまでされるのはどうかと私は思ったのだが。


そうこうするうちに、馬車は私の家に着いた。

中に入ったアル様は驚く母に朝のことを話して、馬車を手配することまで話してくれたのだ。

そこまでして貰う必要はないという母を心配だからと無理やりアル様は説得してくれたのだ。


馬車で王宮に帰るアル様を私たちは見送った。



その私を遠くからガラの悪そうな男達が憎々しげに睨んでいるのを私は知らなかった。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

これでブルらが襲いにくくなりました。でも、あっさり諦めるのか?

続きは明朝更新予定です。


新作『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

始めました。ぜひともお読み下さい。

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
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『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。
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