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蒼騎士王子と囚われの国  作者: ユキア
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断章 兄と弟

 

 ボクは影だった。兄は光でボクら影。


 幼い時の事、ボク達は教会の前に名前を書いた手紙と共に捨てられていたらしい。


 そんなボク達に転機が訪れる。大臣に引き取られたのだ。最初は今よりいい暮らしができると喜んだが、それは違った。


 ボク等は捨て駒に過ぎなかったからだ。大臣はボクを暗殺者として育てた。いつでも替えのきく駒として。兄さんはどじで何にもできない。そんな兄さんを王子の世話係に大臣は推薦したのだ。兄さんは表側にいてボクは裏側で殺しをさせられてる。初めて人を殺した時もなんとも思わなかった。でも、どうして何にもできない兄さんが表にいて、優秀なボクが裏で殺しの毎日を送っている。


 そして、大臣に言われたんだ。もし、お前がしくじったら兄を殺すと。兄さんを守らないといけない。だから殺さないといけない。ボクだけが汚れ仕事をさせれてると感じていた。 


 でも、そんなボクを光にしてくれると言うバカな王子が現れた。最初は嘘だと思っていたのに、命をかけてまで証明してしまった。そして、ボクはこの若さで出世した。王子といる間は楽しくて、汚れ仕事も嫌じゃないって、王子の為だって、頑張れた。初めて汚れ仕事をしてて良かったと思ったんだ。だって、(かのじょ)の役に立てるなら、この力は無駄じゃなかったって。ボクはそんな王子が……。


「ウィル、何ぼーとしてるんだ?」


 いつもの中庭で剣術の手合わせをしていた。


「ん?うーん、ちょっと昔の事思い出してた。」


「ほう?」


「君に会えてよかったなって!」


「また、冗談か?全く。」


「ええー!?違うってば!」


 ウィルはこの鎌は(かのじょ)の為に振るうって、誓い直した。



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