第9話 喧嘩
こんにちは!かなり久しぶりの更新です!よろしくお願いします!!
「…ウィリ?」
いつもと違って、強く抱きしめられる。
がっ
「?!」
王子を抱きしめるウィリのひたいに痛みが走った。
「レェーネちゃん、痛いよ……」
殴られた所が痛む。
「らしくないことをするからだろ。」
「ごめん、でも、良かった!レェーネちゃんが無事で…」
安堵するウィリの言葉に頷くレェーネ。
「うむ、それとな、女ってバレた。」
「………はい?」
☆☆☆☆☆
「どう言う事?!女ってバレたって!!??」
旅館へと戻ったレェーネに待っていたのは幼なじみの本気の怒号だった。
「いや、それが……」
「ねぇ!バレたって裸見られたの?!」
「いや、その…」
「落ち着かないか、ウィリ。王子がお困りだろう。」
怒りが収まらないウィリをフィルシュが止めた。
「バレてしまったものは仕方ないだろ。」
「開き直らないでよ!!レェーネちゃんまさか、わざと見せたの?!ウィルの事誘ったの?!」
「ほう?お前には俺がそのような奴に見えるのだな?」
「!?」
「もう良い。」
そう言うとレェーネは外へと出ようとする。
「王子!どちらへ?!」
フィルシュが止めようとするが王子は軽く拒否した。
「少し外の空気を吸ってくる。」
「……はっ!承知。」
レェーネは外へと出ていくとバタンと扉がしまった。
「あ……」
「追わないのか?」
「お、追えないよ……。レェーネちゃんがそんな人じゃない事分かってて傷つけたんだから…」
ウィリはカタカタと震えながらそう言って小さくなっていた。
☆☆☆☆☆
「はー……。」
外の空気を吸っている王子は感慨にふけっていた。
「テェルが裏切るとは……」
大臣、テェル。国王に幼少期から使える重臣。しかし、2人の関係には闇があった。テェルの娘と妻は国王によって殺されたのだ。恨まれていてもへんではない。テェルの妻は異国の出身だった。それを理由に国王はスパイだとして妻と子供を殺害したのだ。何故、幼少期から使える重臣の妻を殺したか、それは目に見えている。国王とテェルの関係は良いものではなかった。いつも都合よく遣われていただけだったのだから。これは復讐だ。きっと、国王への復讐なのだ。
「……ウィリ。」
ふと、頭に浮かんだのはさっき喧嘩した少年だった。いや、むしろ、ナーバスになった原因は彼である。
「誘った、か…。馬鹿げた事を…」
ため息混じりに空を見上げた時だった。
「何を誘ったの?」
聞き覚えのある声が耳に入る。
「やぁ、王子様。さっきぶり。」
そこにいたのは喧嘩した少年と瓜二つの少年だった。
しばらくおやすみします。いつになるか分かりませんが頑張って書いていきたいです!よろしくお願いします。評価、感想お待ちしております!!